音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

逢うは別れの始め

2009-03-31 19:49:14 | 音楽療法実践

今日は3月31日・・・今年度最後の日です

保健所を始め公的な仕事との関係でご縁があり、音楽療法に
ご理解をいただいた方々が、転勤により新しい年度を迎えられます

音楽療法の実践について、忌憚の無いご意見やご質問をいただいたこと、
いつも力強い後押しをいただき、同じ「視線」で目的を共有していた
「ひと時」は、大切な思い出と大きなエネルギーになりました

それぞれの未来に向かって進む「春の別れ」は、寂しい気持ちよりも
お互いにエールを送り合える「希望」に繋ぎたいと思っています。

今日の桜を添えて、お一人おひとりに心より感謝申しあげます





真摯な音楽療法士仲間

2009-03-30 23:43:41 | 音楽雑記
施設などへ訪問する形態の実践を継続している私たち音楽療法士は、
第5週目の日は調整などに使い、基本的に余裕があります。

今日はそんな仲間が勉強会のために集いました
2005年の集計では、40代~50代の音楽療法士の活動は
56%で、最も多いことが示されていました。
私たちもそこに属していますが、真摯な姿勢で実践を継続しながら、
学会や研究会などに参加している仲間たちです

お互いの情報を持ち寄って学び合う姿、自由闊達な意見交換から
より良い実践に繋ぐことを願っている姿を、客観的に見て
音楽療法の普及と療法士の社会的安定を望まずにはいられません

ご存知の通り、音楽療法士は未だ国家資格化には至っておりません。
日本音楽療法学会の理事長である日野原先生を始め、
多くの関係者が資格化に向けてご尽力いただいていますが、
私自身も需要が増えている中で、医療、介護保険として
利用できないことがバランスを欠いていると感じています。

今日集った真摯な仲間が、音楽のある「幸せなひと時」作りに、
実力を発揮できる社会になって欲しいと願うばかりです


大切な「音楽」の使われ方

2009-03-27 23:55:11 | 音楽雑記
音楽は番組や映画のテーマとして「顔」になることがあります。
テーマ曲が流れるとその番組などが始まる合図に繋がります。
施設へお訪ねすると、「鐘の鳴る丘」からとんがり帽子の主題歌として
懐かしがられ、ラジオ体操の始まりの音楽が流れると体操の準備をされます。

以前、大脳生理学の講義の中で、男性と女性の脳梁の太さが異なっている
ことを聞きました。女性はあれこれ段取りをしながら同時に二つ、
三つの内容をこなすことが可能ですが、男性は一つひとつの内容に
集中する特性があるという内容でした

その事と関係があるかどうかは分かりませんが、ラジオやテレビの
ニュースなどの時に、内容の背景として音楽が使われています。
高齢者の方が聞き取りにくいと言われることが多くあります。
私の場合もついつい音楽が気になってしまい、「この音楽を今
使っている理由は何だろう?」などと考えてしまっています・・・。

先ほどの一つのことに集中する「脳」の方や、聴力の弱い方には、
話と音楽の二つが苦痛になることもあるのではと想像しています。

もう一つは、「曲名」を伝えられて聞き入る態勢になった時に、他の情報が
入り、途中で終了してしまうことです。中途半端な音楽の使われ方が
「音楽好き」な私には、ずっと気になっていることなのですが・・・

一つの音楽をじっくり最後まで聴く「ゆとり」は、世の中が慌しい現代だから
こそ、心の栄養として大切なような気がしています

WBCの選手個人の応援ソング

2009-03-25 00:13:09 | 音楽雑記
昨日のWBCの決勝戦で、本当に日本は連覇を成し遂げました
私個人は応援音楽に興味が湧き、耳をそばだてていました。

民族的な国としての応援歌ではなく、個人の応援ソングとして、
イチローさんが2008年度の打席のテーマ曲に、
演歌の「天城越え」を選んだ話は有名です。
ポップスが主流な中、演歌を選択されたのがとても印象的でした。

