ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

日々のこと

2020-01-27 10:12:41 | ある日の日記

ずーっと、世の中が動いていないような気がする。もちろん、政治・経済は目まぐるしく変わり、中国で発生した新型肺炎の拡大が懸念されているなど、大変な状況はいくらもあって、毎日平穏で暮らせるというのは、それだけでありがたいことだというのは身にしみて痛感している。だけど、それとは別に、人の感情がとてもフラット、無感動になっているような気がするのである。

情感が乏しくなったというのか、何だか淡々とした人が多くなったというのか――もっと、心が躍るような会話をしてみたり、物事に対して面白がる心を失わないでいたい。と、私は思うのだけど、世の中が停滞しているっていうのは、そういうことかもしれない。

令和に変わって、二年目。考えてみると、私も昭和・平成。令和と三代にまたがって生きていることになり、「年とったなあ~思えば遠くにきたもんだ」と、つい、しみじみ。しかし、やっぱり、昭和は良い時代だったと思う。翻って、平成の30年には何があっただろう?

経済大国としての頂点を極めた後の、ゆるやかで長い下り坂と、それとは反比例するかのような、人々の節度や上品さ。落日というのは、美しい言葉で言えば、「成熟」とも言い、一種の品格をも醸し出すものなのかもしれない。

だけど、生き生きした時代というには、ほど遠く、私のように古い人間だと、「平成より、昭和の方がいいなあ」と懐古ムードにひたってしまう。

もちろん、第二次大戦という悲惨な出来事もあり、昭和の初めは、暗さを帯びた時代でもあったから、私のような無責任な発言は、高度成長期の後に生まれ、バブルの熱気を知っている世代だからこそ、できるのだろうなあ、とも思うのだけど。

 閑話休題。

   

近くのカフェでひと息。ここのオーナーは、北欧のヴィンテージものの器を集めているとかで、この日出されたのも、70年代に生産されたアラビア社のもの。 いかにも、手書きという感じで良いなあ……。近頃、アラビア社のティーカップと言えば、パラテイッシュという青と黄色のパンジーの花をデザインしたものばかりで、これも確かに手描きではあるのだろうけど、何だか印刷プリントしたみたいな味気ないものに変わってしまっている。

それに比べると、これはこっくりした濃い紫の花が鮮やかで、良いなあ~💛

 

   

別の割烹やさんで写した、食後のデザートと器。抹茶色の釉薬をかけた器には、白くて大きな花が描かれ、上に盛られているのはヨーグルトのブラマンジェと柚子のソース……美味しかったけど、料理って、本当に見て楽しむものなのですね。

おいしいものを食べると、その後しばらく幸せになります。明日へのエネルギーも、チャージされそうなのもうれしい!

 

 

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メリー・ポピンズ リターンズ

2020-01-12 18:26:20 | 映画のレビュー

 

昨日は、寝室のTVにて、「メリー・ポピンズ リターンズ」を観た。これも、ディズニー映画の実写版。

遅きに失した感があるけれど、今になって、ディズニーというエンターティンメントの面白さや深みに開眼した私である。

さて、この映画は言うまでもなく、ジュリー・アンドリュース主演の名作「メリー・ポピンズ」(1964年)の後日談。制作されたのは、2018年だから、実に、54年振りの新作なのであります。

メリー・ポピンズと言えば、『岩波少年文庫』にも収められている児童文学の名作とされる作品。私も、シリーズすべてではないが、1、2巻は読んだ――しかし、「面白かったか?」と聞かれると微妙なところ。

お話としてはよくできていると思うのだけれど、主人公のメリー・ポピンズに今ひとつ親近感が持てなかったのだ。なんだか、つんけんとしているし、子供たちのナニー(乳母)として、愛情深いとかチャーミングなお姉さんというようなものではない。

私が小さな子供だったとして、メリーのようなナニーが突然現れたら、彼女に懐くだろうか? ちょっととっつきにくいような気がするのだが――でも、やっぱり、あの大きなトランクから不思議な魔法の品々を取り出してみせてくれたら、それはすっかり魅了されてしまうはず!

