ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

兄弟牆に鬩げども、外その務りを禦ぐ

2012-06-13 | 日本のこと


というわけで(どういうわけだ)、またまたプーチン様の御出演を仰ぐ事案です。
いや、別にプーチンに言ってもらうことでもないのですが、この人選はあくまでも
エリス中尉の個人的嗜好にかなりの洒落をトッピングしたジョークと御理解下さい。
つまり、本気にしないでね。


さて、前回プーチン様に叱っていただいた「媚中・国内メディアの中国おもねり言論」ですが、
今回は経済界の意をどっぷりと受け、日中報道協定にがんじがらめになっているマスゴミどころか、
外交に直接携わる外交官が媚中おもねり発言をやっていた、という件。

皆さん、丹羽宇一郎中国大使のこの発言はご存知ですね?

「尖閣諸島の購入計画は日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」


この、伊藤忠の元社長である、外交政策の素人である商人を、なぜよりにもよって、
いわば自分の出身会社が人質に取られているも同然の中国の大使として送り込んだのか。
政府民主党の人選そのものがダブルスタンダードの派生を避けられない大矛盾であるわけですが、
まあ、それを言えば存在自体が矛盾の塊りとも言える民主党なので、それもむべなるかなと。

この丹羽大使は、昨年日本が北京に新築した大使館に中国政府が使用許可をださなかった、
つまり中国の嫌がらせに対し、新潟と名古屋の広大な土地の売却に便宜を図るという取引をし、
その結果使用許可を得る、というとんでもない土下座外交をやってのけた人物です。

あくまでその姿勢は「中国様を怒らせないように機嫌を取って商売を上手くやる」、つまり
長期的に見た国同士のパワーバランスについては一顧もせず目先の利益のみを追求するという
商社マンとしてのそれであり、その外交的資質は厳しく問われるべきものであります。

今も天井知らずでその総額を伸ばしている尖閣購入のための寄付金額に顕れているように、
国民の領土意識、ひいては国家意識は、あの中国船衝突事件以来はっきり変わりました。
丹羽氏のこのたびの発言に関しては、憤りを感じている方も多いのではないでしょうか。

わたしもその一人ですが、今回、特に不快であったのは、
丹羽氏が習金平との会談において言ったという、

「日本の国民感情はおかしい」(尖閣諸島の購入を支持する意見が多いことについて)
「日本は変わった国なんですよ」

この発言です。

かつて、小泉元総理は、かつて経済同友会のある懇談会出席を、こう言って断わりました。

「あの会に出ると『総理、靖国参拝だけはやめて下さい。
あれさえなければ新幹線でも何でも受注でき日本は大儲けできるんですから、
という人物が二人いる。
精神の貧困さに愕然とした。
心の問題と金儲けを同じ次元で考えるような人物に会いたくない」

自国への誇りや、戦争で日本のために戦った人々への感謝など一銭にもならん、
というのがつまりは丹羽氏もそうであるところの経済人の考えです。
しかし、所詮彼らは商売人ですから、むしろこうあってもいたしかたない、という面もあります。

丹羽氏の発言の悪質さは、相手に阿り、諂(へつら)うに加えて、
「自国を貶めて自分(つまり日本を動かす力のある者)だけはそうではないということを宣伝」
したという点です。


それでは果たして、この発言を、中国はどう受け取っているのか。
当然のこととして国益をまず確保する立場としては、この大使の姿勢は大歓迎でしょう。
しかし、問題はもう少し深いところに在ると考えます。

皆さんは、南京にある「南京大記念館」が、どんな経緯で建てられたかご存知でしょうか。
日本を貶めるのを第一義としていた旧社会党の、田邊誠の提言と出資によるものです。
この田邉誠に限らず、戦後社会党の大物は、朝鮮、そして中国に行っては、
己の思想のために、祖国への非難を倦まず繰り返しててきました。

