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天晴れ!アメリカのユネスコ脱退

2017-10-16 13:49:54 | 時事問題 政治
10月13日の新聞に、アメリカがユネスコから脱退する通告をユネスコ事務総長にしたニュースが載っていた。ただし、正式に脱退するのは2018年の12月31日になるという。脱退の理由としては、ユネスコの反イスラエル的な姿勢を挙げている。ユネスコが7月にヨルダン川西岸にあるパレスチナ自治区のヘブロンの旧市街を世界危機遺産に登録することを決定したことにイスラエルが反発して、ユネスコへの拠出金を減じるとしていたことを受けて、アメリカはイスラエルに同調したわけである。イスラエルもユネスコを脱退する。

ヘブロンは、エルサレムの南約30キロメートルにあって、イスラエルでなく、パレスチナ暫定自治区にあるが、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の祖であるアブラハムの墓がある。特に、墓所のあるマクペラの洞穴は、ユダヤ教だけでなくイスラム教でも聖所とされており、建物の内部で二分されている。ヘブロンは、1967年の第三次中東戦争にてイスラエルに占領されたが、1997年のヘブロン合意により80%をパレスチナ自治政府の治安部隊が、20%をユダヤ教の入植地をイスラエル軍管理下に置くことになったが、ユダヤ教の入植者とパレスチナ人住民との間で、深刻な住民対立がいまなお続いている。このため国連安全保障理事会の勧告により、ヘブロン暫定国際監視団が設立され、監視が行われている。国際監視団をイスラエルも承認している。紛争が多い、非常に厄介な地域である。

その厄介な地域の世界遺産に際して、ユネスコは、ユダヤ教徒のものではなく、パレスチナの世界遺産として危機遺産リストに追加した、というのが、イスラエルのユネスコへの反発である。国連研究員の勉強不足と判断のよりどころをどこにすべきかが解かっていないために起こることである

イスラエルは昨年2016年にも、エルサレムの聖地に関する、パレスチナ・ヨルダンによるユネスコの委員会決議に反発している。ユネスコ決議の中で、ユダヤ人とエルサレムの聖域との間には結びつきがないとされ、エルサレムの聖地の呼び名がユダヤ名の「神殿の丘」でなく、イスラム名の「ハラム・アッシャリーフ」とだけ記載されたことを問題視している。こちらの方の問題では、イスラエルは、世界のイスラエル大使館を通じて、ユネスコ決議案の採択を阻止する動きをしている。

アメリカは1984年にも、政治的な偏向などを理由にユネスコを一時脱退し、2003年に復帰している。拠出金はずっとしていないと聞いている。

ユネスコの研究員のレベルが非常にお粗末であったことは、先だって日本における人権問題を調査した男の報告で、左巻き以外の多くの日本人は驚いたものであった。ユネスコの調査は、韓国がしきりに慰安婦問題を取り上げたり、中国の南京虐殺問題を真実化してしまったりする解釈にしても、一方的な偏った調査にしか基づいていないで決めていくという進め方で、日本には不満以外は何もなく、拠出金どころか、脱退しても構わないと思う人が少なからずいると思う。

ユネスコは教育文化機関だから、政治問題を生にしないというスタンスをもつという人がいるかもしれないが、それは間違いで、国連そのものが極めて政治的なものなのであるから、国際間の調整を行うという仕事がすべての機関に共通するものであるべきである。しかも調査研究者は、各国の拠出金で食わしてもらっているのだから、その有難みを示すに足るだけの公平さを求められているはずである。前事務総長は韓国人であった。そして、まさに「韓国の」という接頭語が付くくらいの韓国を思わんばかりの韓国寄りの男であった。事務総長からしてあんなのだったから、下部においてもさもあらんとは必ずしも言いたくないが、国連の機関にお灸をすえる必要はある。そんな意味でもアメリカの脱退は意味がある。日本も他山の石とすべしである。
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