クールな生活

日々の雑感と意見

オバマはイラクにどう対処するか

2008-12-24 07:36:00 | 時事問題 政治
Change. Yes, he can.それはブッシュとの比較で言ったことである。ブッシュはアメリカに疲弊をもたらしたといってよい。世界にも混乱をくれた。それは9.11のアメリカを守るためであったのと復讐のためであった。正義のアメリカが復讐をするのか、と思うと同時に正義のアメリカだから復讐するのだという理解もあったと思う。イラク攻撃はやりすぎというのはブッシュも実は反省している。反省をする大統領など要らない。

ブッシュがイラクで靴をぶつけられ、無事かわしたというハプニングがあった。イラクで靴を投げられるという意味をブッシュは知らなかっただろう。かわして平然としたと思うくらいだったろう。アメリカの常識からいえば靴を脱ぐこと自身が恥ずかしいと思うはずだ。イラクでは侮辱は侮辱でも最大級の侮辱であるという。そのような文化の違いを見せ付けてくれた例は他にももっと多くあったろう。イラクの文化を知らずして、イラクを攻撃するのはともかくイラクを統治するというのは今なおおこがましい。

さてオバマはイラクに対してどんな行政をするか。世界はブッシュとの比較をアメリカ内政問題ではなく、世界をどう変えていくかという目で見る。外交がおそらくは難しい札であるオバマも、イラクをヒラリーの任せっきりにするというわけにはいかないだろう。ライスがイラクでも決然とできるのは、ブッシュが馬鹿でも、アメリカがイラクに対して軍事力と経済力で優位性をもっていたからである。ヒラリーが同様な振る舞いをするとは思わない。もっと目立ちたがるやり方をすることもあろう。ヒラリーが自分だけの考えで中東に行くことをしないように、オバマは戦争行政を自分の思想に照らしながら、世界が受け入れように進めなければならない。ヒラリーがそれに沿って動くならばオバマ体制は完璧と言えよう。

オバマはアフガンには兵力増強を計画した。イラクではオバマがアメリカ軍を撤退するものと思っているのが多いだろう。オバマがそれを覆すようであれば、オバマの考えの変化を明確にしなければならない。やはりアメリカ軍は撤退を考えていくべきであると思う。大統領に靴を投げられたということは、現在のみならず、これからのアメリカ政治当局もアメリカ国民も真剣に考えなければならないことである。
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派遣労働者を解雇して工場の生産は心配ないのか

2008-12-21 15:34:04 | 時事問題 政治
連日、派遣労働者解雇のニュースが流れる。経営の方は経費の削減であるから比例的に数字がよくなるとみてよい。一般に派遣費用は固定費の人件費ではなく、比例費で扱っている。経理上それで正しいのであろうが、原料などと同じ範疇にされるのはやられる方としてはいい気持は決してしない。利益を守るがために、経費を削減するというのは当然であるが、退職金の負担がないから派遣から解雇するというのは、考え方まで完全に比例費の頭である。人がものを作る、人が企業を作るという思想がどこかへすっ飛んでしまっているのではないか。

販売台数が少なくなるから生産も落とす。したがって生産に携わる人員はそれなりですむ。この考えは正しい。さて、余剰人員をどうするか。そこが経営の頭の使いどころであるはずである。日本の経営者はリスクを恐れ増員には慎重であったはずである。それが派遣法改正で仕事があれば採用し、仕事がなくなれば切ってよいという考えに飛びついた。

工場の生産実務担当者の話がメディアの話題にはならないが、ぶちあけていうなら、これまで何年か生産を安定させてきたのは派遣の力によるところは大きかったはずである。そして派遣が急に抜けるとこれまで実生産に関わらなかった者が担当しなければならない事態になってきているのではないか。少なくとも派遣がいなくなった当初は、生産効率が落ちるとみてよい。経営はそれをカバーできるとみて派遣を解雇するのであろう。また、工場実務担当は派遣が抜けたあとは自分らがカバーしなければならないと叱咤されて、自分が解雇されるよりはよいからという思いもあって、やむを得ず、経営の言いなるになるということであろう。

