ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

シンプソンズの四角いスイカ

2010-11-25 | 映画


画像の物体は、息子が二年生のころ学校で作ってきた工作。
構造的に不可思議なところがあるのですが、とにかく「スイカ」だそうです。

「これ何?スイカみたい」
「スイカだよ」
「四角いんですけど」
「だから『シンプソンズ』のスイカ」
「あ~(=_=)・・・先生にはわからないと思うよ」


日本ではあまり有名ではないようですが、アメリカのコミック、「シンプソンズ」
ご存知ですか?

1989年放送開始になったアニメで、原子力発電所の安全検査官であるホーマー・シンプソンズを家長にしたアメリカの中流家庭を中心に、世相の風刺、パロディを織り込んだコメディです。
アメリカではいくつかある大人向けコミックアニメの一つ。
実在の人物が数多く出演し、世相風刺をするために表現がかなり際どいため、子供にはできれば見せない方がいい、という位置づけです。

息子が「学校で今日映画観られる時間があるから、好きなDVD持ってきていいよ、って。何がいいと思う?」
と相談してきたことがあります。そのとき息子、
「シンプソンズなんてどう?」
(瞬時に)「ダメ」
結局「センター・オブ・ジ・アース」を持って行きました。



しかし、息子の学校の「理科」の授業で配られた「脳の働き」の小冊子には、ホーマー・シンプソンの脳みその絵が(小さい)イラストで描かれています。
子供向けではないが子供でも皆知っているキャラクターってことなんでしょうか。


愚息はシンプソンズが結構好きで、アメリカに行ったときにシーズンごとのケースに入ったDVDを買わされたりするのですが、ときどき「これはコドモにはまずいかも」
みたいな部分もあって「うわ、こんなのわかるのかな」と思いながらもつい見せていました。

一度、こんな風にストーリーを説明してくれたことがあります。

「マージ(ホーマーの妻)って、フランダース(隣人)とキスしかけたことあるんだよ」
「ええ!ほんと?」
「うん、庭で水撒きしていて、マージに水がかかったの。
で、マージがナイス・バディだってことがわかってフランダースが『セクシー』って思っちゃったみたい。
で、何となくそんな感じでキスしそうになったんだけど、マージがホーマーのことを思い出して、だめ、っていうんだよ」


・・・・・・・まじか。


いや、内容ではなく、息子(当時8歳)がこういう内容について語っている、ということがですね。
もしかして教育を間違えたか?
ある程度の性描写が入っている映画なども、ヘタに禁止して却ってヘンな興味を持たないように、自然にスルーしてきたけど、スルーし過ぎか?

少し、考えてしまった発言でした。

それはともかく、このシンプソンズ・シリーズ、日本でもDVDが字幕付きで観られます。

校長がホンダの車を買って自慢していたら、ホーマーがエンブレムに悪戯をしてヒュンダイにつけかえてしまって、校長激怒、という現代自動車には笑えないギャグもありますが、これは日本では観られるんでしょうか。

それから、日本では放映されなかった幻の「日本旅行」の回があるんですよ。


その中のエピソードが本日話題の「四角い西瓜」。

この稿を描くためにもう一度見ようと思ったのですが、どこに入っていたのか息子に聞くのを忘れたので、記憶だけで書きます。間違っていたらごめんなさい。

ジャマイカに旅行に行くのに、飛行機を間違えてジャパン行きに乗ってしまったシンプソンズ。
飛行機は、やたら富士山が近くにある(これは『東京上空30分』も同じ。富士山、こんなに大きくねーよ、とムカつきついでにつっこみました)東京に到着。

ホテルに入った途端、ホーマーは洗浄機付きのトイレに大興奮。
なんと、音楽が鳴り、色とりどりの水が噴水のようにリズムに合わせて踊るトイレ。
おまけに、トイレの便器の中に座面を(下から)映すカメラがあって、
その映像をを客室のテレビの画面で見ることができるのです。
・・・うーむ、TOTOもついにそこまでの商品を開発した・・

わけないだろっ(怒)

