ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

アルティザン

2014-02-11 19:12:14 | アート・文化

アルティザンの世界に惹かれます。アルティザンとは、フランス語で職人のこと。 フランスやイタリアには、まだまだ古来からの職人がいるらしく、その映像を見ることがありますが、いつも「素晴らしいなあ」とため息をつくことに。

フランスの職人といえば、いせひでこさんの名作絵本「ルリユールおじさん」が浮かびますね。ルリユール--本の装丁家のことですが、老いたルリユールおじさんと一人の少女のふれあいを描いた佳品です。 ルリユールおじさんが死んだ後も、彼が作り上げた美しい本は、女の子のもとに残り続け、ある意味、永遠に生き続けるということに。羊皮紙に革表紙という重厚な本は、愛書家なら、一度は憧れたことがあるのでは? 今でも、貴族の図書室や修道院の図書館にぎっしり並ぶ、そうした本たちはみな「ルリユール」と呼ばれる人たちが作ったものなのですね。

イタリアでは、ナポリで見たカメオづくりの作業風景が思い出されます。カメオという至高の貝細工は、熟練した腕と高度な技術を持って、はじめて美しい装飾品となるわけだけれど、職人さんたちの働く工房は、質素で「簡素」という言葉がぴったり!

フイレンツェやコモ湖畔には、イタリアのお家芸ともいえる革の工房が幾つもあるそう。イアリアで見た、「もとは動物の皮」であることが信じられないような、輝きを放つバッグや靴たち・・・本当に綺麗なんだけど、ブランドものはやはり高い!

そして、いつかじっくりと見てみたいなあと思っているのが、モザイクの制作風景。ラヴェンナは、その最高傑作を見ることができる場所でもありますが、あの万華鏡のような輝きをどうやって、つくりだせるのか、と。

職人こそ、国の文化の礎だと思います。 半導体などの、精密な技術も職人的な技があってこそなせること。 精緻な手と技術が、歴史に残る様々なものを作りだしたといっても過言ではないのでは?

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