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狡いロシアは首相安倍にどんな騙し方をするだろうか

2016-09-03 09:36:53 | 時事問題 政治
東方経済フォーラムが2日からウラジオストクで開催されている。中国、日本、韓国、インド、ベトナム、オーストラリア、米国、シンガポールなどの国から代表団が、少なくとも2400人が参加して、国際投資家共同体の連携強化の可能性が討議されるという。

日本首相安倍は、1日、ロシア経済分野協力担当相を新設し、経産相世耕に兼務させ、早速経済フォーラムに同行させた。対ロシアの経済を総合的に一元化して効率化を図る意図を明確にしたつもりであろう。特定の国に対して、かつ特定の問題について、兼務とはいえ、専任大臣を配することは日本では初めてのことではないか。首相安倍の思い入れの強さを現すことに見えるが、実際どんな新鮮な動きをとるのだろうか。ロシア側に好感を持たれるがためであれば、駆け引きとしては、あまり面白いものではない。

首相安倍の思いは、北方領土問題の解決にある。ロシア大統領プーチンとウマが合うといわれ、それを武器の交渉を進めたいというのが、首相安倍の周辺の考えであろう。プーチンは領土問題を話し合うつもりはないというのが本音であろう。プーチンはロシアの利益、すなわち自分の権力の誇示を第一に考える人である。すでに実効支配している土地を返還するなどということは、ふつうはしない。領土は武力でとるものだというだろう。おそらくプーチンでなくともそういう。余程のことをすれば返還ということがあるかもしれない。その余程のことを安倍とプーチンで取り決めるということが果たしてできるだろうか。それを経済協力と結びつけることは、日本側はしたくとも、ロシア側はするつもりはないだろう。

国後島にムネオハウスといわれるものがあったころはまだ、日本人も島に行き来が出来たのだろうが、外務省がヘンナ規制をするから行けなくなった、あるいは行かなくなったために、ロシアの実効支配があっという間に行われてしまった。日本は戦争もせずに領土を取られたのが実情であろう。ロシアは、歯舞、色丹は、ロシアにとって必要性は小さいから、日本にあげるというかもしれない。一方、日本の北方領土の必要性というのは、今や、住む島というよりも漁業権を確保したいとことの方が強いのではないか。

経済協力が領土問題と切り離されて考えることであると知っているはずの日本側が、なぜ大臣のポストを増やしてまでロシアに対応するかが分からない人は多いのではないだろうか。プーチンは、日本の所業に首をひねっているのかもしれないし、しめしめと狡猾な内心を側近と分かち合っているのかもしれない。日本のインテリジェンスでは、プーチンの手のひらから出られないのではないか。

2日夜、プーチンとの首脳会談の後で、首相安倍は記者のぶら下がり会見に臨み、会談の内容をかいつまんで話した。首謀会談を11月にペルーでもう一度する、12月のプーチン訪日では山口県の長門で行う、今回は経済問題ばかりでなく世界情勢についてなど幅広く話し合いができた、二人だけの会談で手応えを感じ、おそらく領土交渉を意味するのであろう、道筋をつけたということを話した。首相安倍にとって満足な会談だったのだろう。首脳会談の初めのプーチンは、日本にかなり好意的なことを話していた。十分やる気を見せてくれていた。しかし、だからといって、日本の思惑が通るとは限らない。ロシアがなにか企んでいることを日本は深読みしなくてはならない。

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