では、どうすればよいか。ワークシェアとサラリーシェアがある。生産数量も原資も限られているならある時期凌ぐことを考えるべきである。派遣は自社の社員でないからどうでもいいやという比例費の考えを、慈善のためではなく技術技能の継承を先々まで考える方向に変えることである。比例費の考えはやはり日本社会には受け入れがたい。なぜかというと、日本の労働市場ははアメリカのようにレイオフされたら次を探せばよいという労働環境ではまだないからである。今回の未曾有の不況はそんな議論をしている間がないよ、と言われるかもしれないが、派遣法改正のときにそのメリットとデメリット、実施の是非の議論がもっとほしかったわけで、それがなかったのであるから今からでも元の状態に戻して考え直す学習効果があってよい。

政府はメディアが今うるさく言っている派遣の解雇に対する目先の手当てに躍起のようだが、公共事業の立案、企業が売れるものを作っていく計画などに知恵を出すように仕向けることと、救済主体ではなく、労働の活用を幅広く提供する施策を入れるべきである。汚い、きついという仕事で手つかずの仕事でも今なら応募する人はいるだろう。弱みにつけこむという聞こえになろうが、それは割り切ってもらうことである。自分の目標をもって、自分に適した仕事を、などと今のご時世にそんなことハローワークで言う総理大臣にはさっさと退場してもらわなければならないが、総理大臣たるもの、優秀な官僚がもう少し日本をよくすることに無私の気持で取り組むように指示するくらいはしてほしいと思う。優秀な官僚なら必ずや何らかの解を見つけるはずである。
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渡辺喜美は笑えるけれど国民は笑えない

2008-12-11 22:00:44 | 時事問題 政治
渡辺喜美は、あの福田が行政改革をやるとした時は別にして、いつも笑っているけれども、そして今度も笑っているが、国民はいっこうに笑えない。事態は深刻なのだ。食えない人もいるのだ。麻生に言わせれば、金持ちは給付金を辞退すればよいのだ、というくらいの言い方だが、馬鹿ももうやめよ、という人もいなくなってきている。麻生はもう駄目なのだ。新聞からもいくら注意しても駄目になっている。折角総理大臣になったのだから立派な政治をしてほしかったのだが、駄目なんだなあ。なぜか?結局、本人の器もさることながら、参謀がいなかったということになろう。参謀を作らなかったことである。これが麻生の限界だろう。

麻生後継を選ぶ段階になっている。渡辺喜美が立つなら立てばよい。麻生よりはましだろう。それだけで十分である。そんな日本になっている。しかし、渡辺よ、あの「にやっ」とするのはやめよ。真剣さが乏しくなる。麻生と同じに見えてしまう。今、国民は渡辺のように笑えないのだ。渡辺は天下取りのもなる可能性があるから笑えるのであろうが、国民は明日をのみを考える人が大多数なのである。笑えないのである。自分が意図して真剣にならなくとも、真剣の顔つきになってしまうのだ。

雇用不安、それが一番大きいのだ。公務員もそのうち自分の事態が来れば分ってくるのであろうが、政治家にしろ、メディアにしろ、およそ雇用不安の現実から遠い人がいっぱしを言っている。政治家も選挙に落ちれば「失業」である。それが怖いから選挙をしないというのが今の自民党である。
渡辺はそこに真摯なまなざしを据えて国民に語りかけるとよい。国民が渡辺に期待することは官僚の天下りを廃止し、官僚の身勝手な税金浪費をやめさせることである。渡辺が「失うものは何もない」という気になって、真剣勝負の目付きを見せてくれれば、理解する人は増えるだろう。官僚の天下り機構をなくするだけでどれだけの税金が浮くか数字を出してくれると、日本経済の建て直しと日本政治の改革につながることが分りやすくなる。渡辺がそれをやれる人の一人ではないかと期待している人は多い。

渡辺が張り切れば官僚の失業が増えることになる?とんでもない。週に1回の出勤で、年収2千万円、女房の病気をみていますという「美談」の天下りに世間は同情するのだろうか?
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中川秀直「官僚国家の崩壊」を読む

2008-12-08 22:33:53 | 時事問題 政治
非常に真っ当なことを書いている本であるという印象である。明治維新以来官僚が日本国をリードしてきたが、その優秀な官僚らが自分らの都合のよいような天下り組織を作り出してきて、今や日本国を蝕めている。霞ヶ関主導から政治主導へ、中央集権から地方分権へ、官民の人材の流動化へ、明治維新以来の体制の変革をすすめる、これが中川秀直の主張であると理解する。官僚の特に各省庁の設置法が悪の元であるという指摘に十分説得力がある。こういうまともな人がこの本のように政治を行なって日本をリードしてくれると日本は大きく変わる。

