クールな生活

日々の雑感と意見

「北朝鮮は嘘をつく」と米大統領トランプは知っただろうか

2018-08-30 12:53:13 | 時事問題 政治
日米開戦と関係のある、フランクリン・ルーズベルトの一つ前の米大統領であった、ハーバート・フーバーが回顧録を出版し、昨年邦訳が出た。FREEDOM BETRAYED邦訳「裏切られた自由」草思社2017。圧巻である。ハーバート・フーバーは2期目を狙った大統領選挙で、フランクリン・ルーズベルトに負けた。1933年のことである。ハーバート・フーバーは、時の英首相チャーチルの扇動に乗ってしまった、フランクリン・ルーズベルトの好戦姿勢、その一つには日本との戦争をそそのかしたという記述もあるが、に対してことごとく批判をしている。ヒトラー、スターリンの独裁者に対しては、アメリカは関わらないことを強調している。ソビエトとの国交については、共産主義であるがためにアメリカには相容れないとして、否定的であったが、フランクリン・ルーズベルトはソビエトの国家承認を行った。ソビエトは、ロシア共産党はアメリカに関与しない、と言ったが、アメリカ共産党にづかづかと入ってきて承認前の言動が嘘だったと判明した。これが共産主義の姿であると知らされたわけである。ヒトラーも独ソ不可侵条約を破ってソ連に侵攻した嘘を示したが。

日本は日ソ中立条約を破られて終戦間際にソ連の侵攻を受けた。戦後日本は北朝鮮には何度も騙された。共産主義国家は嘘をつく、という観念をもっている。首相安倍は、米大統領トランプと何度か会見したが、北朝鮮が嘘をつくことを知らしめたであろうか。

米大統領トランプは、北朝鮮指導者金正恩とケミストリが合ったようで、具体的内容を詰めないままに朝鮮半島の非核化に合意してしまった。非核化を行えばノーベル平和賞をもらえることも合意の要因であったのだろう。トップ同士の合意の後、北朝鮮の非核化は、北朝鮮の解釈で進められたようで、アメリカの国務省レベルでの話し合いでは、進展がないどころか、ここにきてアメリカに対して北朝鮮が好戦的な姿勢を見せてきたとして、アメリカが国務長官の訪朝をキャンセルする事態になった。北朝鮮がアメリカのポンペイ国務長官との交渉で自分らのシナリオで進まないことに腹を立てたのではないかと察する。北朝鮮はすでに核兵器をつかえる段階にある、非核化の交渉を行っている間は、アメリカは北朝鮮に対して演習も含めて軍事力を行使しない、北朝鮮は中国の後ろ盾を得た、ということが、北朝鮮の態度を大きくしているのであろう。アメリカはまだ軍事演習の再開とまでは言い出していないで、事態を見ているといってよいだろう。北朝鮮が自分らの正当性を主張するのを続けて、アメリカを脅す戦術であろう。

米大統領トランプは、北朝鮮指導者金正恩と二度目の会談をしようとツイッターで行ったのはどんな意図があったのだろうか。シンガポールでの会談における両者の合意の内容が十分世界に伝わっていないが、アメリカ国務省レベルでも確認されていないのであろうか。アメリカにハーバート・フーバーのような人は今いないのかもしれないが、上院議員であった故マケインの後でも、米大統領トランプに、北朝鮮に騙されるな、と直言する人が出てきてよいだろう。フランクリン・ルーズベルトにすれば、当時共産主義国家に近づいたのは、ヒトラーのドイツをイギリスの要請で負かす作戦の一つであったのかもしてないが、アメリカが今北朝鮮を国家として承認することは、北朝鮮の核武装と核兵器使用の動きに歯止めをかからなくすることもありうることを世界に訴えることが必要である。共産主義、独裁国家は嘘をつく、と改めて思い知る機会になる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石破に新鮮味が見られないのは何故だろうか

2018-08-28 10:07:02 | 時事問題 政治
トップを変えるときには、それなりの事由が要る。今、首相安倍を変えるというのを自民党側からみてみると、失政があったとういうのでなく、5年余無風で、一強になり、驕りが見られてきている、モリカケ問題で問題であろうとなかろうときっちりとした説明をしない態度が不遜に見える、3選までしなくともよい、ということになろうかと思う。自民党内では、そんな風潮は主でない。国民の何割かは感じているが、石破が対抗として唱えているくらいになるという理解でよいだろう。それよりも世界情勢的に今トップを変えたら、日本の立ち位置が揺らぐのではないかという懸念が大きい。

両者はこれから政策を出し合って議論に入るというスタンスをとっているので、日本をどのようにもって行くかの指針は、この2週間の戦いの中で見られることになる。安倍は従来路線を続けるというであろう。石破は安倍の実績は中途半端のままであると指摘するだろう。経済問題が一つの論点になろう。

憲法改正について両者は見解を異にしている。安倍は9条をいじりたくて自衛隊を明記することを主張する。自民党も多くが同調し始めている。石破の9条の改正は基本から変えていく姿勢で、憲法改正の元々からして、この考えの方が、矛盾がない。安全保障や防衛問題で、軍隊をもてという主張を石破がはっきりと言ってくれれば、自民党右翼と烙印を押されようが、日本の一つの方向を示すことになる。トランプとはウマが合うであろうし、フランスなどの世界の動きと呼応する。中国や南北朝鮮からの猛烈な反対や嫌味が出ようと、強い日本を示すことができる。防衛に関してともすれば軟弱な姿勢を示す石破を見直させることができよう。