出てくる日本人が、不思議な日本語をしゃべるのですが、全く何を言っているのかわかりません。
字幕の英語を読んで「ああ、そう言っているのか」と納得するくらいの意味不明。


このアニメの姿勢として、徹底的な風刺がされているので、出てくることすべてもうむちゃくちゃ。
ホーマーが旅館の障子をばりっと突き破って行き来したり、ホテルの前にサンリオの工場があって、猫を捕まえてキティちゃんを作っていたり。

この四角い西瓜は、ホーマーが「スイカが四角いよ!」
と喜んで5000円で買ってしまい、一家はただでさえ色々あってお金がないのに、この散財で決定的に立ち往生、テレビに出演して賞金を稼ごうと決心する動機になっています。

息子が制作したのはこの「四角い西瓜」
話にはよく聞くけど、よっぽど奇矯な人が話題作りのために買うだけで、ニュースでしか見たことないぞ、と思っていました。

ところがこの夏・・・・・・




高くてきれいなばっかりで、ちっとも美味しくないと評判の高級果物屋の店先に
ありましたよ。
店の人に見つからない角度から盗み撮りしたので、値段まで写すことができなかったのですが。

ここの「一個ずつパッキングされ、木箱に入ったイチゴ」
というものを、この春いただきました。
すごーい、といいながら押し戴くように食べたらば

・・・・・・・(=_=) まずい

美味しくない、ではなく明確にまずい、だったことにご注目。


この四角い西瓜は、ある意味「ここがヘンだよ日本人」
の象徴かもしれませんね。
きっと美味しくもないに違いない。

美味しくもない、変わった(あるいはきれいなだけの)果物を、自分で食べるためにではなく人へのプレゼント用目的だけに売っている店がある。
貰った方は、ありがたくもなく、美味しいとも思わず、ただ○○さんがこのような高いものを贈ってくれた、という事実だけをインプットして、終わり。
社会生活における「義理と恩と付き合いと儀礼」を、分かりやすく表現するためだけに買われる果物が売られている。

まずけりゃ文句が行くのが普通のお店。
しかし、ここではクレームは・・・
「まずいけど、もらいものだし、へたに文句言うと贈ってくれた人の顔をつぶす」
この不思議な事情ががっちりとこの店を苦情からガードし続けているものと思われます。

やっぱり変わった国です。

シンプソンズは、ネタのためにあらゆる諸外国を訪れていますが、訪れた当事国では必ずその回だけ放送禁止の憂き目にあっています。
その国のタブーをいじりまくるネタの性質上仕方ないのかもしれませんが、ことそういう風刺には鷹揚な日本が、この「日本旅行シリーズ」
を放送しなかったのはなぜか。

それは、スモウ場に現れたホーマーが、あろうことか御前天覧しておられた天皇陛下を投げ飛ばしてしまった、という落ちが、さすがにまずいと判断されたからだそうです。



ところで、このシンプソンズシリーズは、何となく観飛ばしてしまう表示などにも細かい仕込みがしてあります。
教会の入り口にある標語、よく
「神は隣人なり」
みたいなことを書いてあるボード(アメリカでは文字を付け替える方式の看板が多い)があるのですが、彼らの行く教会のそれに

I TOLD YOU SO (だからいわんこっちゃない)

と書いてあったのが、いまだに大好きなギャグ。

これ、去年の政権交代前に、民主党なんかに政権取らせたら大変なことになるよ、と言っていた大抵の人(エリス中尉含む)が今、心の中にこの標語?を浮かべる毎日だと思うんですが。

笑えない・・・。
















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2 Comments

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四角なスイカ (もののはじめのiina)
2017-07-14 11:43:47
こんな四角いスイカがありますょ。 ^^





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ありがとうございます! (エリス中尉)
2017-07-18 15:32:44
もののはじめのiinaさん、初めまして。
「四角い」といっても四角違いですが、しかしこれも確かに四角いスイカ。

こちらはとりあえずスイカが六個あればできますね。
(実は何個必要なのか5秒くらい考えてしまいました)
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