中川秀直はこの間の自民党の総裁選で小池百合子を担いだ。なぜ?と思う。小池も官僚打破の考えだからであろう。ただ小池には中川がこの本で書いたようなことを整理して言えないのではないか。中川は自分が総理の器でないから同じ考え方をする小池を担いだと理解できる。しかし、小池なんぞを担がなくともよいのではないか、と思ってします。小泉に組したのも、竹中に賛同するのも同様な理由で、官僚政治をなくする思いからであったのだろう。結果的に小泉は官僚を御すことが出来なかった。竹中はアンチ官僚を明確にしたが、竹中の経済政策が日本のためになったかというと疑問の人が多い。脱官僚は安倍がやろうとした。福田も考慮した。結局、まだできていない。小沢ならやるだろうと思う人はいるだろう。

今、中川は日本をよくする運動を始める構えでいるとみる。超党派として、政党を跨いでの運動にしてよい。旧社会党を抱えている小沢民主党には、民主党内で無理がある。超党的に平成維新を説くメンバーで政界再編を狙うのは、真っ当である。中川と組めるのが小池でなく、もっと真っ当な人材がいればよいと願う。
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キヤノンの派遣労働者解雇

2008-12-06 16:34:39 | 時事問題 政治
2003年の派遣労働者に関する法改正で製造業にまで派遣が適用されることになった。経団連会長がトヨタの時代で内閣は橋本のときに審議が始まり小泉内閣のときから実行された。まさにトヨタ始め自動車会社のための法改正であったが、今やキヤノンも大いに恩恵を浴している。キヤノン会長の御手洗の性格の汚さはキヤノンを知る人は知っているはずである。特にキヤノン内部の人事では驚くような人選を行なったので泣かされた人が多い。イエスマンを侍らせたという言い方が当っている。それで会社が利益を出し、社会的に還元すれば被害はキヤノン内部の話だからよいわけだが、そうではないから汚さが目立つわけである。企業における社会的還元とは、利益を出して人を雇用するということが一番大きいことで重要である。この基本的な考えを、トヨタにしろ、キヤノン御手洗が理解していない点が社会に悪い影響を与えてくれる。蓋し、彼らは自分の在任中における収益しか考えず、それを実績として王国を作りたいということなのである。

御手洗はキヤノンの創始者の一人である御手洗さんと同じ九州出身で親族であるという。創始者の一人である御手洗さんは社員を使い捨てにするなどという考えなど微塵もなく、家庭を大事にしなさいと言って、時の進駐軍をもじって、GHQ(Go Home Quickly)運動を会社に展開し、残業せずに早く家に帰るように指導したという有名な話がある。キヤノンではしばらくそのような思想を受け継いでいたようだが、今の御手洗になってからは、昨年のホワイトカラー・イグゼンプションの法作りにみられるように、サービス残業は当たり前の考えになってきているようである。死者も出ていたくらいである。ホワイトカラー・イグゼンプションは流石に企業のためだけのものでひどいと、当時の首相の安倍のときであったが、幸いにも法律にならなかった。

今回派遣社員を切るという話が出ているのは大分キヤノンでキヤノン本体ではないから自分はあずかり知らぬと御手洗が言ったという報道があったが、まあ、その程度の人である。経団連会長には、徳も仁も不要ではあろうが、やはりトップに立つものの言葉ではない。キヤノンは以前宇都宮キヤノンでも派遣社員問題があったから、よくよく御手洗の思想を関連会社の幹部皆が忠実に実行していると理解できる。

大分キヤノンはカメラの生産会社で、金融危機の影響をもろに受けて今売上が急に悪くなったという業界ではない。これから影響を受けるであろうから、生産調整を始めようということであろう。今の切りやすい時期に実行しようとしたのであろう。雇用が社会的還元の最たるものであると考えたことがない人が社長をやっている会社であろう。

世の中には、派遣を是認する人もいる。好きなときに好きな仕事を選べるからいいんじゃない、という人である。しかし、今はその範囲を超えていることに注意しなければならない。御手洗やキヤノンの関連会社の社長にいろいろ言っても無駄であろう。法的な規制をかけることが解決につながるのであり、少なくとも派遣法を元に戻すことを真剣に国会審議していく必要がある。
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