特別バージョンでアメリカのロックギタリストが参加して
制作されたテーマ曲が「奮い立たせる気持ち」を担うという事実から、
「音楽は何?」の一つの答えになるのではと私は考えています

WBCの各選手がイヤホンで音楽を聴いている姿から
何がしかの「音楽」がリラックスしたり、応援ソングとして
役に立っていることが見えてきます

そんな一人ひとりの特有な「人生応援ソング」に寄り添いながら、
音楽療法を実践していきたいと思っています


神経学的音楽療法講習会のお知らせ

2009-03-24 16:05:17 | 研究関連
神経学的音楽療法の概要と実践に関する講習会が開催されます
申し込み不要ですので、当日参加の方は、以下をご覧ください。

********** お知らせ **********

●日時:4月4日(土)13時~17時
 講義テーマ:神経学的音楽療法概論 -研究の現状と臨床への適用-
 神経学的音楽療法の概要、および神経学的音楽療法に必要な脳についての
 基礎知識について講義してもらう。
 引き続いて神経学的疾患についての解説を踏まえ、歩行訓練に適した楽器
 のオートハーブを使用したセッションを考えている。
●日時:4月5日(日)10時~16時30分
 講義テーマ:実践!!神経学的音楽療法 -感覚運動領域-
 リズムによる歩行訓練(RAS)とは?、オートハーブの使い方ー運動
 学的作曲とは?ーについて具体的な事例検討を踏まえて講義してもらう。
講師:阿比留睦美先生
(認定音楽療法士・米国認定音楽療法士・美原記念病院リハビリテーション科)
会場:大阪音楽大学の教室ですが、正門からポスターで案内します。
参加費:学生1000円、社会人3000円/1日
    参加申し込み制度はとっていません。当日、直接おいでください。

♪美しき天然を愛でる

2009-03-23 23:49:24 | 音楽雑記
春告鳥(うぐいす)の囀りで目覚める朝は、
贅沢で至福なひと時です。
人類は、この美しき天然の「音楽」に癒され、それを
求め続けてきたのかもしれません。

穏やかな春の暖かさにつられて川沿いを散歩すると、
菜の花の黄色、咲いたばかりの桜の花の薄桃色
柳の緑など、色とりどりの花がおしゃべりをしているようでした。
「朧月夜」を小さく口ずさみ始め、「春の小川」「すみれの花咲く頃」・・・
♪鼻歌と共にゆっくり歩いて行きました。

軟らかな土の感触、川のせせらぎ、鳥の囀りなど、五感をとおして
春のシャワーを浴びているようでした。
帰り際に土筆を見つけて、春三昧のひと時になりました

帰宅してから土筆を小さな器に飾りながら、ふと「♪つくしが
でたよ もう春だ・・・」と口ずさんでいました。
そう言えば「つくしがでたよ」という歌がありました

季節感溢れる歌は、美しき天然を愛でながら生まれたのでしょうね


子どもと一緒に「音楽」で遊ぶ

2009-03-21 23:50:29 | 音楽療法実践
最近の新聞記事に「新生児にもリズム感」の見出しがありました。
生後間もない新生児にロックのリズムを聞かせ、途中でリズムを
乱したところ、電気的に測定した脳の活動に変化があったという
内容でした。既に認知研究として、赤ちゃんはお腹の中で母親の
心拍音を聞いてリズムを感じていることが分かっています

少し前までの発達研究は、顕著な成長を示す児童から青年期までが
主流でしたが、近年は胎児や乳児と老年に関する分野の研究が増加傾向にあり、
「生涯発達」研究として定着し始めています。

そんな中で、歌ったり、演奏したりする技術的な発達ではなく、
本来の「音を楽しむ」音楽の効果が注目され始めています。

日常の生活において、幼児が楽しみながら音楽を体験することが、
言語発達やコミュニケーションに役立つという内容です。
「楽しい遊び=音楽」から、理解や表現に繋がり、それを「共有する」
喜びが生まれていきます。

