ネイビーブルーに恋をして

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練習艦かしま艦上レセプション~自衛艦旗降下

2014-05-18 | 自衛隊

練習艦「かしま」の練習艦隊出航前艦上レセプションに
お招きいただいた日のことをお話ししています。

何度も書いているようにこのレセプションは、練習艦隊出航前の
実習候補生への「激励」の意味があるわけですが、 別の言い方をすれば
彼ら新人が自衛隊に理解のある関係企業、政治家といった

「これから長い自衛官生活でお付き合いして行く社会」

へのお披露目、というかデビューでもあるわけです。
パーティといっても次々にお偉方が面白くもない訓示をしたり、
政治家が交互にここぞと演説をぶったり、という日本的野暮なパーティではなく、
挨拶も防衛大臣一人だけ、乾杯の御発声とやらもなし、ましてや
変なアトラクションやイベントも一切ない、欧米式パーティ。

何でもないことのようですが、こういう「社交中心」のパーティは、
世界中でこういった外交を仕付けているスマートな海自らしいなあ、
と思ってみていました。

そしてその小野寺防衛大臣の挨拶ですが、帰ってきたばかりのジブチで
海自の派遣部隊、護衛艦「いなづま」を視察したことなど触れながら
しかし時事問題に付いてはそこそこに

「半年後には見違えるほど逞しくなって帰って来られることを期待します」

と激励の言葉を簡単に述べるというものでした。

個人的意見ですが、小野寺大臣の声はまるで青年みたいなので、いつも
「大臣らしくないなあ」と思います。

もっとも、尖閣問題でも中国に対して言うことは言っているし、
例の特定秘密保護法案のときには民主党の福山議員の

「機密文書が34000件も無断で破棄されてるんですよ」 

という鬼の首を取ったかのような居丈高な質疑に対し、

「34000件のうち30000件は民主党政権で無断で破棄されてました」

とソフトな応対が却って皮肉に見えるという効果になっていました。
この日の祝辞は非常に簡潔でわかりやすく、小野寺大臣支持のわたしは勿論、
実習艦隊の皆さんも

「もしもしの人とか、不適切発言連発の人とかでなくてよかった」

と思うこともあるのだろうか、などと考えておりました。



女性自衛官(白シャツの向こう)が小野寺大臣(グラスを持っている人物)
に向けるこの好意的なまなざしをご覧下さい。



そういえばね。

わたし、このレセプション会場であの議員を見てしまったんですよ。
朝鮮日報で働いていところをよりによってあの菅直人に見出され、
議員になった後も「外国人参政権の成立」を民団からの後押しで通すことを使命としている
あの民主党の帰化議員を。

新大久保の韓国人会の集まりで「みなさんのために外国人参政権を実現する」
と朝鮮語で挨拶したと云う、あの人物を。

たしかこの人物は民主崩壊ぎりぎりの土壇場で、内閣府副大臣になり、
それが間違いなく人生最後の大臣経験になるはずですが、腐っても「元大臣」
という肩書きはいろいろと「使える」ようで、ここでも列席者と
「わっはっはー」な態度で偉そうにしていました。(←私情挟んでます)

それにしても履歴を見る限り政権与党時代にも防衛省と何の関係もなさそうだったし、

一体なんだってこの人がここにいるの?(♯)

わたしはこの人物をつい不審者を見る目でまず見とがめ、続いて
そのうち二人の人物と話している彼の「ウェーッハッハッハ」な態度に
「非常な嫌悪を感じ」、今度はあたかも

ゴミを見るような目

で見てしまいました。
そして、ちょうどそのとき二人が議員からそそくさと?離れて行ったので、
わたしはゴミを見るままの目で
こちらを見たこの人物とバッチリ視線を合わすことになってしまいました(笑)


実はですね。

先日佐世保のセイルタワーを見学したとき、その館内で、わたしが参加した
平成24年度観艦式の映像がで放映されていたのす。

それを見て初めて観艦式のドキュメントDVDが出ていたことを知り、帰宅後
早速注文して観たわけですが、旗艦「くらま」で、当時の内閣総理大臣である
野田佳彦がもっともらしい訓示をしているとき、後ろになぜかいるんですよ。

この人物が。


しかも観艦式当時は彼は副大臣でもなく、単なるヒラ議員だったはず。

何なの?
もしかして自衛隊好き、とか?

