音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

春爛漫を歌う♪

2018-03-31 08:22:04 | 音楽療法実践
例年より早い満開の桜
菜の花、朱木蓮、白木蓮、枝垂桜、チューリップ・・
春爛漫な季節を彩る景色に心が躍ります。

♪野崎参りは~屋形船でまいろ~
 どこを向いても 菜の花ざかり・・・♪

歌舞伎などで演目とされている『新版歌祭文』で
通称「お染久松物語」で有名です。
玉三郎さんと七之助さんの七変化も話題になりました。
昭和に入ってから野崎参りの人気に陰りが入り始め、
ご当地ソングとして野崎村と観光協会が作成したようです。

♪野崎小唄の歌詞を寝屋川の教師を長年務めていた
今中楓渓に依頼し、その後歌手を当時人気だった
東海林太郎に指名してポリドールに依頼したと記されています。
「ご当地ソング 風景百年史」溝尾良隆、原書房、2011)

江戸時代中頃から明治時代末頃まで歌詞のように
屋形船による野崎参りが人気だったようで、大阪から寝屋川まで
往復していた景色が詠まれています

ゆったりと歌うだけで、春爛漫な雰囲気を存分に
味わうことができ、体験しているように情景が浮かんできます。

春の歌は一年を通して最も多く、口ずさむだけでも
心が軽やかに、爽やかに、弾んでくるように感じます

お彼岸入りの頃の春

2018-03-20 22:09:52 | 音楽雑記
最寄りの駅は無人駅で、歩いていてもすれ違う人が
いないほどの田舎ですが、お彼岸の入りで行ってきました。

お墓参りまでの道にヨモギや土筆を見つけ、
遠くには梅や木蓮が見ごろになって景色を彩っています。
小さいけれど音響が抜群に良いトンネルを過ぎると
出迎えてくれたかのようにウグイスの鳴き声が・・。
偶然でしたが今春初めての体験で、思わず足を止めて
聞き惚れてしまいました。

実践ではウグイス笛を小物楽器の中に入れて
今の季節の歌に合わせて鳴らすことがありますが、
あの音色には到底かなわない・・。

日々の生活でふとした時に何気なく曲を口ずさんで
いることがよくあります。
時には何の歌なのか分からないこともあり、
突然、曲名を探す作業が始まることになります。

その日に口ずさんでいた歌は♪この道でした。
結果的には景色にも私の気分にも同調する曲でしたが、
何気なく口ずさんでから、いつも気がつくことになります。
自分の心に寄り添う音楽が自然と心から発して
くるように感じています。

久しぶりに‘ゆらぎのシャワー’を浴びてきました

選抜高校野球の音楽♪

2018-03-17 09:13:12 | 音楽雑記
球春到来!
この言葉を聞くだけで、ワクワクしてきます

今年は90回という区切りのある大会でもあり、
昨日の抽選会のニュースを聞いて楽しみが湧いています。

久しぶりに昨年甲子園へ行って応援してみると、
本当に温かい応援の拍手やエールの言葉や音楽を
感じて胸が何度も熱くなりました。

球場の広さもさることながら、球児の皆さんの全力の
プレーと応援席の温かさに心地良さを満喫しました。

7年前の東北大震災の後に開催された時は
「がんばろう!日本」を大会のスローガンとして、
東北高校の選手に大きな声援があったことを思い出します。
選手全員の家族が無事だったことで出場を決めたという
記事があり、様々な葛藤があったことも記されていました。

球場に響き渡る楽器の音色、リズム、歌声、メロディを
感じることも一体感を出せる音楽の特性です。
応援していると一緒になって手拍子や歌うことも
出来てしまうのは不思議な程です。

今年の応援はどのような音楽が奏でられるのか、
各高校によってどのような特徴があるのか、
年々異なる高校野球ならではの音楽も一つの楽しみになります

行ったことがない人も、野球に興味がない人も
是非一度、臨場感を味わってみませんか?

あれから七年

2018-03-11 17:18:21 | 音楽雑記
あれから・・・七年。

関西にいた私にも強烈な記憶として残っています。
阪神淡路大震災の記憶もまだ鮮明に残っている中でした。

三月でしたので、何かと行事の多い月でした。
大震災の翌日には日本音楽療法学会近畿学術大会があり、
事例研究発表時の座長の一人としての任務を初めて担うことで
緊張感がありました。
その翌々日には講師をしていた専門学校の修了式があり、
頑張って修了した学生の姿に涙しました。

その後に、音楽療法を担当していた施設の春の音楽会が
開催されました。年に一度の大きなイベントで、音楽会に向けて
様々なジャンルの音楽を一同に集めて楽しむ企画でした。
民謡、ヴァイオリン演奏、歌声喫茶、和太鼓演奏、等。

ただ、東日本大震災の発生で関係者の気持ちが揺らいでいました。
私自身も音楽で楽しいひと時を過ごしていて良いものかと悩んでいました。
そんな中で、予定されていた幼子を含む小学生が主体の和太鼓演奏の
担当者から、「子ども達から東北に向けてエールを送りたい」と
伝えられ、背中を押してもらいました。

可愛い盛りの子ども達の姿と一生懸命叩く和太鼓の音に
エールを貰ったのは担当者である私でした。
大きな声で「がんばれ東北!」と掛け声を入れた演奏でした。
今でもその姿を思い出すと涙ぐんできます。

被災された多くの音楽関係者から
しばらく音楽は出来なかったという声が届きました。
現地で音楽が関わることが出来るようになるまでには
随分時間を要したように聞いています。

音楽の役割は何なのか・・・
学会においても多くの議論が続きました。
その問いは、今でも続いています。