首相安倍の辞意の後、待ってましたというばかりに石破が、立候補打診に早速手を挙げた。岸田もやる気満々を見せている。そんな中、本命であろうとみられている菅が、出馬する、と幹事長二階に告げたという。総裁選挙の方法を総務会で一任された幹事長二階は、総裁選を全党員対象ではなく。両院議員総会で、国会議員(395人)+アルファ(141人)で決めようとしている。石破や若手の元気のよい議員は、総裁選は全党員で行うべきと息巻いているようだが、二階案で決まるだろう。緊急事態であるし、安倍の任期の1年残りだから大掛かりにやらなくともよいというのには説得性があるが、総理大臣選びになるから、一つの党のこととはいえ、できるだけ多くの人が選挙に参加してほしいと外野でも騒ぐ方が理に適う。党員全体にすると、石破の可能性が大きくなるから、安倍、二階、麻生の大幹部には望ましくない。となると、総裁選の方法の結論は、もう見えている。石破の芽はない。
国政の継続性を考えれば、菅が順当である。菅は安倍と一心同体といってよいくらい、安倍の政治をサポートしてきた。外交面での活躍は見える形でなかったが、内政では、菅なくして安倍はなかったといえるだろう。菅は総理大臣としてやるぞやるぞと言ったことがなかったから、また、派閥を持っていないから、総理という面から国民に有名ではないということになっているだけである。
菅に確定するためには、派閥の細田派の動きが重要である。
自民党の今の派閥は以下のようである。
細田派97人 麻生派56人 竹下派54人 二階派47人 岸田派47人 石破派19人
石原派11人 無派閥64人
菅は、麻生派と二階派と無派閥で150だから細田派を入れると250になる。地方議員の半分をもらえば320という読みになる。
岸田は、竹下派と細田派を取り込めば、可能性があるが、今回は難しいだろう。今回は菅に譲って貸しを作っておいて、次回来年9月に貸しを返してもらうという作戦の方が岸田総理誕生にはよいのではないか。しかし、一寸先は闇という言葉にある通りの世界だから、現実優先で考えるしかないことは確かであろうが。