巷間伝わるこの人物の悪行、わたしは決して許すものではないけれど、
もしそうなら、その好感度を表す針を少しだけプラスにしてやってもよい。

ただし少しだけな。

しかしまあレセプションに来ていたと言うことは自衛隊が
招待をしていたということでもあるんですよね。

どなたか、自衛隊とこの議員の関係で何かご存知の方はおられませんか?
北澤俊美の例もあることだし、この人物が何か自衛隊から受け入れられるような
功績を残している、というのならぜひそれを知りたいと思います。




レセプション会場はテントで囲まれているだけなので、
屋根のないところでは煙草を吸うことが出来ます。

この手前の人物が何を携帯写真に撮っているかというと、



ちょうどこのときに自衛艦旗降下が始まるところだったからです。

世界共通の海軍の規則として、停泊中は午前8時から日没までの時間、
航海中は常時、艦尾の旗竿ないし斜桁(がふ)に軍艦旗を掲揚します。

朝は8時と決まっていますが、問題はこの「日没」。
気象庁発表の「午後6時38分」、これがこの日の「日没」でした。

ということは毎日降下の時間は変わり、それは「日が落ちた瞬間」なのです。

「自衛艦旗降下」で画像を検索していただくと、夕映えに照らされながら
旗を畳んでいる自衛官たちのシルエットを写した、実に絵になる写真が
たちどころにいくつか出て来ると思いますが、この軍艦旗降下もまた、
旧軍時代から連綿と変わらず行なわれてきた毎夕の行事なのです。


ところで、もし「ネイビーブルーに恋をして」などというブログをするほどに
「海軍ファンである理由」、つまり「海軍の何に惹かれるのか」をもし
聞かれたのなら、わたしは迷うことなく「礼式の美しさ」であると答えるでしょう。

サイドパイプによる乗艦、舷門で立ち止まり軍艦旗に向かって行う敬礼、
(先日の舷門での海将の敬礼は旗に向かって行なわれたものです)
登舷礼式、そして軍艦旗の掲揚降下。
日常のいたる場面において当たり前のように古くから受け継がれた儀式が行われる・・。

旧軍の伝統を変わらず護り続ける海上自衛隊は特殊な世界であり、
だからこそ一般人に取っては憧れの対象であり続けているのです。

いま目の前で今行なわれようとしている降下の儀式も、
おそらく明治の年間から日本という国の海軍が存在するかぎりはずっと、
そしてそのフネがあるところではいかなるときでも同じように
・・・・・平和なときも、そうでないときも、そこが日本であっても、
遠い外国の港であっても、全く同じやり方でなされてきたものなのです。

「本日の日没は午後6時38分です」

そのようにアナウンスがあり、皆がカメラを構えて見守る中、
自衛艦旗の下には海士と海曹が二人立ち、
後ろに回した掌を外側に向ける独特の起立姿勢のまま、
じっと立って待ち続けます。

このような態勢になって放送があったのは日没の3分前でした。
3分間、降下係は微動だにせずその瞬間をこうやって待つのです。

彼らには毎日のことなのでしょうが、カメラを構えて待つ側にとって
この3分はとても長く感じられました。



号令をかける士官(だったと思います)。
腕章を巻いているのでこれが当直士官?

向こうに立っている無帽の一佐は「かしま」艦長でしょうか。



そして、6時38分になりました。
海曹がゆっくりと旗を降ろし始めます。
糸をたぐるたびにクロールのように腕を曲げないでまわし、
持ち替えるという、独特の降ろし方をしていました。

今気づいたのですが、この降下係は全員が腕章を巻いています。
つまり当直当番(海士)と当直海曹、つまり当日の当直が
護衛艦旗の掲揚降下をすることが決められているんですね。



喇叭手は海曹海士各一人ずつ。
手前は海士長で、外国の軍隊の階級で言うと上等兵(プライヴェート)です。

そして4年前までは全く知らなかった、(しかし今やおなじみの)
喇叭譜「君が代」が吹鳴されました。

この喇叭は観て頂くと分かりますが、ピストンがついていません。
これもサイドパイプと同じく「口先三寸」で、

「どーそーどーどーみー、どーそーどーどーみー、
みーみーそー、みーみーそー、みーどみそーそーみーどどどー、

そーそそそーそーみーどーみーど、そーそそそーそーみーどーみーど、
どーそーどーどーみー、どーそーどーどーみー、
みーみーそー、みーみーそー、みーどみそーそーみーどどどー」

という1オクターブ半のド、ミ、ソを吹き分けるわけです。
なぜか口で吹き分けると喇叭の音もその高さが鳴る仕組みです。



自衛艦旗はもうとっくに下に降りているのに、海曹は上を見ていますが、
視線もかならずポール頂上と決められているのかもしれません。

ちなみに先日佐世保で買って帰った自衛隊礼式辞典によると、

定時に自衛艦旗を掲揚降下する場合の敬礼

自衛艦において定時に自衛艦旗を掲揚し、又降下するときは、
定時10秒前にらっぱをもって「気を付け」を令して定時に
国歌1回を奏するものとし、この間次の各号に定めるところにより
敬礼を行なう。

ア 当直士官は、艦橋または後甲板付近に位置し、
 自衛艦旗に対し挙手の敬礼を行う。

イ 艦橋および露天甲板にある者は、自衛艦旗に対し挙手の敬礼を行い、
 その他の場所にある者は、姿勢を正す敬礼を行う。

つまりこの間当直士官たちは敬礼をしていたはずなのですが、
旗を降ろしている写真ばかり撮っていたので、それを見損ないました(笑)



さて、降ろして今掲揚綱から外しています。
この辺の一連の動作もちゃんと決まっています。
連続写真を撮ってみました。



まず縦半分にたたみます。
このとき、ちょうど旗の中央部に当直士官が立つようになっているようです。

それはともかく・・・・何なの?