この作品「メリー・ポピンズ リターンズ」の中でも、その”つんけんさ”は、美人女優エミリー・ブラントの形を借りて、パワーアップした感がある。でも、やっぱり面白い!

前作は20世紀初頭の頃のロンドンが舞台だったと記憶しているのだけど、これはその25年後の大恐慌頃。かつては、メリーポピンズの庇護をうる子供だったジェーンとマイケル姉弟もすっかり大人になっていて、マイケルときては3人の子持ち。しかし、妻は一年前に亡くなり、自宅を抵当に入れ、苦しい日々を送っている。

まだ独身の姉ジェーンは、弟家族のサポートをしている……というわけだが、そんな一家の前に、まったく年を取らないままのメリーが再び現れる。三人の子供達のナニーを務めながら、メリーの力で一家の窮状が救われるというのが、全体のストーリー。

  

これが、(ジュリー・アンドリュースより大分美人の)メリーと、三人の子供達。ストーリーの面白さとは別に、私が深く感じ入ったのは、ロンドンの住宅の味わいがとても良く出ているところ。テラスハウスとか呼ばれるらしい、白い外観の棟続きの家々。玄関からは、やっぱり、白い小さな階段が何段か続いている――これは、この間、渡英した時もロンドンで、よく目にしたもの。上には煙突のある家々もあって、バーネットの「小公女」の舞台となったミンチン先生の学校も、こんな建物だったろうな、と容易に想像されたものだった。

      

やっぱり、こんな古き良き英国、大好きです。それが、ディズニーの魔法にかかっているのを見るのは、現実の向こう側にあるもう一つの世界に入りこむような体験をもたらしてくれるはず

 

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シンデレラ

2020-01-12 03:12:40 | 映画のレビュー

ディズニーのクラシックアニメ映画「シンデレラ」を観ました。それも二回続けて。

実言えば、この有名なアニメを観るのは、これが初めて――でも、でもすご~く素晴らしかった!

個人的にジブリの宮崎アニメはほとんど観ているのですが、ディズニーには疎かった……しかし、やっぱり世界に冠たるディズニーですね。上映時間の間、ずっと魔法にかかったようで、しばらく余韻が消えなかったほど。

この「シンデレラ」は(多分)、ずっと昔のクラシックディズニーと呼ばれるもので、制作されたのもかなり昔のことであるはず。しかし、それゆえに、現代の高度な映像技術が駆使されたエンターティンメントにはない「香気」のようなものが、画面から立ち昇ってくるかのようです。

     

シンデレラが、真夜中の鐘が鳴る直前、舞踏会から飛び出して、カボチャの馬車に乗り、駆け去るシーン。その馬車が、夜の森の中を走ってゆく画面も、まるで美しい影絵を見ているかのようだし、舞踏会が開かれるお城も、

      

という具合に幻想的な美しさ!  特にアニメファンという訳でもなんでもないのですが、こういう具合に現実には決してありえないような幻想的なファンタジーを描くには、ディズニーという魔法を用いることが素晴らしい!

ただ、シンデレラのストーリー自体は、結構笑える場面もありです。まず、主人公シンデレラが美少女なのは当然としても、義理の姉妹二人が、思いっきり不細工に描かれている(これって、容姿差別なんじゃないのか?)。義母は、「白雪姫」の女王となぜかよく似ていて、シンデレラを陥れようと考える時など、その目が闇の中で妖しく光るところなど、存在感が凄いわ……。

そして、こき使われるシンデレラが、「育ちのいいお嬢様」などでなく、両手は言うに及ばず、頭の上にもティーセットの載った盆をのっけていたり、義姉たちの部屋へ入る時なども、足でドアを蹴っていくところなどが、何とも言えないたくましさを醸し出している感ありなのが、面白い。

そして、「白雪姫」でも思ったことですが、ディズニーアニメは、主人公のヒロインはとってもチャーミングで美しいのに、肝心の相手役のプリンスやロマンスの相手があんまり、魅力的じゃないですね。

だから、「アナと雪の女王」に至るまで、ディズニーアニメのプリンセスたちは大人気なのに、プリンス側はあまり話題にものらないんじゃないのかなー?

