蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

コブハサミムシ  (bon)

2024-03-20 | 日々雑感、散策、旅行

    ようやく到来した感じがする春分の日は、あいにく不安定な荒れ模様のお天気のようです。
   17年続いたマイナス金利からの解除が日銀から発表され、わずかながら低温経済から正常体温に
   戻すことだそうで、その回復に期待したいところです。ソウルでのMLB開幕試合ではドジャース
   大谷がフィーバーしているという。

 

 子供の頃にはよく見かけたハサミムシですが、その生態が大変感動的である
ことなどは、その頃全く知る由もなかったのでした。 先ごろ(3/16)の読売
新聞地域版「動物日記」に、コブハサミムシの記事が掲載されていました。
『卵守る母、命のリレー』(小田千夏子氏、埼玉県生態系保護協会)と題する
その記事に引き寄せられて、ネット検索などもしながらここにご紹介したいと
思いました。

 コブハサミムシは、ハサミムシ目 クギヌキハサミムシ科 コブハサミムシ
亜科の、やや赤茶色がかった黒色で、翅の先端部は黄褐色の昆虫です。山地に
多く、河原の石の下などで見られるそうです。

  
      コブハサミムシ
       (ネット画像より)

 オスの「ハサミ(鋏子)」にはその形状から、太短くて強く湾曲したアルマン
型と、細長いルイス型というのがあるそうで、昔の記憶にあるのは、どうもアル
マン型のようです。

  アルマン型            ルイス型
  

 

 この「ハサミ」の役割は、敵に対する威嚇と攻撃です。挟まれると痛いそう
です。
また、「ハサミ」を使いダンゴムシやイモムシなどを捕食して食べたり、
メスとの交尾の時にも使われるそうです。

 驚く事は、コブハサミムシは発達した後翅を持ち、羽化時期や越冬前の時期に
飛翔するというのです。小さい前翅の下に、複雑に折り畳まれた後翅があり、
黄褐色の部分は後翅の一部で、この翅で飛べるんですね。このような形の虫が、
大きくて奇麗な翅を広げて想像もつかない飛翔ができるのです。


 飛翔の状況
 【2020年11月号付録】ハサミムシのはね【子供の科学公式チャンネル】

 

 この後翅の折り畳み方が宇宙科学研究所で人工衛星のアンテナなどの折り畳み
方として考案され、応用されているそうです。コブハサミムシは「下町ロケット
品質」の昆虫・・だとありました。

ハサミムシの羽の折り畳み動画

 このハサミムシが‥!と驚きますが、さらに驚くべき生態が解説されていま
した。

 コブハサミムシは冬、山地の谷筋の河原にある石の下を主な産卵場所とする
ようですが、卵が孵化するまで母虫は卵をなめたり、卵塊を積み替えたりして
微生物の感染を防いだり、卵を狙ってくる他の昆虫に対して果敢にお尻のハサミ
を使って卵を死守するのです。そして、年が明けて早春、ようやく幼虫が孵化
すると母虫は孵化した幼虫に自らの体を餌として与えるのだそうです。

 なんとまあ、残酷ともいえる生命の継承が自然界で脈々と行われているとは
不思議の限りですが、餌が不足する早春の時期に、幼虫が生きるために母親を
最初の食糧にするのが合理的とも考えられるのですね。しかし、自分が生んで
守ってきた子どもたちに食い殺されてしまう極限の壮絶な母性愛が描かれている
ようですね。

 幼虫は母親を食い尽くした後、産卵されていた場所を離れて単独生活に入る
そうです。

        卵を守る母虫
        (ネット画像より)

 

 似た話で聞いたことがある例に、カマキリがいます。カマキリは交尾を済ま
せると、オスを食べてしまうというお話です。 これも、栄養補給のなせる業
なのかもしれませんが、ネットで調べてみましたら、必ずしもオスは食べられて
ばかりせずに、メスから逃げて生き延びるオスもいるそうです。オスは一生涯
の内に、何度か交尾を繰り返して、自分の子孫を増やすオスもいるとありました。
ひょっとすると、時代が進んだ近代では、このようなオスが増えているかもしれ
ませんね。

 

 

 

ジーラ・ジーラ(アルゼンチン タンゴ)

 

 

 

 


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