老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

シンポジウム「これでいいのか政治報道」参加報告

2009-06-29 16:35:27 | マスコミ報道
6月28日都内で開かれた新聞労連主催のシンポジウム「これでいいのか政治報道」に行って来ました。

シンポジストの山口二郎北大教授は、体調不良のため参加取り止めとなり、急遽朝日新聞社会部の豊記者がシンポジストとして参加して進行しました。

基調講演はフリージャーナリストの上杉隆さんで、日本のメディアにしか殆ど存在しない「記者クラブ」の特異性など、エピソードを交え話してくださいました。

「民主党政権になったら、記者クラブをオープンにするということを鳩山代表も言っているし、それを記者クラブの記者の方々も歓迎しているようだが、それはおかしい。記者クラブは時の権力者の意向に沿ってオープンにしたり、閉じたりするものではなく、記者自らがオープンにするもので、その為に記者達は働きかける事が必要。例え誰がオープン制を約束したとしても権力は常に腐敗するものであるから取材者は常に権力の監視という視点を忘れてはならない」という上杉さんの意見は全くその通りだと思いました。

また、「ワイヤーサービス・メンタリティ」についても頷けるものがありました。「共同や時事通信社のように、とにかくニュースを正確に事実だけを伝える、そのような例えば、朝日時事通信のような系列会社がワイヤーサービスの部分を担当し、その後朝日新聞がニュースの裏側にあるもの、奥までを時間をかけて取材し事実関係や情報を読者に伝えていく」という話もありました。私も通信媒体としてニュースを流す部門と、じっくりそのニュースを検証し事実関係や裏までも開示できるような部門があってもいいと思います。

また一例として、「西松建設社長が起訴された時、天の声という言葉を使って、あたかも小沢一郎が贈収賄絡みで深く関わっていたような印象を与える報道をしていたが、小沢報道をするなら彼が贈収賄で起訴された時にするべきである」と述べていました。

それと朝日新聞の東京本社政治部、部長の方が、政府関係の審議会に各新聞社の記者達が何人入っているかということについて人数を教えてくれましたが、

読売 副主事(?)   18ポスト
同  論説委員     14ポスト
朝日           9ポスト
(その外は省略)

だそうです。この政府関係の審議会に入るか否かというのは、記者達の間でも意見が分かれる所で、そんな権力に近い場所にいたら対等に批判出来る筈がないという意見もあるそうです。上杉さんの話では、「海外メディアのジャーナリストが政府関係の委員になる場合は1年間ペンを置いて休職して委員になる。そして委員という立場を離れたらまた記者に戻る人もいる」ということでした。

例えば読売のように、一人で14個や18個のポストを独占していたら、一体月に何回審議会に出られるのだろうと思います。それでも報酬は一つのポストにつき、月に10数万~30数万が支払われる、それも全て税金で‥。ああーの世界ですね。

「例えば記者が取材を元に記事を書き、それが官邸を刺激する記事だったとしても、新聞社の上層部にあからまに圧力がかかるということはない」と朝日新聞社の小沢次長は言っておられましたが、「圧力以前に自主規制してしまうシステムがあるのではないか」と上杉さんからの意見がありました。

その他放送事業に総務省が関わっており、新聞社とテレビ局の系列化による自主規制、広告主に対する自主規制などの弊害も出ているという話もでました。また「あなたとは違うんです」と言う言葉を、当時の福田首相辞任会見の時に引き出した中国新聞社東京支部記者さんの話など、色々面白い話も聞けました。

パネリストの一人、日隅一雄さんという元記者で今は弁護士をなさっている方が、「韓国はローソクデモなど、メディアが今その国で何が起こり国民はどう行動しているかという報道をバンバン流しているが、日本のメディアは殆ど何が起ころうと報道しない。報道されないと言うことは存在しないということと同じ。だから日本の国民はデモにも行かないし集会にも殆ど足を運ばない」と言っていました。

確かにメディアの与える影響は大きい。それだけに、記者クラブのオープン制とか新聞のシステムを変える事も大事だけれど、記者と言われる人達一人一人が時の権力者と渡り合い、ミイラ取りがミイラになるのではなく、厳しい目で権力を監視して欲しい。また政治家も、そのメディアや国民の目に曝される事で成長し、誤りを正し、私達の暮らしと社会が抱えている問題を政策に反映して、よい仕事をするようになるのならいいと私は思います。

同時に私達もテレビや新聞の記事を鵜呑みにするのでなく、例えば今回基調講演をした上杉隆というジャナーリストが、小泉政権当時はテレビなどでどのような発言をしていたのか、そしてその時の自らの仕事を、今彼はどう捉えているのか、ということも検証してみたいと思います。

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
パンドラ

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