音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

爽やかな季節の音楽療法で・・

2024-04-25 18:08:04 | 音楽療法実践
風薫る爽やかな季節になりました。
田舎へ帰る途中の山々の景色が新緑混じりでまさに「山笑う」姿で爽やかです。
大きな葛城山などは見惚れてしまいます

田舎の早朝は物静かな中で鳥の鳴き声が心地よい目覚めに誘ってくれます。
鳥が目の前で鳴いているような錯覚を覚えるほど、よく響きます。
小さな小川が多く流れていて、どこの川沿いにもスカンポがあるように思って
歩いてみると、そんなに簡単ではなく、半時間ほど歩いてやっと数本見つけました。

その日はスカンポを食べることにしていましたので、先ず外皮を剥いで鍋に入る長さに切り、
沸騰したお湯の火を止めて少ししたら、30秒ほど茹で、直ぐにザルにあげた後は氷水につけ、
3,4時間の間に何度か水を替えてあく抜きをしました。
水切りをしたスカンポをごま油で素早く炒め、甘辛く味付けをして出来上がりです。
ポリポリとした食感が残れば成功です。

今日は残りのスカンポを持参して、80才~100才までの女性が参加されている
グループホームへ行きました。
「どこかで見た事があるような・・」「スカンポ?」などの会話から、
実際にスカンポの切り口を笛にするととても驚かれました。
少し切って再度吹くと音程が変化して喜ばれました。

今は道の駅で売られていたり、実際に外食で一品として出されたり、思っている以上に
スカンポは旬の食材として使われています。
「スカンポの咲く頃」も歌いながら五感を通して豊かに感じていただきました。

来週は5月に入りますので、まさに風薫る爽やかな季節をご一緒に歌いました
「春の小川」「花」「丘を越えて」「高原列車は行く」「みかんの花咲く丘」「茶摘み」・・。
重度の認知症を患っておられる人は歌唱や楽器活動への参加は難しいですが、
職員さんに寄り添っていただき落ち着かれた参加となり感謝です。
ただ、今日は今まで歌われたことが無い一人の人が「丘を越えて」で口が動き、
歌詞と同じ口の動きで明らかに歌われており、本当に驚きました。

音楽療法をしていると幾度か「奇跡的なひと時」に出会うことがあります。
歌いながらですが職員さんに直ぐにお伝えして、動画を撮っていただきました。
次回ももう一度この歌を準備していくつもりです。

記憶に残る日になりました






クラシック専用「しらかわホール」の閉館を惜しむ

2024-04-20 13:33:55 | 音楽雑記
名古屋地下鉄伏見駅近くにあるクラシック専用の「三井住友海上しらかわホール」が
2024年2月29日をもって閉鎖されたというネットニュースを今朝見て驚きました。
幾度か演奏を楽しみに足を運んだ事が思い出されますが、30年の歴史の幕を閉じました。

コロナ禍で公演回数が半減し、集客減による赤字が続いたことが主な要因だという事ですが、
700弱の客席でソロやアンサンブル、オーケストラまで幅広く利用できることから
稼働率は高かったことも記してあります。利用者の評価が高かったことから、新たな管理者が
出ることを望まれています。

亡くなった母や友人と一緒だったことを懐かしく思い出し、道路を挟んで御園座があり、
「またお芝居も見に行きたいね」という母の声は昨日のようです。
素敵なホールだったので、いつだったかホールのHPを見ると
メッセージが書いてありました

・・・・・・
愛・感動・こころ
『音楽があるからほっとできる
    〃     慰められる
    〃     やさしくなれる
    〃     勇気がでる
    〃     希望がもてる
    〃     生きていける』

かたちのない音が、ひとのこころの中に確かな何かを刻むように
音楽ホールは音楽の力を信じお届けしたい  
音楽はわたしたちの中にいる
・・・・・・

そんな音楽の愛を届けるホールが閉鎖されたことは残念でなりません。
『音楽とは、作曲家と演奏家の心から発して、それが技を通して音楽となって、
空気中を響きとして伝わり、耳と身体を通して、聴き手の心に届いて何かが生じて、
はじめて音楽となるものだ、その全ての過程が音楽である。』
*「そこにはいつも、音楽と言葉があった」林田直樹.音楽之友社.2023
ホールの中の空間ならではの響きと聴き手の心に届く過程があると思います。

最近ある音楽ホールで演奏を聴いたときに、柔らかく優しい音色が作り出されている
ことを感じました。いつも身近に聴いている演奏の雰囲気も音色も‘その時、その場’で
感動していますが、やはりホールとして作られた音色には包まれた幸福感がありました。

