稀勢の里のメンタル

稀勢の里はついに引退となった。残念である。久々の和製横綱のプレッシャーがあったろうが、横綱での当初の張り切りようは語り草になる。この語り草の無理が、怪我の回復に至らず寿命を縮めてしまったことになる。

今場所初日から3連敗。3連敗の日には、負けると場内からため息とあんぐりと口をあいてしまった人の姿がテレビを通じて流れてきた。皆がっかりという雰囲気であった。

気力が充実していないというより、まるでないという感じであった。今勢いのある力士、例えば、御嶽海や貴景勝などは、年齢差があるかもしれないが、やる気がみなぎっている感じである。稀勢の里は元々あまり感情を態度に出さないきらいがあるが、今場所の気力のなさは明らかに気力がないとい言い方がいえるくらいである。3日目の前頭筆頭の栃煌山は横綱に勝ったとき、勝ってしまって何か悪いなあというような仕種が見られて同情していたくらいに見られた。初日の負けが尾を引いて立ち直れないでいるということになる。メンタル面で弱くなってしまったことが、相撲でなくしてしまったという感である。

技術面での負けの大きな要因は、フットワークのなさであるのではないか。足がついていかないというわけである。これは勝負に決定的である。場所前に、走り込むことはできないであろうが、もっと四股を踏むとか、横綱という立場上やりにくいのかもしれないが、ぶつかり稽古をしていたらどうであったのだろうかと、素人は思ってしまう。白鵬のように技が豊富になく、左四つ一筋であるので、そこを抑えられると動きがなくなるわけだ。皆に研究されていたことが分かる。

横綱であるから、親方もいろいろアドバイスするということがないのであろうが、メンタル面も含めて、練習不足で土俵に上がったとみてよいのではないか。やはり親方が強くいうべきであったろう。負けのビデオを研究して、どこがよくないかの検討することも必要であった。今や遅しになる。残念の一語である。

2億円のコンサル料を払ったJOCは情報不足ではなかったのか

オリンピック開催希望国のメンバーの贈賄を防ぐためにIOCの招致委員との接触が禁止されたことから、国際コンサルタントがオリンピック招致に活動することになったという経緯があるというわけだが、今度はコンサルタントがIOC招致委員と接触し、コンサルタントが贈収賄の橋渡しをするという事態になっているというのが、オリンピック招致における構図になっていると理解できる。

JOC招致委員会会長であった竹田恒和が、コンサルタントに支払ったのは贈賄でなく謝礼であると言ったところで、実際にはIOC招致委員が金を受け取ったことがはっきりすれば間接的であるにせよ、贈賄になると考えられるのは自然であろう。問題は、その行為が法律に反するかどうかになる。

フランスでは、金が振り込まれたといわれるIOC招致委員がフランス在住であるということで、収賄になり、日本側委員が贈賄になる。日本側のJOC招致委員会会長であった竹田恒和がフランスにおける贈賄罪と見なされるということになる。

JOCは依頼したコンサルタントに関する情報をどこまで集めたのか、支払った金額がコンサルタント料以上のものでなかったのか、その辺りを反省しなければならない。今から考えて不用意なところはなかったかを探る必要があろう。

JOC招致委員会会長であった竹田恒和には、贈賄でないと言う以上はその証拠をフランスは要求してくるだろう。つらい立場になっていることが分かる。金がIOC委員に渡るとは知らなかったという言い訳が通用するかどうか。JOC調査チームが作成した調査報告書では、やましい点はないと結論しているというが、その根拠は何か。フランスがその根拠に納得するかは、フランスのこれからの調査を見るしかない。

韓国大統領文在寅におちょくられる軍事力なき日本と言論統制をかける韓国メディア

1月10日に韓国大統領文在寅の新年の記者会見があり、テレビ放送でその一部が見られた。日本では、いわゆる「徴用工」の裁判結果とその後の新日鐵住金への差し押さえおよび韓国駆逐艦からの自衛隊機へのレーダー照射問題で韓国批判が高まっているが、韓国政府からは何らの応答がないままになっているなか、韓国大統領から何らかのコメントが出るものと期待されていたが、文在寅の演説は北朝鮮追随と韓国経済の雇用問題であった。演説の後の記者からの質問を受ける時間では、韓国記者からは、北朝鮮と経済問題で、大統領ヨイショの質問であったようだ。後半やっと日本のNHK記者が質問でき、いわゆる「徴用工」問題に関する文在寅の対応を質した。これに対して文在寅は質問そのものへの直接的は答えをせず、日本は謙虚になれと日本批判を行った。日本側が怒るのを見越しての言い様であったと察する。

文在寅にとっては、日本はかつてのような勢いがないと見ているのだろう。北朝鮮との民族統一が最優先課題で、左翼政権を主体とし、バックに中国を意識してから、日本には強く出られるという思いがあるのだろう。軍事的に攻められる心配は皆無であるから、その点では安全であり、経済面でもし日本が何かしらの制裁を加えるというなら、それは日本も損をするであろうから、制裁をしてこないという見通しをしているのであろう。なめてかかっているわけだ。日本には悪いのは日本だと言い、なにか言われてもだんまりを決めこんでおけば日本は静かになるという考えにしているのだろう。

日本もこのような質の悪いのには放っておけばよいわけだが、今回の差し押さえ手続きにはなにかしらの対策をしなければ、日本企業が損失を被ることになるゆえ、頑として日本の怖さを見せつけなければならない。韓国との協議や国際司法への働きかけが政府の対応手段と取りざたされているが、それは生易しいものと見られてよいのではないか。日本ができるパンチは経済制裁になるだろう。短期で効果が出るやり方を考えることである。

韓国大統領文在寅の記者会見でもう一つ気のついたことは、記者の質問がもの言えば唇寒しの風潮であることである。韓国では前政権の最高裁の判事が逮捕されるくらいなので、現政権に反発するのは逮捕につながると考えしまってよいようだ。韓国の新聞が日本批判しているのは、政権に特に反対する意見を言わないようにするためであろう。文在寅が北朝鮮に前のめりになっていること関しても韓国メディアが批判することが報じられていないのは、メディアが言論統制をおのずからかけている節があるように見える。文在寅が北朝鮮の影響をもろに受けているのだからやむを得ないことになるのだろうか。