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朝霞訓練場装備展示~自衛隊キャラ効果

2014-05-06 | 自衛隊

観閲式のあと、装備展示をしてあるフィールドには、前回もお伝えしたように
自衛隊ゆるキャラが あちらこちらに出没して写真のモデルになり、
愛想を振りまいていました。

白いユリカモメのトウチくんと一緒に撮影会をしているのは

千葉地本の千葉衛(ちばまもる

実は自衛隊というところは国民に親しみを持ってもらうために
イメージキャラを都道府県ごとに地本が音頭を取って決めており、

東京地本のトウチくん
岐阜地本のウーピー(鵜)隊、リク・カイ・ソラ
滋賀地本の滋賀ぽん(信楽焼のたぬき)などの動物系、 

山口地本の美陸(みり)・美海(みみ)・美空(みく)の三姉妹機、
福島地本の陸花(りくか)・夏美(なつみ)・美空(みそら)の福島三姉妹
(ページ下の方にあります)そしてこの間の岡山地本の三人娘のように、萌えキャラ系、


宮城地本のまもるくんたち、この千葉衛を長男とする千葉三兄妹のような
「人間着ぐるみ系」、

静岡の「しずぽん
和歌山の「みかんの助」「かきの助」「うめの助」
岩手の南部鉄でできたいわてっき三兄弟 のような「産地名産品系」と大別されますが、


香川地本オリジナルキャラクターは、なんと実在の人物をキャラ化!

そして、熊本地本は現在キャラ募集中、さらに、

京都府は現在キャラ総選挙中だ!

京都府地本のキャラはあなたが決める!(煽り)


ちなみにこの千葉衛ですが、地本キャラとしてはもっともよくある「まもる」の名を持ち、

千葉衛 千葉未来(海自)千葉翔(かける)の千葉三兄弟

の長男として千葉地本のマスコットとなっています。
因みに千葉衛の特技は「瞬きをしないでいられること」だそうだ。それは凄い。

これらのキャラには各地本の思い入れというか、意気込みが感じられるものも多く、
例えば宮城地本はまもるくんのファンにならずにいられない活動案内ページを作っており、
こういうノリを見るにつけ、あらためて自衛隊の中の人の「普通さ」
(というか『お前ら』度の高さ)を感じます。

そういえば、ある海将の職場訪問をしたら、
ずらっと萌えフィギュア(自衛隊仕様)が並べてあったなあ・・。
副官におそるおそる

「これは・・・なぜ、ここに・・・」

と聞くと、

「はあ、全部海将の・・・・・(口ごもる)」

という答えで、漠然と不安になったそんなものかと思ったものです。



155mm榴弾砲(FH70)

第一空挺団の行動展示では120mmの迫撃砲を引っ張りますが、
これも車両に連結させて運びます。
ただ、短距離(ってどれくらいだろう)なら自走もできるのだとか。

何度もしつこいですが()防衛省的愛称は「サンダーストーム」、しかし現場では
「エフエッチナナマル」とか「エフエッチ」と呼ばれています。


日本鋼管によってライセンス生産されるようになってから、陸自の主力火砲とされ、
陸自音楽隊の序曲「1812年」で特に活躍してきました。


チャイコフスキー作曲・序曲「1812年」

音は正直なところ他の映像と比べてかなりしょぼいですが、(録音位置の問題ですよ)
音楽隊員がキューをだしてから発砲するまでの様子や、隊員の動きがよくわかります。
お時間のない方は初弾3分40秒あたりとラスト5分40秒からご覧になることをお勧めします。

ただ、FHは導入されてから30年も経ち、そろそろ次世代への転換が進められており、
現在は開発している真っ最中だと言うことです。

1812年の伴奏だけからいえば、もう少し膨らみのある音(ってどんなだ)の砲がいいかな。
ついでに、自衛隊の1812年では、最後に全砲が一斉射撃しますが、
あれはチャイコのオリジナル楽譜には有りませんので念のため。




さて、前にも一度お伝えしたことが有りますが、10式戦車の動的展示が
時間になったので始まりました。
あっというまに人だかりができます。 



全世代の男が食い入るように見つめる中(笑)、
10式は360°回転したり、主砲を上げたり下げたりという動きをしています。
戦車そのものより、戦車に夢中になる人たちの方が見ていて面白いので、
わたしが写真を撮るとこうなります。



全員が手持ちのデバイスで動画を撮っておる。
10式の動きの凄さというのは機敏さと砲撃の正確性にあるそうで、
特にスラロームしながらの動的目標への射撃は百発百中ということですが、
こういった展示でそれがわかるということはいかに戦車オタクでもないんではないか?




とはいえ、オタクの眼力をなめてはいけない。
わたしには従来の戦車との違いなどさっぱり分からなかったけど、
分かる人が見たら

「うむっ!やっぱり車体の柔軟度が90式と比べ全く向上している!」

などと着眼点が全く違うのかもしれないし・・・。(適当)




展示が済んで降りて来る隊員二人。
一人は砲塔、一人は操縦席です。
10式の定員は3名。
その他特筆すべきは車内は

冷暖房完備

だということなのですが・・・・それってつまり、

これまでの戦車は冷房も暖房もなかったんですか?



