いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ステレオタイプの選挙判決。 the stereotype decision to the election

2016-10-15 20:06:02 | 日記
 (1)広島高裁岡山支部が今年7月の参院選を「違憲状態」とした。国会が2合区による全国定数を10増10減して臨んだ今夏の参院選の努力は「最小限度の合区で是正を図った」(判決要旨)ため「3倍を越える格差を残した」(同)として「違憲状態」と判断した。

 わずか2合区による10増10減では都道府県単位の枠組みで行う現行制度の限界と指摘(報道)して選挙制度の抜本改革をまたまた促(うなが)した。当然の結果判断といえる。

 (2)ところが本題の同選挙無効を求めた訴訟については、公職選挙法の改正で格差が一定程度縮小したことから「国会の裁量権の限界を逸脱しているとはいえない」(報道)として棄却した。

 これまで1票の格差問題による選挙無効の訴えで続けられてきたステレオタイプの裁判所による判決(the stereotype decision to the election)だ。
 選挙を国民の公平、公正で平等な権利を保障していないと「違憲状態」としながら、同選挙結果は「無効とはいえない」などとは、「何のこっちゃ」とこの裁判所の判断をどう理解すればいいのか支離滅裂「状態」だ。

 (3)選挙結果無効を認めることになれば、やり直しによる政治混乱ははかりしれないものとなり、最高裁最終判断までの時間差もあれば収拾がつかなくなるという政治的配慮の「裏側」が見えるだけに、いつまでも国会の改革努力に期待するというステレオタイプの判断では司法の責任放棄というべき不真面目な判断だ。

 それならむしろ「裏側」の政治的混乱が社会に及ぼす影響の大きさをうれえるべき事態として看過できないと政治的配慮を率直に言って、国会に早期の決断を迫るべきだ。

 (4)裁判所の矛盾した判断が続いて「何のこっちゃ」の無理解では、社会正義のパラダイム(paradigm)が成り立たない。国会による選挙制度改革が進まないのは、利害当事者の国会に選挙制度改革を委ねていることの制度上の問題に、さらに司法、裁判所の違憲状態と国会の努力期待の矛盾した判断、判決も加担影響していることを認識すべきだ。

 1票の格差問題による実施選挙を違憲状態とするなら、それにもとづいて実施された選挙結果も違憲状態とするのが通常の範囲内で理解、思考回路を整理できる判断というもので、いつまでも矛盾した司法、裁判所の行政に配慮した判断、判決を続けるべきではない。

 (5)三権分立による司法の独立性も疑われて、これではパラドックス(paradox)として政治、社会の倫理性(ethical standpoint)、普遍性が損なわれて社会秩序が保てない混乱を招くことにもなる。

 政治の混乱か、社会の混乱か、どちらの混乱の影響の意味、意義が大きいのかはよく見極めて論理的公平、公正、平等性を示すべきことが必要だ。
 高裁では1票の格差問題でまれに「違憲」判決は出ることはあるが、結局は最高裁の判断、見解を見据えての範囲内での地裁、高裁の判断、判決が大勢を示して、国民の権利不満への受け皿、受け止めになっていないのが司法の現状だ。

 (6)それでも最近の最高裁の判断、判決には、これまでのステレオタイプの判断に国会が適切に対策、対応してこなかった不満、不信のようなものも見受けられるといわれている。

 安倍首相は司法判断に首相の解散権は拘束されないとの立場を述べているが、それではいつまでたっても選挙への国民の公平で公正、平等の権利は見逃されることになるだろう。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする