音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

心の安寧を願う音楽

2022-12-31 20:46:10 | ひとりごと
今は大衆音楽を皆で楽しむ時代では無くなりました。
年末になると多くの音楽番組が流れることになりますが、
一度に多分野の音楽を聞くと頭が混乱するように私は感じています。

多くの情報が溢れる中でも一人ひとりの好みは異なります。
多様性を重んじられる風潮ですが、音楽に関しては個人優先で良いと思います。
時には多分野の音楽を求める自分に沿うこともありますが、
贅沢で特別な時間として自分だけの居場所がある音楽に包まれることは
自分自身を大切にすることに繋がります

疲れていたり、気分転換を求めたり、何か不調を感じたりする時に
やはり好みの音楽のシャワーを心身ともに浴びることをお薦めします。
自分ひとりで口ずさむことも良いでしょうし、
自然の音に耳を傾けられる場所に身を置くことも良いと思います。

今年は我が家族も半数はコロナに感染しました。
そんな中でしたが、夏休み以来の年末に皆元気に一同に集うことが出来ました
カラオケに行きたいという希望がありましたが、まだ一抹の不安もあって取りやめました。

多忙に過ごした一年、世界の不安を感じた一年、安寧を願った一年・・・
身近な自然の音や色に心の安らぎを感じながら、
揺らぎの無い、凛とした人たちの平和を心から願ってやみません

弦楽四重奏の楽しみ

2022-12-28 20:01:54 | ひとりごと
現在の状況はコロナ禍社会における行動制限も緩やかになり、
音楽のライブ活動が盛んになってきました。
人数制限も無くなり、ドーム始め大きな会場でも盛り上がっているようです。

電気及び電子楽器とともに、大型スピーカーを何台も用いて参加者が
大好きな音楽が大会場で響きます。
大型花火、眩い照明も入って海外のショーで見てきたような
エンターテインメントとして最高の盛り上がりが続きます

華やかなライブも興味はありますが、行きたいと思うチケットを取得することは
中々難しく諦めてしまう現状です。
そんな中で、今年最後の演奏会へ行ってきました。
弦楽四重奏のライブでしたが、音響的な設備は何もなく、普段は行事などで
20名程が集う場所です。
そこで、ヴァイオリンとヴィオラとチェロの弦楽器だけの生音の四重奏です

こじんまりとした部屋で穏やかな雰囲気に包まれ、それぞれの弦楽器の
奏でるメロディが響きあい、まさに弦楽器だけの音楽シャワーを浴びている
心地良さに浸りました。
モーツァルトが1785年に作曲し、ハイドンに献呈されたといわれる
いわゆるハイドンセットの一曲が演奏会のメインでした。

2年前にべートーベンの生誕250年としてのニュースで流れていましたが、
身近な義母が100才を祝ってもらった長寿でしたので、モーツァルトの生誕266年は
日本では明治時代でもあり、歴史が身近に感じられました。
そんな想いを巡らせながら弦楽四重奏の演奏を楽しみ、本日は年末のお墓参りに
行ってきました。

生(なま)の声だけの歌、アコースティックな楽器の音色、自然界にある多様な音・・
冬の風情に合っていると感じています

口ずさむ音楽♬

2022-12-25 06:51:59 | ひとりごと
とうとう寒波が来て、奈良では珍しい雪景色の山々を堪能しました
昨年のクリスマスは、施設で過ごしていた母を在宅で看ることを決心し、
具体的に正月の5日から実家へ長期で行くことを決めた日でした。

その後の手帳日記には目まぐるしい程の日々の状況と心情が書き込まれています。
コロナ禍の中で面会が難しくなり、母の状態も気になる日々の中で、夏頃から
在宅でいつも傍で看られることを望み、家族で話し合ってきました。
そんな中で在宅介護が決定された昨年のクリスマスは覚悟と安堵の気持ちでした。

大好きな音楽が流れ、返事は無くてもいつも傍にいて声をかけられることは
楽しみでもありました。やっと家族らしい時間が送れるという想いでした

音楽は聴くだけではなく、長い時間も設備も無い中でもたった一人で口ずさむことが
出来ます。出来る、というより自然にふと口ずさんでいる時があります。
自分が思ってもいない歌やメロディを突然口ずさんでいることがあり、我が身でも驚きます。

母の傍では母から伝え聞いてきた‘母の思い出の曲’を口ずさむことができます。
小学校高学年に初めて買ってもらった実家のピアノを弾いて感謝を伝えることもできます。
母が過ごしてきた96年に想いを寄せられることの幸せを感じました。

思い起こせば、16年前には極小で産まれて医療機器で身体いっぱいケアされていた
赤ちゃんへの面会がたった一度だけ許され、私が選択した日はクリスマスでした。
クリスマスプレゼントとしての貴重な面会でそっと口ずさんだことを思い出しました

いつでも口ずさむことが出来る音楽は心を軽くしたり、自分への気付きもあったり、
思っている以上に良いものです。
掃除の時、料理の時、お風呂の時、散歩の時、・・・等々
気楽に口ずさんでみませんか?

