暑すぎる! 今日は寒い‥などといっているうちに、5月も終りに近づいて
しまいました。それでも、G7広島サミットが無事に終わり、大相撲夏場所も
休場明けで照ノ富士がさっさと優勝し、久しぶりに上位陣が好成績で終わる
などの歴史を残しました。このような調子で、年をとってゆくのでしょうね。
早や、東海地方まで梅雨入りしたとか・・!
日本語の不思議な魅力に取りつかれて、思いつくままの言葉の語源や、それ
にまつわる意味付けなど、言葉の不思議に思いを巡らし、こちらも早や37回
を数えることとなりました。
では・・順不同で。
・瀬戸際 土俵際や往生際などと同じような意味合いで、「もう後がない」
「切羽詰まった」状態を指していることが多いように思いますが、辞書には、
「勝負、成否、生死など重要なものの分かれ目。剣が峰。」の意味であると
ありますから、本来は、重要な分岐点の意で、それを超えると大きく変わっ
てしまう境目にいることのようですね。 しかし、やはりぎりぎりのところ
に居て、それを超えると明るい未来が開けるというより、やはり悪い(良く
ない)結果となるニュアンスがあるように思います。
この「瀬戸」は「狭門(せと)」の意味で、両側の陸地が接近して海が狭
くなっている所、つまり海峡を意味し、「際」は、境目を意味し、瀬戸際は、
狭い海峡と海の境目が本来の意味するところで、そこから重要な分岐点・物事
の分かれ目などを指す言葉になったそうです。
(ネット画像より)
また「瀬戸」というのは古くは「狭門(せばと)」と書き、陸地と陸地の
近い、狭い海峡や山奥の狭いところを指していて、「せばと」が「せど」→
「せと」に変化してきたのかもしれません。
そして「瀬戸内海」は、外海(太平洋・日本海)への出口がみんな「狭門
(瀬戸)」だったので「狭門(瀬戸)」の内側の海ということで「瀬戸内海」
と名付けられたという説があるようです。
もう一つ、陶器を代表する「瀬戸物」は、愛知県瀬戸市で作られたことが
発端であることからそのように一般名詞として使われていますが、この瀬戸市
の「瀬戸」は谷と谷が細く迫った「背戸」からの変化だとありました。つまり、
この瀬戸も陸地が細く迫っているというのが元の意味であるようですから、
「背戸」も「狭門」も似たような意味合いからつけられていますから、瀬戸物
の名の由来の瀬戸市も、瀬戸際の瀬戸となる意味は同じなのかもしれません。
(ネット画像より)
・もったい 「勿体」は本来「物体」と書き、「もったい」と読むのは呉音
であるそうです。「物の形」「物のあるべき姿」から派生し、「重要な部分」
「本質的なもの」となり、さらに、「重々しい態度」などの意味に派生し、
「物」が省略され、「勿」という表記で「勿体」が生まれたとされるとあり
ました。 もったいを付ける‥などといいますが、威厳をつける、如何にも
ものものしげな様子をする、もったいぶる などの意味ですね。
これらの経緯からみて、「もったいない」は、「惜しい」といった意味で
用いられ「本来あるべき物がない」ということは、原義に戻ったようでもあ
ります。
これはもともと、勿体の「重々しさ」「威厳さ」などの意味から、もった
いないは「妥当でない」「不届きだ」といった意味で用いられていたことが
転じて、「自分には不相応である」「ありがたい」「粗末に扱われて惜しい」
など、もったいないの持つ意味は広がっていったとあります。
「もったいないお方」「もったいないおばけが出るぞ」などとあるように、
「神聖な物」「重要な物」などの有り難い意味にも転じた言い方がありますね。
・お節介 言語由来辞典に『お節介とは、迷惑になるような余計な世話を焼
くこと。節介は「節操を固く守り世俗に同調しないこと」が本来の意味である
が、お節介の意味とかけ離れ過ぎているめ、漢字は当て字と考えられる。』
とあります。そこで、お節介は、「切匙・狭匙(せっかい)」を語源とする
との説があるとありました。
切匙(せっかい)とは、すり鉢などの内側に着いたものを掻き落とす道具
のことで、その切匙が溝の内に入り込むことから、他人の内に入り込もうと
することを「おせっかい」と言うようになり、間に挟まることを意味する「介」
の字を含んだ「節介」が当てられたのではないか? しかし、あまりピンと
きませんね。匙が溝に入り込むことで何か余計なことが起こるのでしょうか?
切匙(せっかい)
(ネット画像より)
しかし、人の「おせっかい」によって、誰かが救われることもありますね。
たとえば、様子がおかしい高齢者や子どもに気づいた人が、「他人なのにお
せっかいかな」と思いながらも心配で声をかけ、振り込み詐欺が阻止されたり、
迷子が見つかった事例もあり、希薄になりがちな世の中で、相手への思いやり
がプラスに転じる「おせっかい」もあります。
・爪に火をともす 「爪に火をともす」とは、苦労して倹約する、あるい
はひどくけちけちするという意味ですね。これは、普通の「節約」ではなく、
超が付くぐらいの節約を意味し、いわゆるドケチなんですね。なので、基本的
には悪い意味で使われることが多いです。
(ネット画像より)
「爪を燃やしてろうそく代わりに使う」という喩えから来た諺なんですね。
元々「毛吹草(けふきぐさ)」という江戸時代の俳諧集の中で出て来たのが由来
だとあり、江戸時代は、油がとても高価だったので、自分の爪に火をつけて
明かりの代わりにして倹約したという話なんだそうです。本当にそのような
ことをするかどうかは分かりませんが、爪は、放っておいても伸びてきて、
タダで使えるから‥ということのようですが、例えなんでしょうね。
・番 小学2年生で習う漢字とありました。 4番バッター、交番、順番、
番号、番組・・番の付く言葉はたくさんありますが、もとの意味はどういう
ことなんでしょうか?
番という字の成り立ちは、そもそも「田と、釆(ハン)(ちらす)とから成り
種をまく」意を表し、それの繰り返しから転じて、かわるがわるの意に用いる。
(ネット画像より)
さらに見張るという意味に用いられるとあります。「田にさらっと米を撒く」
がどうして、いろいろな意味を持つようになったのか不思議な気がしました。
「番」の意味は、漢字ペディアには次のようにあります。
①かわるがわる事にあたる。「週番」「輪番」 ②順序。順位。「番号」
「欠番」 ③見張り。「番人」「門番」 ④常用の。そまつな。「番傘」
「番茶」 ⑤取り組み。組み合わせ。「番付」「番組」
また訓読みで「つがい」「つがう」「つがえる」の意味は、対になること、
動物の雌雄や二つで一つの物、弓に矢をつがえるなどの意味があります。
あと、3つほど「番」の言葉を挙げてみました。
番頭:商店や旅館などの使用人の頭(かしら)で、現場を預かる者。昔、交替
で勤務する人々の頭をいったことから。
番台:公衆浴場や見せ物小屋の入り口に、番をする者が乗る、高く作った見
張り台
蝶番:「蝶の番(つがい)」であり、その形状を蝶に見立てた建具などを開
閉させる部品。建築業界では丁番の表記、「ちょうばん」の読み方が主流。
なお、「番(つがい)」には、雌雄の組み合わせに限らず、組み合わさって
いるものの「つなぎ目の部分」も指す。
(ウイキペディアより)
Mamy Blue