音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

94才の母との交流

2020-05-31 14:33:32 | ひとりごと
季節の良いこの時期に本来は奈良へ遊びに来てもらいたいのですが、
遠く離れて住んでいる94才の母から今は電話をかけてもらいます
私からかける時もありますが、敢えて1人で電話がかけられるかどうか、
会話の内容は大丈夫かなどを確認しながらの会話になります。
ただ、長期記憶は残ることが多いので認知症を患っていても
娘への電話は可能なことが多いと理解しています。

さらに、家用の固定電話にはややこしい所から多くかかってくるので
留守電の案内が聞こえたら切らないで話し続けて欲しいと伝えてあります。
なので、母は「もしもし私です。変わりはないですか?」と話し始めます。
その声を確認して私が出ると、自分の近況や社会の話などをしてくれます。
最近は私の方が昔のことについて聞きたいことが増えてきましたので、
色々と尋ねながらゆっくり話を聞く体制に整えます。
母は時々弱音を吐きながらも、「もう少し頑張らないとね」と言います。

先日は「昨日コンビニへ行ったら、偶然〇〇ちゃんに会ったよ」と。
私の同級生に声をかけてもらったようで、「元気そうだったよ」とも。
その時の会話で誰と一緒だったこと、年賀状のこと、同窓会のこと・・・。
母はまだしっかりして大丈夫なことを確認します。

94才は高齢ですが、2050年には女性の平均寿命が90才を超えることを
伝えると笑っていました。「それでは年寄りも大変だね~」と。
平均寿命について調べてみると、
1950年では男性は58才、女性は61,5才だったのですが、
今年2020年の予想では男性は80,93才、女性は87,65才と伸び続けています。

日本総人口のピークだった2004年の高齢化率は19,6%ですが、
2030年の予想では31,8%になり、現在と同じく超高齢社会です。

認知症のリスク要因の1つに年齢も入ります。
母が伝えたいこと、私が聞きたいことの双方向の時間として大切にしながら、
少しでも元気な高齢者として長生きして欲しいと願います

アルツハイマー病は40才代から・・?

2020-05-29 20:48:13 | 研究関連
2025年では団塊の世代が75才以上になるので
人口の3人に1人が高齢者(65才以上)であり、
さらに5人に1人が認知症を患うと推測されています。

認知症の60%前後がアルツハイマー病であり、未だに確率された
治療法はありませんが、原因のアミロイドβの蓄積は認知症を
患う20年~25年前から始まっているという説が有力です。

今やアルツハイマー病研究の定説になっているようで驚きです。
例えば、70才に患ったとすると、45才頃からアミロイドβの蓄積が
始まっていることになります。

介護保険の負担は第1号被保険者の65才以上と第2被保険者の40才以上
が担っていますが、40才以上の年齢はちょうどアミロイドβの蓄積が
始まる年齢でもあります。

その予防は生活習慣病と同じだと言われています。
〇運動 〇食事 〇睡眠 〇社会的交流 〇趣味及び日常生活活動
それぞれの研究もされていますが、肥満、喫煙、高血圧は危険因子になります。

働き盛りの40才代の運動は難しいかもしれませんが、
通勤の人はひと駅分を歩くことを心掛け、階段は無料のジムだと思って
積極的に利用すると良いそうです。

健康維持に気をつけることは良いことばかりで、悪いことは何もありません。
楽しく取り組みながら、自分らしい趣味嗜好を大切にして
ストレスを少なくしていけたら良いですね

ラジコ(radiko)の活用♪

2020-05-27 07:06:02 | ひとりごと
今朝は雨は止んでいるものの、道路が湿って車の音が静かです。
久し振りに太陽の目覚ましがなく、ゆっくり起きてBGMをかけようと思い、
村上RADIO「明るいあしたを迎えるための音楽」をラジコで聴きました

ご存知だと思いますが、ラジコは一週間以内限定で再聴できます。
先週の22日が放送日だったようなので、明日が期限になります。
「ステイホームスペシャル」と題して特別な放送だったようですが、
村上春樹さんの落ち着いた声のトーンと幅広い分野の音楽を
ご自身で選択しながら、特別な今の現状やリスナーの質問に
優しく寄り添って話されていてとても心地よいひと時になりました。

