ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




岩元市場。中央区築地4-14。1989(平成1)年11月5日

左写真は築地場外の築地東通り(左奥への道路)が波除通りに出る角。波除通りとは波除神社の正面から新大橋通りへの道路をいう。1986年の住宅地図では角の店は「東京フーズ」。岩元市場の看板の架かる洋風看板建築の建物には、道路に面して「原商店(海産物卸)」と「双葉食品㈱」が入っている。岩元市場とは幾つもの店を納めた建物名と考えていいようだ。
岩元市場の裏は撮影時ではまだ築地川の水面があったかもしれない。この建物は後ろでL字型に曲がって波除通りにもう一つの正面を向けている。それが右写真で、店は「一不二」という食器の店。「割烹向専門・せともの・一不二」の看板が置かれている。看板建築の造りにした面はまったくの二次元の面で、看板建築の名称そのままという感じである。むしろ「衝立建築」といいたくなる。



近影。2011(平成23)年11月7日

写真右手前は道路が少し高くなっている。築地川に架かっていた小田原橋の跡だ。一不二の前のコンクリートの塀のようなものは橋の遺構である。その横の看板は、2枚目の写真にも写っていて「一不二の器に盛りて山海の珍味も更に映えて輝く」と短歌が書かれている。「更に」は「皿に」とかけているわけだ。
写真中央の「多美屋」は彫刻看板を製作している店。店名などをレリーフのように彫ってその文字に黒漆を塗った立派な看板を見ることがあるが、その看板である。彫刻千社額などというものも造る。

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