クールな生活

日々の雑感と意見

神戸製鋼所のデータ改竄はなぜ放置されていたのか

2017-10-15 15:26:21 | 時事問題 社会
神戸製鋼所の検査データの改竄は、全く驚きである。いや、このところ、東芝の経理不正、日産自動車の検査の手抜きなど大手企業の不祥事が続いているから、またか、と思う人も多かったのではないか。しかし、神戸製鋼所の事件は、10年以上も続いていることで、副社長が組織ぐるみであることを言明しているくらいだから、なぜ?と思わされるものである。

推測ではあるが、ユーザーの仕様が厳しく、仕様を満足しない製品が出てきたとき、ユーザーに救済措置を求め、応じてもらった、その後、原因究明が進まないままになって対策をとらない状態が続き、その救済措置を社内で常態化させてしまった、という経緯ではないだろうか。この程度の仕様でもユーザーが使えたのだから、それでよいのだろうと、勝手な思い込みを会社ぐるみでしていたことになる。

それにしても。事業部が独立していながら、あちこちで改竄不正が出てきているのは、全社的に品質管理の思想が徹底していないためで、それはトップの認識のなさによるものであると断言できる。コベルコという子会社は、半導体関連の検査で、装置も技術も優れているものを有していて定評のある会社だが、そこでも不正があったとは、一体ユーザーは何を信ずればよいのかと、頭がこんがらかってしまう。

三菱自動車も設計が強く、品質管理部門が弱くて、品質管理が設計・製造に押しまくられていたようで、欠陥製品の出荷をなかなか改善できなかった。今は、日産自動車に吸収されて、品質管理面での改善が大いに期待されていた。ところが、その日産が検査員の資格でチョンボをやった。三菱自動車も日産はリコールで対応できる被害範囲であるが、神戸製鋼所の被害は、ちょっとやそっとのリコールなどまずできない。改竄データによる実被害が出ないことをひたすら祈るしかない。

品質管理の強化は、金を使う方だから、利益志向に反すると、経営は思いがちであるが、品質問題は経営を左右すると昔から言い伝えられている。それを知らずにいたのだろう、このような大問題を放置していたのは、トップの怠慢をいうしかない。社長、副社長、関係幹部の全員のパージが必要である。
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