2年前の暴走事故の裁判がまだ続いている。加害者である被告が自分の過失ではなく車両に問題があったためであると主張しているという。車両の調査では欠陥が見当たらず、運転者の問題であるという検察側見解に対して、被告は事故の時にアクセルペダルが踏み込まれたまま動かないのを確認しているという。
犯罪者の嘘を崩すのは、証拠である。ペダルが事故の時に限り動かなかったということを証明することは難しい。だから被告は屁理屈をこねていると誰しもが思う。それを覆すことができないでいる。検察側は被告の記憶の周辺の言葉から、その時に確認したという記憶を崩すことを試みている。すでに被告が被害者親子を見ていた記憶は、自転車に乗っている姿でなくベビーカーを使っている姿であったという言葉を引き出している。その他にもボロが出てくるだろうが、決定的な自白につながるものをなんとしても見つけ出したいと算段しているのだろう。加害者の心理を読む戦いになるのだろう。
裁判所がまさか無罪判決をするとは普通には考えられないが、車両には欠陥がなかったという証拠を理由に有罪判決を下せるだろうか。犯罪者の嘘の証拠がないことで、それが嘘であるとは言えないところも厄介である。有罪になれば、被告は控訴さらに上告をするだろう。ヒマな老人だから待つ時間はいくらでもある。被害者の遺族は本当にたまんない。やはり裁判所に正義を振りかざしてもらうしかない。