ミュージカル音楽からジャズ、ポップス、クラシックまでの音楽を
ステイホームということで、ご自分の部屋からの音源で流されており
この時期ならではの貴重な機会になったかと思います。
私自身もあまり聴いたことがない音源もあり、興味深かったです。
歌詞についても丁寧な解説があり、多くの人が前をむく気持ちになられたことでしょう。
悪いことばかりでは無いですね・・

ラジコで聴く時間が無いという人は、「村上RADIO」のHPで
音楽や進行内容が記載されていますので、ほんわかとした絵と共にお楽しみください。










やっと会える・・

2020-05-24 06:10:42 | ひとりごと
関西の緊急事態宣言が解除されました

3月の終わりに帯状疱疹にかかって自宅療養してから
ほぼ2か月経ちますが、こんなに誰とも会えなくなるとは
その時には思ってもいませんでした。

4月からはちょうど研究生活に入り、オンラインゼミや電子図書館利用で
個人的には多忙になっていたところでした。
勿論、音楽療法の実践は三蜜になりますので、全て中止になり、
パーキンソン病患者・家族会のボランティア活動も目途がたっていません・・。

ただ、新緑の爽やかな季節の時で気持ちとしはとても助かりました。
6時には太陽の明るさで活力をもらってゆっくり目覚め、
田舎の畑に植える苗に陽をあて水をあげるという、種からの苗作りを初体験しました。
可愛い芽が出てから畑に植えるまでの成長は一つひとつ異なり、
それぞれの個性に対する愛おしさも感じました

先週田舎へ帰った時、庭に一輪のバラが咲いており、この季節にバラ園に行ったこと、
バラにまつわる音楽を皆さんとご一緒に楽しんだことなどが懐かしく思い出されました

家族内では4か所を繋ぐオンラインおしゃべり会を楽しむことは出来ていましたが、
やはり直接会って話せる幸せな空気感を肌でじっくり感じたいと思います。

この2か月間会えていない人にそろそろ会える機会があるようで、
三蜜を避けることを心掛けながら久しぶりのひと時を味わいたいと思います


VRを用いたオランダの介護施設「Hogeweyk」

2020-05-21 17:23:27 | 研究関連
認知症に関するフリー課題を読んでいる中で、‘Hogeweyk approach’という
聞きなれない言葉があり、ネットで調べてみると以下の記事がありました。
因みに、「TED TALK」では 2018年にイヴォンヌさんが紹介しています。

VRの「いま」を掘り出すニュースメディア『MoguraVR』 2019.01.07の記事を紹介します。

『認知症高齢者のQOLを高めるVRセラピー』
松村雅代さん : (株)BiPSEE代表取締役。心療内科医。

VRを活用した回想法で、認知症高齢者のQOLと尊厳を高める
英国の医療VR企業Virtueによる、「LookBack」というVRを用いた
回想療法(Reminiscence Therapy)についての報告です。

回想療法とは、積極的に過去を想起して語るように促すことで心理的な効果を導くアプローチ。
欧米を中心として、高齢者の医療や福祉、介護などの場面で広く実践されています。
「LookBack」では、独自の回想療法とその効果で注目を集めている
オランダの介護施設Hogeweyk(通称「認知症村/Dementia Village」)
のエッセンスをVRで実現しています。

Hogeweykは認知症患者のみが生活している施設で、究極の回想療法が実践されています。
高齢者に馴染み深い昔の街並みや生活環境がデザインされ、
認知症患者の記憶を刺激し、認知機能の回復や維持、精神面での安定を実現。
店主など日常サービスを提供するのは全て介護スタッフです。
認知症患者のアイデンティティや尊厳を維持できるアプローチとして賞賛されていますが、
同様のプロジェクト実現に必要な資金・人材・ノウハウ・時間が
大きなハードルとなっていました。

「LookBack」はVRによる没入感を活用し、Hogeweykのエッセンスを
誰もが享受できるようにした画期的なサービスです。
2019年1月現在、Virtue社は小規模な試験導入を行っており、
英国のNHSが長期間の大規模な試験導入を行う予定となっています。
また、米国でも試験導入が予定されています。
高齢化のスピードが加速する日本でも、極めてニーズの高いサービスであると考えます。