こういう儀式の最中に、外したばかりのポールの下に出張って行って、
わざわざ皆が観ている中写真を(しかも携帯で)撮ってるおっさんは。

そうそう、この写真で思い出したんですが、ここ晴海のレセプションでも
いたんでした、「マナーの悪い人」が。
それがこのおじさん。

しかもこの方、皆が降下の写真を撮るために人垣を作っているうしろから
ずいずいと分け入ってきて、連れの女性に

「んなもんいいんだよ前に出て写真撮ったら!」

と大きな声でいいながら皆の前に出て行き、まだこうやって自衛官が
自衛艦旗をたたんでいる、つまり儀式の最中だというのに、
後ろの「あさぎり」「せとゆき」の写真をせかせかと撮りに行っているわけ。

後ろの護衛艦は最初からずっとそこにあるんですけど?

今そうやってわざわざ皆の前で写真を撮らなきゃいけない理由って、何?




それはいいとして(良くないけど)自衛艦旗は縦にもう一度たたみます。
最初に細長く折ってしまうんですね。



ほらおじさん、喇叭手の立つ場所をふさぐんじゃない!

とそちらにイライラしつつも旗の方に注目。
一旦たたんだ旗を裏向けました。
旭日の太陽の方が折りの山側に出るようにしたようです。
海士長は膝を使って丁寧に端を合わせています。

しかし、いつでも撮れる護衛艦より、滅多に見られないこちらを
今は写真に撮っておくべきではないかと思うのはわたしだけだろうか。

何なんでしょうねー、こういう人って。



二人が歩み寄って端と端を合わせます。
ちょうどこうすると太陽が真ん中に出るんですね。



さらにそれを半分に。
これは二人でないとたためませんね。
そして、当直士官は滞りなくそれが行われるかどうかチェックする役目。



もう1回半分に。




自衛艦旗授与式で副長が授与された自衛艦旗を持っていましたが、
それとは少し違う(授与式のときはさらにこれを半分に折って三角にしていた)
ような気もしました。

しかし、この後どんな状態で誰が持って行ったのかまでは確認できませんでした。



降下を終えた隊員は一列になって引き揚げて行きます。
そのことはアナウンスされ、皆は隊列に対し拍手で見送り・・・・はありませんでした。

というわけで降下終了。

自衛艦では、毎日このような儀式が朝に夕に行われているのです。
またもやいいもの見せて戴きました。わたしは満足です。



続く。

 



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1 Comments

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艦旗降下! (雷蔵)
2014-05-19 05:52:18
海上自衛隊員ならあまりに当たり前過ぎる光景ですが、みね姉さんも艦旗降下に感動した!とおっしゃっていました。

錬艦隊のレセプションは毎年この時期ですから、たいてい艦旗降下と重なりますね。冬なら1700前後になるので、見られません。

レセプション等がない普段だと、後甲板に総員が整列します。朝の掲揚時はまず総員が五分前に整列し、最初は艦首を向いています。朝は0800掲揚ですが、0757~58くらいに艦長が(もったいぶって)出て来て、総員が大声で「おはようございますっ!」と挨拶をし、艦長がニコニコしながら「おはようっ!」と声を掛け、総員回れ右で艦尾に正対し、掲揚を待ちます。

あの「おはようっ!」の瞬間、艦長は自衛隊に入ってよかった。艦長になれてよかった。と天下を取った気でいると思います。一遍に二百人からの人から「おはようございますっ!」と言われるのですから。ほとんどの人がニコニコしています(笑)

陸上自衛隊や航空自衛隊は定時に国旗降下で、日没時に艦旗降下は海上自衛隊というか各国海軍の習慣です。横須賀基地や佐世保基地にいると米軍も同じ時間です。

米軍だと降下五分前がラッパで、定時は国歌を録音テープで流します。競馬の出走前の(音符で書けなくて済みません)「タカタッタカタ、タッタカタ、タタタタ~」は米軍の艦旗降し方五分前なんですよ。自衛隊は定時にラッパ「君が代」を吹奏します。

基地の近くに住んでいるお母さん方は子供に「タタタタタ」が聞こえると帰って来なさいよ~と教えるようです。
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