ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




岩間陶器店。中央区築地2-15。左:1986(昭和61)年8月31日、右:同年11月

晴海通りから平成通りに入ってすぐのところにあったビル。岩間陶器店は、左写真の右端の黒いルーパーのような壁の家が店舗で、晴海通りとの京橋郵便局前(現・築地四丁目)交差点の角にある。4階建ての古いビルはその店の倉庫になっていたらしい。現在は「ミレニアム築地」(2000年5月竣工)という9階建てのビルに替わり、岩間陶器店はそこに入っているが、そのビルの向かいにもビルを建てて「うりきり屋」の名前で店舗を広げている。
岩間陶器店はそのHPによると、1902(明治35)年1月に、日本橋魚河岸に業務用食器の専門問屋として開業した。関東大震災後、魚河岸が築地に移転するのに合わせて当地で再開した。
『東京珍景録』(林望著、新潮文庫、平成11年、667円)に岩間陶器店の倉庫のことが書かれている。二代目社長の話として、「昭和7年に設計され同8年に竣工」「設計といっても、じっさいは藤原武太郎という大工の棟梁と、初代の大旦那が相談して拵えたものらしい」とある。スクラッチタイル貼りの外壁上部の白っぽいものは太鼓腹の布袋様のタイル絵で、「商標」の字が入っている。当書にはそれと判る写真が掲載されている。
消えた近代建築>岩間陶器店』によると、竣工時は2階はバルコニーになっていて、大きな開口部だったらしい。商品をそこから搬入していたのかもしれない。『消えた建築>岩間陶器店ビル』の写真が素晴らしい。

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