売却されるとのことですが、多くの存続希望の署名も集まったようです。
「何とか続ける方法は無いのか・・・」
・・・多くの声が届きますように

一緒に感じたい‘ハーモニー’

2024-04-16 06:07:20 | 音楽療法実践
日の出前の散歩に出かけると、薄曇りではあるものの風も無く生暖かく、
蒸し暑ささえ感じました。
田舎の家の玄関先には今年もツバメが電線に止まりながら、人間の動向を観察して
鳴いています。今年も可愛い赤ちゃんの巣が見られることを願いながら・・。

散歩をしていると田にはれんげの花が一面に咲いており、れんげつもか花つもか~
のわらべ歌が浮かんできます。綺麗な球形をした大きなタンポポの綿毛も見事です。
多くの桜が葉桜になった中で、花が散らず緑の若葉が少しだけの桜が凛としてみえます。
花が重そうに垂れている満開の八重桜も、淡い黄色の花水木も爽やかな季節を感じます。

この季節の音楽療法には『花』(武島羽衣 作詞/滝廉太郎 作曲)をプランに入れますが、
本当は聞き馴染みのある前奏から三番までのハーモニーをじっくり聞きたいと思い、
ピアノ伴奏を入れてコーラスの人にお願いして練習を始めています
『花』は組歌‘四季’の中の一曲であると言われています。
‘春の小川’‘朧月夜’‘故郷’など多くの唱歌が小学校の教科書に掲載され伝承されていますが、
『花』は‘心の歌’として中学校の教科書に「日本の歌の美しさを味わおう」のメッセージと
ピアノ譜と共に4ページにわたって記されています。

一人では味わえないハーモニーや輪唱を‘その場にいる仲間とその時だけの空間’で
生演奏の音色と歌声(自分の声も)を全身で感じていただきたく準備をしています





スカンポ(酸模)の咲く頃

2024-04-09 10:39:11 | 音楽雑記
今年も楽しみなスカンポの季節がやってきました
昨年は4月18日に田舎へ帰る途中の野菜売り場で初めてみかけ、
その近くで採れる場所を見つけました。

今年は一作日の7日に田舎へ帰る途中に一本だけ見つけましたが、
採られた後が周囲に沢山みられたので、もう収穫時期だと焦りました。
翌早朝に散歩を兼ねて田舎の山へ歩く途中で数本採ることができました。
昨年より10日ほど早いのは桜の開花とは異なるのは、ここ数日の暑さから
なのでしょうか・・。

それにしても毎年ワクワクする気持ちは変わらず、「スカンポの咲く頃」の歌を
思わず口ずさみながら散歩を終えました。
大正14年「赤い鳥」で発表されたこの歌は、作詞:北原白秋、作曲:山田耕作です。

どてのすかんぽジャヴァざらさ ひるはほたるがねんねする 
ぼくらしょうがくじんじょうか けさもかよってまたもどる
すかんぽすかんぽ かわのふち なつがきたきた ドレミファソ
参照楽譜:世界音楽全集11 「日本童謡曲集」 酸模の咲くころ 昭和5年発行

毎年このブログにも書いていますが、私がこの曲を知ったのは田舎で住んでいた
義父母のお蔭です。 小学校帰りによくしがんだり、笛を鳴らしたり、水車であそんだり、
この歌があったことも教えてもらいました。
スカンポだけで豊かな遊びの風景や田舎らしい雰囲気が溢れて感じられます。

義父母との懐かしく楽しい思い出がスカンポの季節になると甦ってきます

溢れる春の音楽

2024-04-07 07:05:49 | 音楽雑記
田舎を後に奈良市内へ移動する車の中から満開の桜の景色をあちらこちらで
随分楽しむことが出来ましたが、実際に佐保川沿いの情報図書館へ来てみると
溢れんばかりの見事な桜並木に感歎の声が聞こえていました

佐保川へ降りてみると散り始めた花びらがひらりひらりと静かに落ちて、
川の流れに沿って花びらを追いかける子供たちの姿も微笑ましく和みました。

黄色い菜の花、色とりどりのチューリップ、白いスズランの花、椿の赤など
春の色彩が溢れています。
その色彩に合わせるように春らしい音楽の思い出が溢れてきます。

お琴やバイオリン演奏の「さくらさくら」、オカリナの「朧月夜」、
滝廉太郎さんの「花」のコーラスの声、せせらぎと共に「春の小川」
横浜の思い出「港が見える丘」、メンデルスゾーンの「春の歌」、・・

心の準備もなく口ずさめる春の音楽は豊かな気分にさせてもらえます。

春らしい音楽に身を任せて、今だけの穏やかな春を楽しみたいものです