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市谷・防衛省ツアー~南郷少佐と戦時の英雄たち

2013-04-03 | 陸軍




市谷の防衛省ツアー、記念館の展示についてもう少し。

これは南郷茂男像。
金属供出の嵐が日本中を吹き荒れたときも、
この銅像はどうやら接収を免れたようですね。
胸像としては物凄く大きいので「接収し甲斐があった」
と思うのですが、陸軍としては「これだけは」という思い入れで
どこかに隠していたのかもしれません。

さて、この南郷さん。
「日本軍史上初、兄弟そろってのエースパイロット」
とウィキペディアには説明してあります。
これが茂男なのかお兄さんの茂章なのか、
写真をちゃんと撮らなかったので確認していませんが(←)
飛行服が陸軍のだからたぶん茂男さんだと思います。

それにしても、兄弟がそろって陸と海のパイロット、
しかもどちらも航空隊で図抜けた技量を持っていたという・・・。

やはりこういうのは「才能」「素質」がものを言うのでしょうか。

お兄さんの茂章さんは1938年中国戦線で、
弟さんは1944年1月、ニューギニアでそれぞれ戦死しています。



軍服も本物が。

一番右はネイビーカラーですが、これは
陸軍中将の制服です。
袖の詩集が特殊なので、おそらく皇族用ではないかと。
(これも未確認)



終戦に際し自決した阿南陸相の軍服。



陸軍マント。
フードがお洒落です。
やっぱり軍人さんのマントは陸海問わずよろしおすなあ。
このマントからブーツがすっと伸びて。

ああ、そうだ。

陸軍は、ブーツが「萌え」ポイントなんですよね。
栗林中将も、あのバロン西も。
スタイルの良さがいっそうブーツ姿を際立たせていました。



ロシアのお金。



秦中将とは関東軍参謀秦彦三郎
ロシア通として知られ、ロシア語を堪能に繰りました。
終戦時は瀬島龍三(どこかで聞いたなこの名前)とともに、
極東ソ連軍総司令官と停戦交渉に当たりました。

どうも上のロシア貨幣も秦中佐の私物であった模様。



戦闘で働きを上げて亡くなった少尉をこのように顕彰しています。
この新聞記事の内容を少し読んでみると、加藤少尉は24歳、
長城戦つまり中国戦線で戦死した小隊長で、
その戦死の模様を戦友が新聞記者に語っています。

「あゝ なんと気高い心構えであろう。
自身は一兵でも多くを欲するときでありながら、
隊の兵力の不足を憂い、健在者六名を復帰せしめた
少尉の崇高な決意に誰か泣かぬものがあろうか。
隊長も機関銃隊長も敵弾熾烈の元で鍔を上げて泣いた」

「隊長は『加藤よ、甘んじて隊のために死んでくれ。
今一押しだ。君の努力で敵はもう浮足立ったようだ』
と傍に居る人に言った」

「血染めの地図を示しながら
『お前は戻って○隊長は生存者六名とともに山上を死守する、
敵は約300名だと報告せよと命じられました』
と涙にむせびながら戦況を報告した。
誰一人声を発するものは無い。
上等兵は遂に耐え切れず『アッ』と泣き伏してしまった」

「加藤少尉以下の壮烈無比なる戦死は皇軍の光彩として
戦史に永久に残るであろう」


当時から新聞は「事実をそのまま伝える」のではなく、
書き手の感想と世間に「こう煽りたい」ということだけを書く、
ということをしていたのだとよくわかる記事ですね。

現在、この加藤少尉について調べても、
何の資料も検索にはかかってきません。
このときその戦死を麗々しく称えた世間が、
加藤少尉の名前を忘れるのは非常に早かったようです。



「加藤喜兵衛少尉」。
今回、この名前で検索しても、ある陸士出身の方への追悼文が
ひとつヒットしただけでした。



歴史的資料。
真ん中の英文の降伏要項は1945年9月付です。
どうやらフィリピンに駐留する軍に出されたものである模様。
(ちゃんと読んでいないので推測。てへぺろ)



先日認識票(ドッグタグ)が話題になっていましたが、
日露戦争の認識票発見。
金色というのは真鍮でしょうか。
それにしても全く劣化していませんね。
まるで小判のようです。



ああびっくりした(笑)
ガラスケースに横たわるこの義足、
実際に見ても本物そっくりです。
皇后陛下から賜ったというものなのですが、さすがというか、
職人の手の入れようが半端じゃありません。

おそらく義足義手に掛けてはトップメーカーが
これを依頼され制作したのではないかと思われます。

肌の色とかシミまで再現されて、もうこれは芸術品。



日露戦争で片足を負傷した歩兵少佐、木下秀四郎。
この人についても少なくともインターネットでは
なにもヒットしませんが、義足を皇后陛下から賜ったのは
この一歩兵少尉(勲4等功4級)であったようです。

なぜこの人だけが、という気もしないでもないですが、
彼もまた「作り上げられたヒーロー」だったのかもしれません。


展示されていたものについて、もう少し続けます。





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