四季折々の暮らしの中で、季節の歌やふと口ずさんだ曲を途中で突然止めたり、
ある箇所だけを長く伸ばして歌ったり、速度を変化させたり、スキンシップしたり、・・・∞
遊び心満載の本来の「音楽」を子どもさんと大いに楽しんでください

*参考記事「朝日新聞、2009年3月20日」

WBCの応援音楽を楽しむ・パートⅡ

2009-03-19 12:57:27 | 音楽雑記
「音楽って何?」・・・このことがずっと頭から離れない日々を送っています

音楽療法の仕事では多様な分野の音楽に関わることになります。
今日の実践においては、民謡、童謡、唱歌、演歌、歌謡曲、
古謡の分野に亘り、年代も様々で、使用楽器も多様になります

多様な分野になりますが、共通することは「歌詞」に対する
比重が重く、それは表現豊かな「日本語」だからなのかもしれません。

民族音楽家のROBBIN LLOYDさんは「世界の音楽の中で西洋式の五線譜を
用いる音楽を主として楽しんでいる地域は世界の20%位しか無い」と
述べられており、リズム音楽を主として身体表現が自然に伴う
中南米の雰囲気は真似できない分、魅力的に感じてしまいます

隣国とは言え、明日対戦する韓国の太鼓も独自な魅力を発揮します。
ベネズエラの国の応援も観たいのですが・・・、果たして・・・


音楽療法のボランティアさんに感謝

2009-03-17 23:58:17 | 音楽療法実践
音楽療法の形態は様々です。
在宅訪問やお一人のベッドサイドから、数人の小集団、
そして30名以上の大集団まで・・・、目的や条件によって異なります。

ある大集団の実践施設では、6年継続して参加されている2名と、
2年継続されている1名のボランティアさんがおられます。

皆さんご自身音楽がお好きで、音楽を共有しながら「笑顔」に
出会えるこの時を楽しみにして下さっています

終了後のカンファレンスにも継続して参加いただいています
「皆さんの笑顔に会いに来て、元気をいただいています」
「元気なうちは少しでもお役に立てればと思って・・・」
「遠く離れて住んでいる母を想い、(母にも)こんな時間が
あれば幸せだろうと・・・、母への想いを持ちながら、
私はこちらで関わらせてもらっています」
「身体は随分弱られた方が、リズムを感じて参加される
姿に驚き、音楽の力はスゴイと思います」・・等等

音楽療法担当者と施設職員とボランティアさんの、
「参加される皆様のお幸せを願う気持ち」が共有された中で、
それぞれの役割の連携が見事に機能されている場になっていると思います
重要な役割を、皆様に寄り添いながら担っていただいています

ボランティアさんの姿から「感動」や「感謝」の心をいただき、
時には萎えそうになる私を後押しいただいています。

7年目もどうぞ宜しくお願いいたします

奈良の都に春・・

2009-03-15 22:48:34 | 音楽雑記
ここ奈良では、「お水取りが終らないと春は来ないから・・」と
時候の挨拶代わりとして「普通」に言葉を交わします。

悠久の昔から絶えることなく続いている、
東大寺二月堂の修二会(お水取り)の行が
今年で1258回を迎えて終わりました。
ようやく・・・「奈良の都に暖かな春」が来ます

10年近く前になりますが、初めて修二会の行の一つである
達陀(だったん)を深夜見に行きました。
ほら貝、錫杖、鈴がリズムを刻む中、松明を打ち振り、
引きずりながら練行衆が駆け回ります。
1250年を超え、遥か太古の世界へ入り込んでいきます

火の粉を浴びると無病息災のご利益があるといわれる
大松明の賑やかな風景とはまるで別世界です。
日本民族固有の音楽の起源だと聞いていたこともあり、
興味津々でしたが、そんな雑念も取り払われていました。

是非、一度は体感して欲しい「達陀」の世界です