栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

先週の雑感・京都編~Hyperionが早仕掛けで覚醒してくるのをみると、やっぱりワクワクする

2012-10-30 17:25:18 | 血統予想

先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価」先週分を3頭更新しました~(チョイ甘ですがA評価が2頭)

土曜8Rで圧勝したピクシープリンセスは当ブログでは何度か取り上げてきた馬で、とにかく母オータムメロディーが世界的な名血で名配合で、日本の高速馬場ではちょっと軽いスピードが足りないけれど底力やスタミナに関しては世界トップレベルのものを伝える繁殖牝馬なのです

この馬もディープ牝駒らしからぬ力強さと鈍重さを感じさせる走りで(関西弁でいうと“ドンくさい”)、胴長の体型でドタドタ走るんですが、今日も道中13秒台なしのわりと緩みないペースを11.9-11.2-11.8-11.9のロングスパートで抜け出して、最後の11.9のところでは後続はみんな止まっていましたからこの馬の持続力だけが際立ちました

中一週でエリ女に登録がありますが、上がり11.5-11.5の競馬ならまるで勝負にならないでしょうが、ミルコはこの馬のスタミナに関しては自信を持って乗ってくるはずで、昨年のような持続力勝負になればあるいは…と思わせるぐらいの、血統的バックボーンに馬の成長が追いついてきた段階ではあるかなと

萩Sのトーセンパワフルはロジユニヴァースと比較すると「サンデー×ミスプロ」的な柔らかさがONになっていて、兄よりも柔らかく大きく走れるのですが兄ほど俊敏には動けず、だから外1800mでもソコソコ斬れるのですが内2000mをズキューンを捲る脚はない、という感じで、ようするに現状は突出した武器のない中距離馬という評価ですかね~
角居厩舎でこういう柔らかストライド型ですから、先々は立派なオープン馬に完成するのかもしれないですが…

勝ったインパラトールはディープ×Storm Catですが母母がマジックナイトでLyphard4×5でもあり、“俊敏なマグナーテン”という感じでこれは1800mの前受けでまだまだ上を狙えそう

スワンのアドマイヤセプターは東京と京都外の1400mがベストで、右回りは内にモタれるのでできれば直線はラチを頼りたかったところですが、ま~力は出し切ったかなと

グランプリボスはマイルも守備範囲ですが、どうやら血統的なベスト距離といえる1400mへ辿り着きつつあるようにもみえるし、とりあえず上位入線でマイルCSにつながるとなるとオリービンですかね~

ダイワメジャーにNureyevとVaguely Noble、これからHyperionらしさがますます発現してきそうな晩成粘着マイラー血統ですが、今日は粘着力が活きる流れでもなかったのでこんなもんでしょう

川田とは手が合うタイプやと思うし、このままコンビ続行で、この馬のHyperionらしさを理解して、もっと前受けへと意識が傾いてくれば…と思っとります

日曜3Rクラウディオスはネオユニにドクターデヴィアスにノーザンテーストですからそんなに速い動きはできないんですが、Halo≒Red God3×5なので脚さばきに無駄がないのがいいし、だから内回りでの機動力もソコソコあります

ヴィクトワールピサやロジユニヴァースを見ての通り、ネオユニヴァースはサンデー系のなかでもHaloのニアリークロスが成功しやすい種牡馬です

フェデラルホールの3/4弟ですが、オーバーザウォールはサンデー系種牡馬との配合ならだいたい似たような仔を出すんじゃないかと(^ ^;)

カシオペアは稍重が残って上がり11.5-11.8-12.2、ボツ予想でも書いたように、リルダヴァルは1800~2000mの上がり12秒戦では回りの左右大小関係なく④③②①⑥①(⑥は皐月賞)で、今日がベストパフォーマンスでしょう

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先週の雑感・東京編~ぬるま湯スローで半身浴

2012-10-30 13:41:12 | 血統予想

土曜2Rヒシラストガイは女傑ヒシアマゾンの息子で、父CorinthianはA.P.Indy系でBCダートマイル勝ち、シンボリインディ+Nureyevのイメージで1800mでシッカリ伸びる馬