91式戦車橋

戦車なのか橋なのか。
むかしは「工兵」というのがいて、土木関係を請け負ったものですが、
陸自ではこの部門を「施設科」といいます。



91戦車橋が橋を展開し、敷き 、再びたたんで帰っていくまで。
ある意味予想の斜め上をいく展開収納法で、ショックを受けました。



92式地雷原処理車

これも、富士演習場の総合火力演習の映像を見ていただくのが早いでしょう。



発射されたのは地雷原処理用ロケット弾で、地雷を爆発させ、車道を確保します。
ちなみにこの写真に写っている見張りの隊員は思いっきりカメラ目線です。



07式機動支援橋

先ほどの91式よりは小さい橋ができますが、戦車も渡れるようです。
自衛隊が30分に及ぶ展開の映像を提供していますが、
考えることは皆同じ、これをじっと見ているのはいくらなんでも、と思って
さがしたところ11分の早回しにまとめたものが見つかりました。



これ、面白いです。
つい最後までじーっと見入ってしまいました。
まず人間一人が渡れるだけの細い橋を渡してから戦車用を展開するのですが、
2分20秒頃、橋を渡ってくる隊員(顔は見えず)のマッチョ体型に思わず目が釘付け(笑)

展開した後は柵までつけますし、中央には分離線が引かれています。
そして完成後、作った当人?が渡り初めをし、後続車両が続きます。





こういう施設科の力技みたいなお仕事を見た後にこういう写真を見ると、
自衛隊とは実にいろんな職種があるものだと感心します。
およそ生活していくうえで必要なほとんどの仕事を網羅しているのではないでしょうか。

このにぎわいは、もしかしたら地本ゆるキャラ大集合?



と思って前に回ってみたら、東京地本のトウチくんと、
埼玉地本のサイポンが、なぜか陸海空と全員出動していました。

このサイポンですが、顔は「勾玉」の形をしているんだそうです。
埼玉が勾玉で有名な?さきたま古墳群があるからなんですね~。


ところで疑問なんですが、このサイポンは、中の人もやっぱり埼玉地本から
出張して来たのでしょうか。
それとも、当日会場の所属自衛官のなかから誰か見繕うんでしょうか。 




こちらでは移動して来たトウチくんが千葉衛と写真撮影会。
微笑みつつその様子を眺める責任者らしい地本のベレー自衛官、
ついでにキャラクターにしちゃえば?というくらいこの人は目立っていました。




ゆるキャラとかHPの漫画とか、そういった「いまどきのはやり」で
関心を引くのに懸命な地方協力本部。
前にも言いましたが彼らの仕事には自衛隊なのにノルマがあり、
なんと、HPの閲覧数の順位すらしのぎをげずっているのだそうです。

とても自衛官勧誘が目的に見えないシュールなマンガを掲載する
というあこぎな方法であっても、とにかく閲覧数を上げれば勝ち、
という風潮が巻末にあげた「岩手ぴこ」などにも窺い知れます。




帰りはバスに乗ることにしたので、来たときとは別の門から出ました。
門を出るときにこの日のパンフレットをたくさん持った隊員が、
「本日の記念にどうぞお持ち帰り下さい」
といいながら配っていました。

足りなくなるよりはと多めに刷ったものの、残して捨てるのは
これも国民の税金を使っている以上、大変申し訳ない、
だから一部でも減らしたいという一途な思いが感じられ、ついつい
受け取ってしまいましたが、よく考えたらわたし、もうすでに4冊持っていたのよ。
(一冊は雨に濡れてぼろぼろになったけど)

一冊受け取ったら

「もう一冊いかがですか」

って、そんなたくさんいらないってば。一冊でも捌きたい気持ちはわかるけど。 



バス乗り場は少し離れたところに有り、そこまで点々と隊員が
道しるべのように立っております。



そして、ひとりひとりに必ず「ありがとうございました」と声をかけるのですが、
あまりに丁寧すぎて
「そこまでご挨拶して下さらなくても」
と恐縮してしまいます。



出口手前に不思議なクリーク発見。
これは、なんだろう。
もしかしたら塹壕戦の実地訓練用?


実はわたくし、最近ここに知り合いができたんです。
「遊びに来て下さい」
っておっしゃってたけど、自衛隊的に言うところの「遊びに」ってどういう意味ですか?
やっぱり、見学とかさせてもらえるってことかな?
京都の人ならともかく、そう言われたらわたし本当に行っちゃうよ?


というわけで、もし基地訪問が実現したら、この塹壕の正体も聞くことにします。



駅までのシャトルバスは、自衛隊仕様ではなく民間のバスが出動していました。
しかし、輸送に当たっていたのは実は自衛官たちだったようです。

「観客輸送隊」

かあ・・・。
やっぱりこういうところが自衛隊ならではだなあと最後に細かいところに感心しつつ、
朝霞訓練場を後にしました。



おまけ*




この日帰りに「とらや」に寄ったのですが、このときとらやでは
「猫シリーズ」をしていました。

写真のくずようかんは「みけ」。
みけ、というよりこれは白黒に多い「はち割れ」っていう種類ですけどね。

老舗の和菓子屋もゆるキャラ風味でお菓子を作る時代。
若者を確保したい自衛隊においてをや、ってところでしょうか。



おまけその2*

岩手地本のページでとんでもない漫画を見つけてしまいました。

「岩手ぴこ」

もう・・・・・・・・・カオスです。
岩手地本はいったいどこに行こうとしているのか。
しかも地本、PCO(Provincial Cooparation Office)なのにいつのまにか
「ぴこ」になってるし・・・・・・。