心理療法としての音楽利用

2022-12-18 07:42:30 | 音楽療法実践
凛とした寒さの中でしたが、まだ肌に突き刺す感じはなく
程よく気持ちの良い早朝散歩が出来ました。

今年も認知症を患っている人が生活しているグループホームや難病を患いながらも日常生活を
送られている人の集いに音楽療法のひと時として関わらせていただきました
実践をする時も終えた時も、常に‘これで良かったのか’という自問自答する時間があります。
音楽療法士の資格を取得する時に、心理療法としての研修合宿に参加しました。
個人発表した時に私が実践している内容に対する多くの質問が今でも心に残っています。

「なぜその音楽を選択したのですか?」
「なぜその進行にしたのですか?」
「参加されている人はどのような気持ちだと思いますか?」
「選択した曲は誰に、どのように届くと思いますか?」等々・・・

音楽療法士自らがプランと進行を準備しながらも当日の雰囲気や
参加者の状態を確認しながら、随時臨機応変に対応できることが求められます。
私一人では確認できない効果もあることから、参加者同士の客観的な評価が
必要になります。目に見える効果としては徐々に声が出てきて、表情や姿勢の変化、
交流のスムーズさを確認することがあります。


音楽療法を終えた時に、
「進行は良かったのか?」「気になったことは無いのか?」
「総合的にコミュニケーションはとれたのか?」「時間の配分は良かったのか?」
常に省察をしながらも、対象者始め、職員さんや関係者の皆様から
お言葉をいただくことで継続されています。

音楽療法当事者である私意外の‘他者’からの言動によって活動が活かされ、
継続につながっていると感じながら、感謝する年末です

FIFA World Cup 公式ソング

2022-12-12 07:50:48 | 音楽雑記
日本においてもサッカー熱が上昇していますが、音楽に関連して目を向けると、
史上初のFIFAワールドカップの公式サウンドトラックが発売されています。
音楽とサッカーという世界共通語を融合させたサウンドトラックを制作しました

アラブ音楽の特徴を感じられるメロディとパーカッションはとても楽しいです。
FIFA World Cup 2022 Soundtrack  ♪「Dreamers」
FIFA World Cup 2022 公式関連楽曲 ♪「Tukoh Taka」
FIFAワールドカップ世界共通公式曲 ♪「Hayya Hayya(Better Together)」他。

テーマソングを通して音楽とサッカーを融合する挑戦をしています。
歌詞の意味もネットで紹介されており、YouTubeで動画も見ることが出来ますが、
先ずは目を閉じて歌声とメロディとパーカッションの音楽だけをお楽しみいただき、
その中東の雰囲気を存分に楽しく味わっていただけたらと思います

数秒でアラブ音楽を表す「♭シ+レ+♭ミ+レ」の導入メロディも凄いです。
奏でている弦楽器とパーカッションの種類も地域の特徴になります。
日本で言うとヨナ抜き音階の特徴を示すのと同様ですが、あらためて音の選択と
つなぎだけで世界の地域の特徴を表すことに驚くと同時に楽しく感じてます

パーキンソン病患者・家族会のクリスマス会

2022-12-08 21:30:16 | 音楽療法実践
リスクが高い難病(パーキンソン病)患者さんとご家族を対象にする
音楽療法の開催に悩みは尽きません。
支援活動として23年目の活動に入って初めての音楽療法の会ですが、
その実施に悩みながらも、時間短縮をすることで開催することになりました

奈良県のコロナ感染者数でいえば、3月の1300人超えで春からの活動が制限され、
5月と6月は減少が続いて一旦は落ち着いてきましたが、7月と8月は2000人超えが続き、
9月始めの1600人超えで、秋の音楽療法は中止になりました。

今回も先週1300人超えたために話し合って、時間短縮のクリスマス会を
実施しました。12月のクリスマス会はやはり特別です。
ライトが点滅するツリーの華やかさとクリスマスの音楽は特別な雰囲気があり、
一年の終わりの集いとして開催したい気持ちが溢れます

音楽室は換気が出来ず、風通しが悪いので2台の空気清浄機を使用して
一つだけのドアを開放しながら、1時間半を40分の短縮バージョンにしました。
リスクが高い皆様をお迎えすることで気遣うことは尽きません。

ただ、やはり皆様にとっては会える場所が貴重であり、大切にされていることが
伝わってきました。難病を患った気持ちは当事者でなければ分かりません。
ご家族の気持ちもお互いに交流してこそ伝わり、共有されていました。
久し振りに会える場所として音楽が関われることは素敵なことだと思いました

クリスマス会だけに使用する華やかな音色のスレイベルですが、スズの数や実際の重さを
感じてもらい、ツリーチャイムは‘星に願いを’の曲に音色を添えていただきました
‘きよしこの夜’ではミュージックベルの和音奏を楽しみながら歌いました。

交流する場においても、歩行と会話が不自由なくされることは難しい場合が多く、
ただ寄り添って見つめ合い、手を取り合ったり、肩に手を添えたりされる中で
久し振りの再会に涙される姿もあり、短い時間でも開催する意味があることを
痛感しました。

「会えない辛さ」に対してコロナ禍の社会は心暖かく関わることが難しいのが
現状です。何の気遣いもなく、笑顔の交流が出来る日を願うばかりです