マスコミもこれを大きく報道し、むしろそれを応援するような言論を展開していたそうです。

ところが、中国共産党はともかくとして、
実は当時、当の中国人たちは、これら一連の売国日本人の行為を、
「上下の別なく嗤っていた」と言う話があるのです。
曰く、

「日本人は詩経の故事『兄弟牆に鬩げども、外その務りを禦ぐ』を忘れている」

けいていかきにせめげども、外そのあなどりをふせぐ

兄弟は、ふだんは家の中で喧嘩ばかりしても、外から屈辱を受ければ、
力を合わせてそれを防ぐものであるということ

「牆」=垣根 家などの外側の仕切り 「禦ぐ」=争い合う 「務り」=侮り



さすが中国4千年の格言。
中国人というのはしたたかではあっても決して馬鹿ではありません。
「祖国を裏切る薄汚いやつらだ」と、つまり売国日本人を軽蔑していたというわけです。
勿論それらの裏切りをもちゃっかり自国に政治利用するのも中国人ですが(笑)

日本が大嫌いで、他国に行ってまで祖国の悪口を言っていないと生きていけない、
世界レベルで見ると異常な人々が多く存在する不思議国家、日本。
敵対する国に、わざわざ自国の悪口を言いに行く国民が存在し、
それが法的にも許されているのは世界広しといえども日本くらいでしょう。

今回の丹羽氏の発言も、したたかな中国に歓迎され、その実、賢い中国人たちは
この狐の如き卑屈な態度を「上下の別なく嗤っている」に違いありません。

中国の思想家「孫子」の西欧版、クラウゼヴィッツの「戦争論」には、

「流血を厭うものは、これを厭わない者によって必ず征服される」

という言葉があります。
尖閣問題で流血などということになるべきではないのは勿論ですが、相手の中国が
「流血を厭わない者」であることを、わたしたちは忘れてはなりません。
先日石原都知事はこのように述べています。

「中国は、日本の実効支配を破壊するためにもっと果敢な行動に出るだろう。
これは、いよいよお前の家に強盗に入るぞと宣言したんだよ」



偉大な中国の思想家は、簡潔な言葉で実に深く事の本質を言い当てます。
事が対中国であるからというわけでもありませんが、ダメ押しでもう一つ。
『揚子法言』に曰く
「言軽ければ即ち憂いを招き、行軽ければ即ち罪を招く」

大使のあまりに軽い言、軽い行いの招くものがなんであるか、まだその結果は出ていませんが、
どちらにしてもそれらは将来的に日本の国益、ひいては主権そのものを脅かす結果に繋がり、
そうなれば日本の国体、引いては経済の安寧など全く雲散霧消してしまうであろうことを、
丹羽氏も経済人であればこそ、肝に銘じるべきです。


まあ、そうなったとしてもそのころには自分はこの世にいないか、一線を退いて悠々自適か・・。
いずれにしても日本の行く末など自分の知ったこっちゃない、といったところかもしれませんが。


丹羽大使の不適格ぶりに関しては外務省ですら呆れているそうですが、
さらにこの人物の起用に音頭を取ったと言われる岡田フランケン副総理は、
このように語ったと言われています。

「政権交代のコストだ」

ツケを払うのは国民ですか。




追記: 丹羽宇一郎大使の実績 まとめ

2010年6月17日付
丹羽大使起用が決まった2010年6月、
青木直人氏が講演にて語る
「中国は全部データ持ってますよ。伊藤忠に関する。
これは脅しに使われるでしょうね」

2010年9月 尖閣「漁船」衝突事件発生
中国外務省、丹羽大使を深夜に呼び出し、「船長を釈放しろ」と要求

2010年12月 丹羽大使、日本の外務省に進言
「対中ODAを打ち切ると、中国側の批判を受けることになる」

2011年7月
中国政府は北京の日本大使館の新築工事にストップをかけ、丹羽大使を呼んで、
「名古屋・新潟の新領事館建設に便宜を図れ」と要求
名古屋と新潟では中国の大規模な用地買収に対し、住民の反対運動が起こった
 ↓
2011年11月
丹羽大使「便宜を図ります」と口上書を提出
中国側は日本大使館の工事再開を許可
 
2012年6月7日
東京都による沖縄・尖閣諸島の購入を批判 







最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。