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入間航空祭~「Flight Checkers」

2012-11-27 | 自衛隊

C-1,T-4,U-4,U-125,YS-11,そしてCH‐47J
こんなところが入間基地保有の航空機群です。
入間基地はこのUH-60Jは保有していません。

というわけで、これは外来機。
離陸せずに飛行展示だけで行ってしまいました。



昨日、厚木のP-3Cクルーがファンサービスをしていたという話をしましたが、
この二人もそうです。
彼らが全員このシーイーグル(海鷲・・・・海自らしい)に乗ってここに来たのなら、
定員11名のクルーのうち半数がこうやってお仕事していたということになります。

この写真、まずどうでもいいところから注目していくと、



液化炭素ガスボンベ。
消火用と思われます。
日本の保安法で、液化炭酸ガスは緑の容器に入れることが決まっています。
で、半分は緑、半分は消火用ということで赤なのでしょう。
海自の所有であるというマークがついています。
 
ところで皆さん、コーヒーのディカフ(カフェイン抜き)って、
二酸化炭素でカフェインを抽出して作るんだって知ってました?
今回この容器の色のことを調べていて知った驚愕の事実です。



ズボンの右に携帯電話入れのようなものがあって、
よく見ると全員がここに徽章付きの何かを入れています。
携帯にしてはポケットが深くて細長いんですよね。
トランシーバーかな?


さて、いよいよ本題です。
彼らの後ろに見えているのは、入間基地保有の飛行点検機、YS-11FC
入間は全国で唯一「飛行点検隊」という特殊部隊をを持つ基地です。
この部隊のミッションは「航空保安施設の点検」。そのまんまですが。

任務内容ですが、点検隊所属のYS-11FCやU-125が点検機として
全国の各基地に赴き、無線航法装置や計器着陸装置などの動作確認を実地します。
たとえばこのYS-11FC。
本来は輸送機ですが、中はばっちり点検機仕様にアレンジされているのです。

機内には、測定に必要なモニター、メーター、オシロスコープ。
点検に必要な機器が、ところせましと搭載されているのだそうです。

たとえばレーダーの発する電波を点検機を実際に飛行させて受信し、
それが誤差を解析したり、あるいは滑走路で点検機の降下角度を測り、
航空保安施設(電波や灯光で航行をサポートする施設)を点検したり。
この大変な精密さが要求される任務にあたる隊員をパネルオペレーターと言います。

パネルオペレーターは解析した結果を点検操縦士に渡します。
点検機のパイロットであり、また結果にも責任を持つ立場で、結果を施設に通達し、
場合によっては使用停止させる権限を持つのがこの点検操縦士。

点検隊の点検対象施設は日本の津々浦々におよび(沖縄除く)
その数160を超え、隊員は常に全国を飛び回っているのだとか。

ところで。

 

少し話が変わりますが、これらをご覧ください。
いずれも地上に展示されていたC1とC-130Hの尾翼につけられた部隊章。
いずれも航空支援集団に属する部隊です。

左は小牧基地の第1輸送航空隊、第401飛行隊のマーク。
航空自衛隊で唯一このC-130H輸送機を装備する部隊です。
PKO活動や人道復興支援において近年目覚ましい活動をしています。
空中給油機を運用する第404飛行隊とともに飛行群を形成するにあたって、
今までの「シャチホコ」マークから、この「ペガサス」にマークが変更になりました。

右側は入間基地所属、第二輸送航空隊、第402航空隊のもの。
C-1輸送機、YS-11、U-4を所有し、全国航空自衛隊基地への定期空輸を行う部隊。
マークの2nd TAGとは、Second Tactical Airlift Groupの意です。





ところで、入間基地のエプロンに立つといやでも目に付くこのマーク。
これこそが、全国唯一の飛行点検隊、Flight Checkの部隊章なのです。

写真を撮ったときは全くどこのマークだかわからず撮っていたわけですが、
今回、飛行点検隊のことを調べていて、これがそうだったと知ったときにはつい
膝を叩かんばかりに「うまい!」と思ってしまいました。

FLIGHT CHECK。飛行点検。
そしてチェスの「チェック」と「チェッカーフラッグ」。
チェッカーフラッグはFIAの決めた自動車競技用の旗ですが、
checker=チェックする人
と掛けているんですね。

誰が考えたか知りませんが、ハマり過ぎてこれは神レベル。
部隊章の意匠は、キングとポーンの駒の前に、ナイト。
いかにも飛行隊のイメージの稲妻。

いいなあ。

そして、もう一度冒頭の点検機を見てください、
このcheckerと同じ赤と白でペイントされているでしょ?
本当のチェッカーフラッグは黒と白であるのは皆様ご存知の通り。

ところで、この点検隊。
地味な仕事のようでどうしてどうして。
緻密な作業にコンマの正確さを求めて、たゆまぬ精進の毎日。
F2のパイロットもいいですが、こういう任務にあたる隊員もかなりかっこいいと思うの。
ちなみに、入間基地のHPでインタビューに答えている
パネルオペレーターの馬場二等空曹は独身だそうです。
ご参考までに。

http://www.mod.go.jp/asdf/iruma/special/006/p1.html


飛行点検隊について、かなり詳しく語っていますので、
興味のある方は是非読んでみてください。





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