石破の特徴は、日本の地方のことをよく知っていて、日本を地方から変えていく、ということになるのだろうが、あまり新鮮味が感じられない。かつてのオバマのチェンジということばのインパクトもない。性格的なこともあるのかもしれないが、この3年間地方をよく勉強してきたのは理解できるが、地方の基本的な問題である、人口減と少子化を決定的に変えていく主張になってくれなければ、国民の多くに分かってもらえないだろう。なかなか新鮮味を出せない問題であるが、オレが首相になったらこうするという前に、小さくても何かしらの実績を見せてくれてほしかった。これからでも石破旋風を出せる機会がある。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカ人はなぜマケインを大統領にしなかったのか

2018-08-27 09:40:38 | 時事問題 政治
米上院議員マケインが亡くなった。脳腫瘍で、81歳。アメリカABCニュースは特集を組んで、その死を悼んだ。

やる気が満々で、真の改革が期待できたのに、なぜか大統領選挙では敗れた。2000年の共和党の大統領の候補選びで、ブッシュ・ジュニアに負けた。マケインでもイラク戦争を起こしたかもしれないが、戦争の理由は違ったであろう。2008年のオバマとの大統領選挙では、オバマに負けた。チェンジ旋風に負けたわけである。マケインの現実的改革をアメリ人は理解せず、オバマの理想を選んだ。オバマは理想だけで、結局、現実政治から疎いという評価になる。外交も弱腰で、ノーベル平和賞がちょうどよいという揶揄さえ出る。オバマが現在の大統領トランプが出てくる素地を作ったといってよい。アメリカ人はオバマを選んだことを悔いているであろう。そのオバマは2期も大統領を務めた。2012年の大統領選挙に、マケインは参加しなかった。負け戦と読んだのであろうが、オバマの失政を突けば、ひょっとするとマケイン大統領が生まれたかもしれないと思うのは、外野の言うことになるのだろうか。2012年の共和党からの大統領候補は、インパクトに乏しかった。オバマに完敗であった。

現大統領トランプ周辺の言い分からすれば、マケインはいわゆるエスタブリッシュメントに入るのだろう。したがって、現大統領トランプを支持する固定層の35%からの支持が必ずしも得られなかった可能性がある。大統領選挙で弱かった要因であろう。エスタブリッシュメントといっても、ブッシュやオバマ、ヒラリー・クリントンに見られるエスタブリッシュメント性とは異なることは、アメリカ人は知っているであろう。マケインは、ヒラリー・クリントンのように嫌われる層があったことは言えないであろうが、現大統領トランプにように圧倒的に支持してくれる層もなかったのかもしれない。

マケインが、現大統領トランプの拙い考え方に、アメリカ全体の国益の面から批判していたことは、ABCニュースを見るまでもなく、皆知っていて、共感を覚えた人が多い。今、マケインが大統領だったら、と思っていた人がいたかもしれない。アメリカ人は十数年もまともな人をトップに有していない。現大統領トランプが知者と接近して政治をすすめれば、アメリカの強さも変わってくる、マケインは最後までそう思っていたであろう。

大統領になってくれればよかったという人は、大統領になっていない。いつの時代も歴史は皮肉を教えてくれる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

群馬県ヘリコプター事故における精鋭乗員の死と精鋭温存の策

2018-08-13 11:30:54 | 時事問題 社会
8月10日に発生した東邦航空の運航による群馬県のヘリコプター事故において、9名の乗員全員が死亡した。ヘリコプター事故では生存者が少ないが、今回もご多分に漏れず、全員死亡という悲惨な事故となった。痛ましいこと限りなしである。ベテラン機長であったが、天候の急変があって調査のための低空飛行を行ったヘリコプターの良好とはいえない立ち位置からの脱出が難しかったと察せられる。

乗員9名は、群馬県の防災航空隊員4名と広域消防本部の5名で、機長が57才、整備士が60才の他は、38才から47才までの現役の錚々たるメンバーである。本人、家族のほか、防災隊、消防本部でも大きな痛手になったことと思う。今回、調査あるいは訓練で主力メンバーの乗機がやむを得なかったのかもしれないが、結果論からしては、同じ部署の主力メンバーを同一機に乗機させるべきではなかったのである。

今年33年を迎えた日航ジャンボの御巣鷹山墜落事故にあっても、乗客にたしか松下電器のどこかの事業部の社員が数名乗っていて全員事故死であったということがあったと思う。その部門は主力を失い大きな打撃であったと聞いた。

以前から、特に商社にあっては、出張に際して複数の社員が同一機に乗るのを避けていたが、今でもそうであろう。注意深い人は、子供が小さいうちは、夫婦が同じ飛行機に乗るのを避けるとしているということも聞く。飛行機事故の発生の確率は、自動車事故の発生確率に比べるとずっと少ない。それでもそのような配慮をしなければならないのは、飛行機事故の場合は、生存率がずっと少ないためである。

今回の事故を目の当たりにして、痛手を負った部門は相応の対策をとることにするであろう。航空機やヘリコプターの機械の向上と操縦技術のコンピュータ化により、事故率が大きく減ってはいるが、同一機には同一部門の複数のメンバーは乗せないという原則がまだ生きていると考えてよいのではないか。それでは仕事にならないという人がいるかもしれないが。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする