角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

笑顔の食卓。

2012年06月01日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
こちらのベース生地も、定番以外の桜プリントです。黒基調にはなんでもよく合うのですが、淡いベージュを組み合わせて優しい雰囲気に仕上げてみました。色からも疲れが癒されてくれると嬉しいですね。

6月を迎えた角館は、緑降る爽やかな天候に恵まれています。今日は夏日に近いくらいの気温になりましたか。午後の早い時間に作務衣の上着を脱ぎました。散策のお客様も、『ちょうど気持ちいい気候ですね』。
私たち地元民もそう思います。

北海道釧路市から、マイカーでひとり旅を愉しんでおられるお父さんがお立ち寄りです。三人のお孫さんへ子ども用草履をお買い上げくださり、『おっ、結構な買い物になっちゃったなぁ』。
ひとつ二千円でも、三人分だと成人男性用より高いですからね。可愛いお孫さんたちへ履かせたいと思ってくださったことに、私としては最大の感謝ですよ。

秋田市からお越しのおじさまお二方。ネクタイ姿でしたから、お仕事で角館へお越しなんでしょう。レストラン北蔵で昼食のあと、ふらりと米蔵へ入って見えたという印象です。
角館草履を眺めながら『へぇ~』と感心のご様子なれど、おじさまのほうから特段のご質問はありません。おそらく「部屋履き草履」の存在そのものをご存じないのでしょう。

こちらから素材や健康効果をご説明すると、ひとりのおじさまがとても小さな声で、『カミさんにプレゼントなんかしたことないものなぁ』。
日ごろの炊事に感謝して、台所で履くようにプレゼントされるご主人が多いことをご紹介すると、おじさまは即決されました。
もうおひとりのおじさまが、『いや~、そんなのプレゼントしたら、晩酌に大吟醸が出てくるんでねぇのっ!?』。

大吟醸が溢れるほど出てくるかは分かりませんが、おじさま宅の今宵の食卓には、笑顔が溢れることだけは想像に難くありませんね。
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