認知症を患っている人の人生歴

2020-05-16 06:12:43 | 研究関連
義母が認知症を患っている時にお世話になる医療や介護の関係者に、
簡潔にまとめた一枚の人生歴をお渡ししてきました。
今、現在目の前にいる本人とともに、人生歴をご理解いただきながら
コミュニケーションをとって寄り添って欲しいとの願いからです。

認知症を患っている人の人生丸ごとを紐解きながら、
寄り添っていくという関わり方を大切にしていきたいです。
長年携わってきた仕事、楽しんできた趣味、個人のこだわりの嗜好・・
本人が思い出せない時や語れない時は家族がアルバムや日記、メモなどを
介してまとめてみることをお勧めします。
その時間が介護者自身にも寄り添うことになり、癒される時間にもなります。

長い人生で培ってきた豊富な人生経験についても、じっくり話を聞く時間は
実際そんなに多くはないように思います。
本人が今も楽しめる趣味に寄り添える時間があれば、安寧とともに
ご本人の活力に繋がります。

義母は長年短歌を嗜んできたので、本やノートは数えきれないほどありましたので
認知症を患ってきてからも、私からお願いして詠んでもらったことを思い出します。
遠く離れて住んでいる実父も認知症を患っていましたが、
麻雀を楽しめるデイ・サービスが見つかり、喜んで通っていました。

私個人も音楽療法士として多くの思い出があります
会話は難しくコミュニケーションをとることはありませんでしたが、
素晴らしいピアノ演奏を披露してくださった人。
ご本人の気が向くままに演奏が始まるので、それなりの緊張感とともに
いつもお会いできるのを楽しみにしていました。

お稽古用の三味線を母から譲ってもらい、下手ながら持参して
調弦を始めた時に、「しゃみの音がする・・」と話された人。
お渡しすると直ぐに軽やかに弾かれました。

既に、記憶の研究では「手続き記憶」として長年記述が残っており、
再生可能であることが分かっています。
料理や裁縫、畑仕事、趣味などで熟練の技を持たれている人も
多いことから、サポートする人が指導を受ける側になってコミュニケーションを
取れるとご本人にとっても居心地の良い時間と居場所になります。

「認知症、記憶、音楽」というキーワードで研究を再び始めている中で
資料のSpringer Nature Limited(2018)の記事に、
『・・未だ有効な治療法は確立されていない中で、
研究者と臨床医は全人的なアプローチを検討します・・
認知症の人は、豊富な人生経験を持つ人であり、
当面は、医療モデルを脇に置き、認知症という病気ではなく
本人の人生や興味に目を向けながらサポートする必要があります・・(意訳)』

個人的な介護の経験からも全人的なサポートを受けられることは
長いマラソンで伴走者にいつも寄り添ってもらえているという
安心感と前向きな気力に繋がります。

先が明確に見えないだけに、本人と介護者の「今」を大切にしながら・・




連休になると・・

2020-05-08 09:56:19 | ひとりごと
4月の終わりから5月の始めの清々しい季節の連休になると
義父の事が思い出されます

筍堀りを家族で楽しんで帰ってきたら、義父が少ししんどいからと
ベッドに寝ていて、すぐに熱を測ったら高くて病院へ電話しましたが、
あいにく連休でかかりつけ医の病院も休みになっており、
救急車をお願いして入院しました。
肺炎になっており、2週間後にはお別れすることになってしまいました。

義父が90歳の頃は持病の薬は飲んでいましたが、畑に足を運びながら、
クロスワードパズルやテレビのスポーツ観戦を楽しみに生活をしていました。
田舎の小さな集落で最高齢の夫婦が仲良く散歩し、途中で休憩して
おしゃべりする姿は微笑ましく、ご近所の方からもよく声をかけて貰っていました。

その後、義母が認知症を患い始めると徐々に散歩は難しくなり、
今までの会話のひと時も内容がすれ違うことが多くなり、
怒りっぽくなってきたことから、義父の不安が増していたと思います。
仲良くベッドを並べて寝ていましたが、夜中のトイレの回数が増えてきて
別々の部屋で寝ることにしました。
長年の夫婦感覚なのか義母はすぐに夫が気になって覗きにいき、
頻繁に声をかけることもありましたが、70年近くも一緒に暮らしてきましたので
無理もありません。

