志情(しなさき)の海へ

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沖縄初の芥川賞作家大城立裕さんの2作品「首里城物語」と「真珠道」が21年度締めの舞台公演です!

2022-01-06 22:40:51 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他
両作品共に再演ですが、去年10月27日に他界した作家へのレクイエムや鎮魂曲のような舞台なんですね。大城作品と言えば演出家幸喜良秀さんでした。お二人がタッグを組んで新しい詩劇や歌舞劇を生み出し、現在活躍するキラ星の芸能者を育てたのでした。その筆頭が現芸術監督の嘉数道彦さんでしょうし、今年4月からバトンタッチする金城真次さんも同様ですね。

大城作品と幸喜演出の舞台は、ゲネやリハをわりと見ていて、幸喜さんは自由に写真を撮らせてくれたので、当時の写真を見ると現在活躍する中堅の姿が結構出ていることに驚きました。彼らが幸喜演出家の薫陶をうけてきたことは確かです。その点に関して、大城作品の持つ意味は国立劇場おきなわ開場の原点にありつづけるのでしょう。

小説、エッセイ、沖縄芝居、そして新作組踊「詩劇」へと創作の進化論のように、より統合的な方向へと突き進んでいった作家の執念のようなエネルギーに圧倒されるところがあります。民族の精神の際立ったところに劇詩があったということ、は『組踊』の誕生とその後の歴史の経緯を見ると、その系譜の中に現代の詩劇も脈打っていることが分かります。

さて新しく再構成されるという「首里城物語」は首里城と玉城朝薫が中心ですが、2019年に突然焼滅した首里城本殿や北殿のリアルな喪失感を含め、その再生を織り込んだというチラシですが、嘉数演出は現代をどう織り込むのだろうか。興味深いです。「真珠道」はすでに三度か四度目の再演です。芸能者の演技の変化と若くて抜擢された役者の力量を堪能する機会になりそうです。


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