いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民的機運。 nation wide tendency in constitutional revision

2017-05-06 20:09:14 | 日記
 (1)安倍首相が憲法記念日にあわせて支持者集会へのビデオメッセージで唐突ともいえる憲法改正(constitutional revision)を2020年に実施すると表明した。 改正内容は第9条に自衛隊の存在(existence)を明記し、教育の無償化を拡大するという程度のものだったが、国会の憲法審査会での論議は改正項目の具体的な内容までになっておらずに、緒についたばかりだ。

 (2)憲法改正に意欲を示す安倍首相としては、国会発議に必要な衆参両院議員の3分の2以上を改憲勢力で占めているうち、自ら総裁、首相任期中に実現したい意向が強くにじんだビデオメッセージだった。

 当然ながら自民党内からも議論もしていないなど反対意見もあり、賛否両論がみられる。憲法改正は国民投票で主権者の国民過半数の支持で決められるものだが、肝心の国民からの安倍首相の2020年東京五輪にあわせた憲法改正スケジュールに対して大きな反響はみられない。

 (3)憲法改正は安倍首相が決めるものではなく、主権者の国民が決めるものものだと書いたが、国民の間では直近の世論調査でも賛成、反対ともに過半数を占めずに、機は熟しているとはいえない現状だ。

 ただし、安保法制の審議、制定過程での安倍首相独自の憲法解釈の変更、拡大により集団的自衛権の行使容認を決めて、海外紛争地域での自衛隊派遣による同盟国米国などとの共同軍事行動に参加することについて、多くの憲法学者、国民が違憲だとするなかで安保法制を強行成立させたことの国民的決着がついていないことを考えるならば、早い段階で国民投票により憲法(解釈)問題に決着をつけることは必要だった。

 (4)憲法改正論議は国民の間では機が熟していないと書いたが、改正論議そのものも今後3年間で詰めて内容を周知し国民の理解、納得を得ることができるのか、安倍首相が言う2020年憲法改正スケジュールは相当きついものがある。
 現在の安倍首相の改選も視野に入れた任期中に憲法改正を実現したいだけで進められる唐突な政治、国民的課題のものではない。

 (5)ただ、現在の安倍首相、政権の現行憲法理念、理想を曲解した変形した憲法解釈がまかり通る政治状況を国民過半数が反対する(比較高く安定した安倍内閣支持率とは違うパラドックス政治の)なかで、安倍政治が強引に政策推進する事態は民主主義政治の異常な事態であり、国民の意思(国民投票)で決着をつける必要に迫られているといえる。

 (6)憲法改正問題を安易に国政選挙にからめて争点決着をはかるものではなく(自民党もそう考えている)、憲法改正に限定した国民投票で決着すべきことだ。
 国会審議と国民的関心を高めて、争点周知をはかり、憲法改正に対する国民的機運(nation wide tendency)を高めることが必要だ。

 

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