Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ピエール・アンタイ チェンバロ・リサイタル@武蔵野市民文化会館

2012-11-20 23:37:40 | 音楽
             
一度聴きたいと思っていたピエール・アンタイのチェンバロ・リサイタルを武蔵野市民文化会館で聴いた。
客席の入口に貼られた紙に赤い字で前半のプログラムに『組曲第2番ヘ長調:G.F.ヘンデル』の追加が表示されていた。すごいタフなプログラムだと吃驚しながらも一曲得した気分で席に着く。ここはいつ来ても満席なのだが、この夜も満席。
拍手に迎えられて登場したアンタイ氏は先ずチェンバロの蓋を彼自身で開けた。そしてやおら楽器の前の椅子に座ったのだが、その椅子が一風変わっていた。普通のコンサート用の椅子の上に銀色の座布団のようなものが置かれているのだ。そしてその銀の座布団様の上に腰をかけ、高さの調整をしていた。(楽器に関しては休憩中も彼自身で楽器をいじり調律していた)
その楽器には小さな譜面台を照らす灯りが付けられていて、それを点灯させ椅子を調整し、すぐに弾き始める。
とにかく楽器がよく鳴っていて、それでいて細かなニュアンスも逃すところなくこちらの耳に届き音楽を堪能できた。それは自分に向けて音楽が語りかけられているような贅沢な錯覚に陥ってしまうという初めての感覚を体験した一夜だった。

プログラム
1部/G.F.ヘンデル (1685-1759)
 組曲『忠実な羊飼い』より
 組曲第1番 イ長調
 組曲第2番 ヘ長調
2部/J.S.バッハ (1685-1750)
ゴルトベルク変奏曲

ヘンデルの鍵盤作品ってこんなにも目まぐるしく色々な顔を感情を次々に見せてくれるものだったのか!と前半の3曲を聴いて彼の作品の面白さを発見。後半のゴルトベルクはやはりチェンバロの曲なのだと改めて思いながら聴いていたのだが、どこか自分の聴く姿勢の中に音楽を楽しむより今弾いていることもあり勉強している感がぬぐえず。でも、それでも十分堪能したのだけれど。
これだけ弾いた上にアンコールが2曲、バッハとスカルラッティが聴けて2時間たっぷりの充実の演奏会だった
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