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最悪のシナリオシリーズ~サンフランシスコ版

2010-08-08 | アメリカ

面白い本を見つけたのでご紹介。
赤い本は昔からあったもので、

THE WORST-CASE SCENARIO
Survival Handbook:TRAVEL

というもの。
「高層ホテルの火事から生還する」
「飛行機事故にあったときには」
というまともなものから

「屋根から屋根へジャンプする」
「崖から半分墜ちかけている車から脱出する」
「車のトランクにとじこめられたとき」

という、一生に一回遭遇するかどうか?というような知識までを網羅したハンドブックで、真面目なんだか不真面目なんだかよくわからないものなのですが、何故かこのシリーズの「サンフランシスコ版」を見つけたので、同時に購入しました。

どこ最悪のケースなんだかわかりませんが、真剣にヘンなことを書いているので結構笑えます。
この内容をご紹介。


夏暖かく過ごすには
この絵は「ビーチでの正しいスタイル」。
「タンクトップ、Tシャツ、長そでシャツ、セーター、秋用コートを、天気予報に従って重ね着すること。冬用オーバーがあってもいいでしょう」
「使い捨てカイロをポケットと靴に入れること」
「バーベキューや焚火のときはできるだけ火のそばに」
「温まるためにワンセットうさぎ跳び10回、腕立て伏せ10回を気温に応じて何セットかする」

走っているケーブルカーの止め方
いやこれね・・・。
「横を走り、グリップをつかみ、飛び乗り、フットブレーキを踏み、非常用ブレーキを引っ張り」
これがくどくどと説明してあるのですが、さて、ケーブルカー、止めました。

それからどうします?

ただちにケーブルカーから逃げる。

そもそも何のために止めるんだ。

あとは、霧の中の運転法とか、坂道での縦列駐車の仕方など、まあ、初めて来る人には役に立つかもしれないという情報もちりばめてあるのが泣かせます。
「地震が起こったら」っていうのもありました。
先日ここにきて初めてグラっときましたよ。住んでいたときも、その後も感じたことがなかったので少しびっくり。
日本ほどの頻度ではないようですね。

それにしても、


アルカトラズから脱出する
とか、

フィッシャーマンズワーフでアザラシに襲われたらとか・・。
答は『大きな音を出すと逃げるので、ストリートミュージシャンの楽器を奪い、鳴らす』
もしくは「新鮮なシーフードを投げる。カニなどがよい。サワドーボール(パンをくりぬいたもの)入りのクラムチャウダー(サンフランシスコ名物)はあまり効果なし」

何が最悪のシナリオなんだかわかりませんが、
スシをどうやって食べるか
ってのがありまして。これ全部ご紹介。

「レストランに入ったら案内してくれるウェイターに目であいさつする。深々とお辞儀する必要は無い」
「カウンターに座る」
「わからなくても『オマカセ』といえば何か出てくる」
「飲み物やサイドディッシュのオーダーをイタマエにしてはならない」
「イタマエに包丁のジャグリングやタマネギに火をつけるパフォーマンスを頼んではいけない」
(ベニハナというテッパンヤキではこれが売り物)
「箸を使って食べるが、ニギリは手で食べてもよい」
「小皿に少しだけの醤油を使うこと。
醤油を多く入れすぎて、コースの途中で醤油の中にご飯や刺身を落として紛失してしまったときはウェイターに頼むこと」
「イタマエがスシにワサビを付けたときにはそれ以上使わないこと」
「ガリは寿司と寿司の間に口をフレッシュにするために食す。決して寿司と一緒に食べないこと」
「もし寿司カウンターに座ったら、寿司や刺身を残すことは非常に失礼な行為なので残さず食べること」
「食べ終わったら箸はまっすぐ揃えて置く。まかり間違っても残ったご飯に差して出てきてはいけない」

まあ、サンフランシスコにあるすし屋のほとんどは中国人や韓国人のやっている店なので、イタマエがそもそも何も分かってないかと思われますが。
ちなみにメトレオンの「三楽」とインターコンチの「京屋」は本物。

最後に
この事故、実は先週、目の前で起こりました。
中国系の女性が下り坂の道路に止めた車のドアをいきなり開け、スポーツ仕様の自転車でかっ飛んできた女性が激突。
どこの都市にもある事故ですが、これがサンフランシスコでは特に怖いのです。
その事故も下り坂を自転車が降りてきていたので、はずみで自転車から女性が投げ出されていました。
まさに最悪のシナリオ通りだったわけです。

あとは「ユニオンスクエアでのバーゲンでサバイバルする」とか、「ゴールデンゲートブリッジの下でウィンドサーフィンする」とか。
つまり、ほとんどは「最悪のシナリオ」を装ったサンフランシスコ観光ガイドってことですね。