いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

空洞化社会の大改革。 huge innovation of a society of cavernous structure

2016-10-01 19:19:20 | 日記
 (1)豊洲移転にかかわる盛り土、空洞化(cavernous structure)問題では、小池都知事による「犯人探し」もいいが豊洲移転の是非の検証、方針決定が先決だと書いたが、小池都知事が都庁、議会との対決姿勢をそのままに持ち込んだ盛り土、空洞化の「犯人探し」は、案の定「流れ、空気の中で(盛り土案の骨抜きが)進んでいった」(報道趣旨)と決定者不明の結論で、ネズミ一匹出てこなかった。

 鮮魚、水産物市場としては衛生的で安全第一な結論というべきなのか、都庁の行政機能、機関の私有化(private propertism)が深刻な状況であることはよくわかった。

 (2)完全にこれまで最近の都知事が都庁から見くびられて、都政が二頭立て状態化していた実態を示す結果だった。
 内閣法制局の意思決定過程のいいかげんさに見られるように、行政意思決定の不透明性、非開示性は伏魔殿(a pandemonium)と書いたが、相当深刻な実態だ。

 東京都(庁)の「犯人探し」は、結局は身にふりかかる微妙な問題は意思決定を悟られないようにごまかし、責任をあいまいにした行政機能、機関の私有化で一応とん挫したが盛り土、空洞化問題の所管、担当部局はあるのだから、個人というより組織責任として不履行責任を厳しく問うべきだ。

 (3)東京都庁はそれも含めて組織改革、行政改革が必要だということで、行政機能回復にはもはや「人」入れ替え的な大改革が必要だ。
 もちろん内閣法制局もしかりだが、こちらの方は安倍首相の肝いりとあっては首相交代、政権交代でもない限りはむずかしい。

 東京都(庁)の盛り土、空洞化問題は、情報公開制による公文書開示請求でそのうち意思決定過程の不透明性、談合性があきらかになるだろうが、これでは安保法制にかかわる内閣法制局の当初の決定日「5月0日」のような驚くべき文書も出てくるのではないのか。

 (4)あるいは「流れ、空気の中で進んでいった」といわれる盛り土、空洞化だから、実態は何も残されていなかった『事実の空洞化』というあきれたことになることも考えられる。

 日本の行政機能、機関は事実関係の決定過程、記録、保存は極めて重要なものとして位置付けられてリーディング・ステータスとして能力の高さを示してきた時期が続いたが、最近のこうした体(てい)たらく現象は行政指導者の既得権益保護による安易な権威、権力主義の傾向に見られる。

 (5)安倍首相は自らの理念、理想、目的を遂行するために関連機関、部局の責任者を自らに近い人物を起用して強引、露骨にも目標達成をはかる手法が目につく。
 往々にしてそれは指導者の定石ではあるが、極端に偏ると組織は指導者の意向のままに操り人形化して意思を持たなくなり、完全機能を失う結果に導かれる危険性だ。

 (6)ないしはパラドックス(paradox)として安定しない指導者とは別に、行政機関が実権を握って自在に都合よく組織を動かす異変性だ。
 どちらにせよ、日本の組織社会は政治体制の異変性になぞらっておかしな方向、状態だ。

 取り返しがつかないことにならないうちに、組織社会の大改革(huge innovation)が必要だ。

  

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