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首相安倍に本道を外された自民党の憲法改正

2017-06-22 13:49:25 | 時事問題 政治
首相安倍が自民党の憲法改正推進本部がとろとろしているのに業を煮やして、とにかく自衛隊を憲法上明確に認知させたいという思いで、9条1項の戦争放棄と2項の戦力不保持はそのまま残して、新たに自衛隊の存在を明記する3項を付け加えるという提案を5月3日の憲法記念日の談話で発表した。改正も2020年に行いたいという期限の希望までつけた。

自民党の憲法改正推進本部は6月20日に幹部会を開き、自衛隊の存在を憲法に明記することについての本格的な議論を開始し、21日に全ての議員を対象にした全体会合も行い、幅広く意見を求め、年内に、党としての憲法改正の具体案をとりまとめたいとした。本部長の
保岡興治の考えは、首相安倍の提案に完全に沿うものであるように見受けられる。

首相安倍が5月3日に突如とした発表を行ったすぐ後で、元幹事長石破茂や憲法改正推進本部本部長代行船田元は、異論を唱えた。9条2項を変えるという、自衛隊のあるべき姿にするということとこれまで憲法改正推進本部が行ってきた議論と方向から逸脱するという理由であり、首相安倍の提案に対する異論の方が正論に聞こえた人が多かったと思う。首相安倍の提案には、憲法改正を強く言う人でも消極的賛成で、やむを得ないという意見である。それが今は異論が異論となるような気配で、首相安倍の提案が自民党案になる可能性さえ出てきているようである。

首相安倍は、憲法改正を憲法改正推進本部に任せておけば何とかなると思っていたのであろう。3分の2の多数がもてる間に改正すると、もっと強く憲法改正推進本部に伝えておいてよかったであろうが、首相安倍自身がとにかく忙しかった。米大統領トランプ、露大統領プーチンへの対応から、国会対応まで様々な考え事があった。5月の連休に入り憲法記念日に語ることのために少し考える間があったとき、思いついた提案であろうと察する。議論を正規のルートに乗せなかったところが首相安倍らしいと見られるかもしれないが、いきなりの記者発表は、ちょっと粗末な提案の仕方であった。提案は十分咀嚼されないまま歩き始めてしまった。

首相安倍の提案は、自衛隊という言葉を憲法に明記する、ということになると思う。自衛隊という語が憲法に明記されていなくとも自衛隊は今では十分認知されている。もし、学校の教師が自衛隊員の子供に違憲の子供という言い方をまだしているとしたら、それは教師によるいじめとして社会問題化できる時代になっている。したがって、憲法改正でははっきりと自衛隊の任務まで言及できるように、自民党案の9条2項を変えるという本道を進むべきなのである。

時間的に厳しくなっている今、憲法改正推進本部が自分たちの仕事に認められるためには、なんとしても総裁の意向に従う姿勢を見せることになったと見てとれる。首相安倍の提案はいびつである、と堂々と言える雰囲気でなくなっているとしたら、自民党がゆがんできたといわれてもやむを得ないだろう。

加計学園獣医学部新設問題は、岩盤規制を取り払うという官邸と従来の規制を維持したい文科省の喧嘩に見えるが、総理のご意向を汲んだ官邸が強く出すぎて文科省の強い反感を招いてしまったわけだ。憲法改正推進本部が総裁のご意向を強く受けて、首相安倍提案に沿う議論が中心になるなら、国会としてのまとまりがしにくい懸念がある。
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-06-22 17:38:26
何れにしても、安倍さんが、9条3項とか言ったおかげで議論が活性化されたならば、それはそれで良いんじゃないの。願わくば、条文案まで出来たところで、衆議院の解散総選挙をして自民党だけで3分の2を取って欲しい。

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