と勝手なノエル流感想を述べましたが、夢の殿堂ディズニーは、今宵も開いております。さあ、今夜も出かけよう☆彡

 

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ある日の日記

2020-01-11 17:21:14 | ある日の日記

I read ,much of the night  and go south in the winter.

このT・S・Eliotの詩、意味は「夜はたいてい本を読み、冬は南に行く」。

良いなあ……私もこんな生活がしてみたいもの。だが、現実はなかなか本は読み切れず、南へ旅に出る余裕はないです。床暖房なしの、だだっ広い古民家で、やせ我慢の日々。

確かにヒーターもストーブもあるのですが、今どきのおうちと違って、あんまりあったかくならないのです。

掃除や買い出しだけで、結構くたびれてしまい、日が経ってゆく――これはいかん!

早く、春になればいいね。

 

 

 

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ダンボ

2020-01-03 15:20:23 | 映画のレビュー

 

お正月、ディズニー映画の「ダンボ」(2019年制作)を観る。と~っても、面白かった♡

何しろ、主役の小象のダンボが、とびきり可愛い! まるで、大きな頭巾としか思えない、ビッグサイズの耳がついていて、一見すると「何だ、これは?」の世界なのだが、

        

こんな大きなつぶらな瞳に、とても可愛い顔――この愛くるしさには、誰もがノックアウトされてしまうはず。 小象のダンボのキャラクターは子供の頃からよく知っていたのだけど、その物語はまったく知らなかった私。

さぞ、ファンタジックな、「お猿のジョージと黄色いおじさん」的な愉快で楽しいお話だろうなと想像していたのに、実際の話は、動物大好きの人間には、かなり身につまされてしまうものだった。

何せ、1919年当時の移動式遊園地で生まれた小象ダンボは、耳が異常に大きいということで、あやうく化け物扱いされ、舞台での初お目見えも、観客たちの物笑いの種に……。

その上、象の調教師は残酷な男で、怒ったダンボの母親ジャンボが暴れ、サーカス小屋を破壊し、調教師の男を殺してしまったことから、親子は離ればなれに引き離されることになってしまう。 戦場帰りで、ダンボの世話係となったホルトの子供達、ミリーとジョーが、ダンボに空を飛ぶ能力があることを発見したことから、一大騒動が巻き起こり、ダンボは巨大遊園地のスターに仕立てられてしまう……。

息もつかせぬ展開や、圧倒的スケールの描写力は、さすがはディズニーというところですが、時代が時代であるせいか、ダンボが成金の大興行主に利用されたり、母親のジャンボが恐ろしいメーキャップを施された上で、見世物にされていたり――と心が痛む場面があちこちにあり、涙なしには見られない。

それでも最後、ホルト親子たちの働きや、以前のサーカス団の団員たちの決死の救出行動で、ダンボとジャンボの親子が、無事アフリカの大地に帰れることになって、とってもうれしかった!

     

これが、ダンボの空を舞う姿。何て、ファンタジックで可愛いんだろう。実写映画ということで、ダンボも実際の小象としか思えない、皮膚の質感と、ヒクヒクうごめく鼻先の得も言われぬ敏感さ。しかし、こんなきれいな青い瞳をした象がいるはずはなく、おまけに目もすごくおっきいの。

インド風のヘアバンドをつけて、舞台に上がる姿もとても可愛い!  個人的には、以前見た「アラジン」の実写映画より面白いというか、ずっと深く印象に残りましたです。 これは、「心に残る映画」の引き出しに入れて置かねば。

ディズニーマジックが生んだ、永遠のアイドル、その名はダンボ🐘! 

 

  

おまけ:

この間、泊まりに行った兄の家で写した、姪のお布団。🐘さんが好きとかで、ダンボの形をしたバッグも部屋にあったのだけど、寝ている布団も、🐘さんの刺繍つき。縁にあるエンジ色のリボン🎀が、とってもかわゆいと思う。

 

 

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