音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

「在宅音楽療法」のこれから

2024-03-10 07:36:52 | 音楽療法実践
年度末になり、慌ただしく確定申告の準備をしながら資料を整理していると、
難病を患って在宅療養されているご自宅へ音楽療法に行くというプロジェクトの資料が
見つかって読み始めてしまいました

近畿一円で在宅音楽療法をすると共にプロジェクトとして発表又は論文にするという企画でした。
在宅難病患者さんへ訪問治療をしながら、希望があれば音楽療法も取り入れられている医師の
呼びかけでした。

奈良県内においても実施され音楽療法療法士として参加した時には本当に多くの学びがありました。
音楽療法士が国家資格ではなく、医療保険が使えない中でしたので、まだ在宅音楽療法は
広く実施されていませんでした。医師の研究プロジェクトとして実施されましたので
療法士にも報酬が出ましたが、現実は病院のサービスとして音楽療法を実施されていると
うかがいました。

その後年数が経ち、母の終末医療を在宅ですることを希望して、何日になるか分からない
泊まりがけの準備をして実家へ帰った2年前を思い出します。
私が弾いてきたピアノがあり、帰省する度に弾くと母は喜んでいました。
音楽が大好きだった母の希望で小学生の時から習ってきました。娘たちの演奏会があれば
京都や大阪までいつも来ていました。たとえ会話が難しくなっても、好きな音楽が流れ、
皆で共有するひと時を喜んでもらえている確信がありました。

去年の今頃にも高齢で外出が難しいお母様がクラシックが好きで生演奏を聞かせてあげたいという
ご家族の願いから、個人宅で小さな演奏会を企画しました。
リクエストにもお応えして心優しい穏やかなひと時でした

在宅音楽療法として、個人に寄り添ったその人ならではの音楽のひと時は家族にとっても
心に深く残り、私自身も未だにその時の幸福感を感じられています。

ピアノが無くても、アカペラの歌唱やバイオリン等の弦楽器、管楽器は持参できます。
ご希望に添うことは可能ですし、何とかコーディネーター役は出来るように
ネットワークを作っているところです。

音楽と言っても幅広く、個人のご希望に少しでもお応えできるように、私たち療法士が
広いアンテナを持って音楽交流を広げていければ、今後増えてくる在宅介護に音楽療法を
利用していただけるのではと考えています

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