老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

ミュージカル「ウイキッド」

2016-12-12 17:42:34 | 社会問題
11月に私は地元の大学の学園祭で、ミュージカル「ウイキッド」を観た。

どうせ学生が演じる舞台だからと、あまり期待はしなかったのだが、舞台が始まって、私はその世界に引き込まれてしまった。この物語りを演じた学生さん達は、一年前からどうしても「ウイキッド」の舞台を実現したくて練習を重ねて来たと、最後の舞台挨拶で語っていた。

その歌唱力、演技の素晴らしさは勿論、この「ウイキッド」は今の時代にも通じるテーマをもっている。

「ウイキッド」は「オズの魔法使い」の語られなかったもうひとつの物語り。

何故、エルファバという緑色の肌を持つ少女は「西の国の悪い魔女ウイキッド」に仕立て上げられたのか。何故、グリンダというブロンドで可愛い少女は「西の国の良い魔女」に祭り上げられたのか。

エルファバとグリンダは同じ大学の同級生で、愛憎にまみえた時を共に過ごしてきた。そして、「オズの国の魔法使い」こそ、魔法が使えず動物達から言葉を奪った元凶だった。正義感の強いエルファバは、言葉を奪われた動物達を解放する為に、オズやその国の兵隊達と闘う事を決意する。

「善き魔女」になってしまったグリンダも、若い頃はフィエロと言う青年に恋をして、彼が知らない内に勝手に婚約発表してしまう。フィエロがエルファバに恋をしたと知ると憎しみで一杯になり、エルファバを策略にかけてその妹を死に追いやってしまう。

物語の終盤近くで、再び合間見得た二人は和解して、お互いに違う生き方を選んでも相手が幸せになる事を願う。

物事はひとつの見方だけでは真実は見えない。そして人の噂は当てにはならない。人々が敬い憧れていた「オズの魔法使い」は魔法など使えず、ドロシーによって清い水をかけられ死んだと言われていたエルファバは、実は生きていた…。

絶対悪も絶対善も存在しない。悪と善がせめぎ合いながら人は生きている。そして何が善で何が悪なのかも、その時の人の見方で変わってしまう。その人達が作り上げているのが今の日本の社会であるならば、子どものいじめ自殺や沖縄高江に住む人達の悲しみや苦しさに心寄り添う社会に、私は生きたいと思う。

クリスマスも近い一日、童話の世界に遊びながらそんな事を考えた。

「護憲+コラム」より
パンドラ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 天皇の退位、「基本的人権」... | トップ | 辺野古埋め立て訴訟、民主主... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会問題」カテゴリの最新記事