私が羨むほど仲の良い夫婦でしたが、亡くなってから更に認知症が進んでいくと
義父の話題が殆ど出てこなくなり、自分の幼い頃の家族の話をよくするようになりました。
勿論、嫁の私のことは理解していなかったように思います。
ただ、お世話をすると、「優しい人で嬉しいわぁ」と笑顔で話しかけ、
持ち前のコミュニケーション力に感心し、私も見習えればと思いました。

文字を読むことは出来ていましたので、好きだった短歌を見せたり、
歌詞を見て一緒に歌うことをとても楽しみました

認知症の症状は個別性がとても高く、その人に合わせた介護力が必要になり、
家族同士の話し合いや関係者の方からのアドバイスや援助を受けて
出来ることを悩みながらするしかありませんでした。
認知症の人との関わり方をテレビや講演、講習会などで聞いていましたが、
日々の介護の生活の中では思うようにいかないことの方が多く、
夜中の介助を入れると睡眠もままならなくなり、今思えば家族内で常に話し合いながら
共有できていたことが一番の助けになったかもしれません。

認知症専門家のお一人が「個人的にですが、介護度3以上で
認知症を患っている人を一人で介護する自信はありません」と。
その時の私にとっては共有の言葉でもあり、少し安堵したことを思い出します。

一人で介護をされている方への援助は生活に関わる技術だけではなく、
頻繁に話を聞いて共有してもらうことが大切なのではと感じています。
田舎へ帰ると仲良かった二人の写真が並んでいます。











世界をつなぐ「遠隔音楽療法」♪

2020-05-04 15:01:45 | 研究関連
社会状況は一変していますが、新緑による清々しさ溢れる景色は
深呼吸を誘い心休ませてくれます

連休のフリー課題に取り組みながら、認知症研究の論文検索をしていて見つけました
『遠隔音楽療法の現在、そして将来 
 ~世界中の認知症高齢者に音楽療法を届けるために~』
   小杉尚子、児玉直樹、相川直子、當山房子
*日本認知症予防学会誌 Vol.9 No.2,2019*

この時期なので我が家の交流もリモートおしゃべり会で賑やかですが、
学会からのメールなどでオンラインレッスンの話題も上がっており
タイムリーな論文をワクワクして読みました。
勿論、現代の情報通信技術の著しい進化もあってのことですが、
時差のある外国と日本で共有された音楽療法のひと時を
楽しさ、緊張感、好奇心、不思議な感覚とともに想像しながら楽しみました

時差7時間ほどのドイツの友人ともメールのやり取りをしていますが、
そのうちにリモート飲み会になるかもしれません
改めて時代の移り変わりのスピードに驚くばかりです。

この論文は自由閲覧できますので、興味のある人は是非
通信技術の内容も記してあります。

新緑の頃

2020-05-01 14:12:20 | ひとりごと
新緑の爽やかさと晴れやかなお天気に心が癒されます

奈良公園で昨日鹿の赤ちゃんが誕生したというニュースが届きました。
4,200グラムの体重だったと言うことですが、近年で最も早い誕生だったようです。
昨年は5月7日で3,000グラムでしたから、早くて大きいです。
毎年5月の連休の頃になると小鹿誕生のニュースを心待ちにしており
小鹿のバンビをプログラムの中に入れていました。

さらに、暖冬から続く影響だったからかもしれませんが、
田舎の畑の隅で初めてスカンポ(イタドリ)を見つけました。
亡くなった義父から教えてもらって神社へ取りに行っていたのに
まさか目の前のいつもの畑で見つかるなんて・・・本当に驚きました
全部で7,8本は採れたので、リモートおしゃべり会で孫たちに見せながら、
笛として吹いたり、裂いてかじったり・・・
スカンポの咲く頃は義母から教えてもらいました。

懐かしい田舎のこの家でいろいろ教えてもらったことを思い出します。

新緑の頃の心軽くなる歌が沢山ありますので、口ずさみながら・・