5RヒラボクディープはディープにStorm CatとTom Foolが入って、柔らかな体質と無駄のない走法を当然のように受け継いで、HaloとBold RulerとTom Foolがお手々つないでフワフワサクサク走ってるようなもんで、スローを好位インで折り合って、追い出したら10完歩ぐらいで速やかにトップスピードに乗って、今の東京はスローになったらこういう馬が金太郎飴みたいに勝ちまくります

日曜2Rケンブリッジサンはフサイチホウオー産駒でサンデーサイレンス3×3、サンデーのクロスは柔らかな体質になりやすいはずで、他の部分にはこの馬のように、El Gran SenorとかプレミアムサンダーとかNureyevとか、そういうパワーの血を入れてバランスをとることがひとつポイントかなと思っとります

日曜7Rはいろいろあった後だけにスミヨンが乗る1人気馬へのマークは執拗で、でもスミヨンにしてみればあれぐらいの押し合いへし合いは日常茶飯事で、こういうキツい競馬を経験することで馬が強くなるという部分もたしかにあると思うし、キツい競馬を抜け出したシャドウパーティーは今後がますます楽しみになりました
前にも書きましたが、異系血脈特有のしなやかさ柔らかさが表現されていて、KingmamboやGreen Desertやウォーニングの力馬っぽさがほとんど感じられないところに、いったいどういう馬に完成するんだろうというワクワク感を持たせる馬です

くるみのロードシュプリームは距離短縮で前に馬を置いて差す競馬をやるはずが全然折り合わずで、しかも直線ではモタれっぱなしでまともに追えずと、使われる毎に気性的な難しさが出てきたのが気がかり…

先週私が「東京向きの大きなストライドで走る」という理由で◎にした馬たち、たとえば秋天のルーラーシップはHalo的ニアリークロスで俊敏に加速するエイシンフラッシュと、トモがパンとしてデインヒル的パワーが発現してきて前々で機動力あるレースができるようになったフェノーメノを捕まえられなかったし、精進湖のミエノキセキもやはり機動力型のメイショウカドマツステラウインドの行った行ったを差せなかったし、紅葉のミトラはナスキロ柔いストライドでやっとこさ差しましたが、2着は母がBold Ruler3×3で自身はHalo≒Stop the Music4×4のタイキパーシヴァル、3着は母がBold Ruler4×5で自身はHalo4×4のコスモソーンパークで、この2頭のお手々つないだ先行力機動力にかなり手を焼いたのも事実

こうしてみると「HaloやBold Rulerのクロスがあって小脚が使えて機動力抜群だから、東京のスロー向き」とか「Roberto系のパワーで加速するので急坂小回り向きだが、東京の超スローも大歓迎」とか、東京でもスロー前提だと、血統屋目線でもそういう分析をしなければならないわけです

上がり11.4-11.0-11.5、こういうレースではHalo的Bold Ruler的に無駄のないフォームでササッと好位をとってサササッとスピードに乗って抜け出してしまうほうが楽で、スローだと直線でも馬群が密集したままですから、アクションが大きくエンジンのかかりが遅い馬は、馬群の中だと不利を受けやすいし外に持ち出すとロスがあるしで、いいことなんか何にもないです

土日の東京の芝の特別戦で逃げた騎手は、武幸四郎、大野拓弥、岩田康誠で、2番手につけた騎手は、柴田善臣、松岡正海、秋山真一郎、スミヨン

ま~この顔ぶれをみればスローになる可能性のほうが高いと考えるのがふつうでしょうから、「メイショウカドマツは本質的には小回り向きの機動力型パワー型なのだ」なんて説明は、スロー前提で精進湖の予想をする上ではまったく無意味どころか的外れですらあるのです

中舘さんが新潟にいって柴田大知が怪我で休んでいるだけでこの体たらくですから、東京は最後の最後はHyperionの持続力だとか、長い直線でナスキロの斬れが差し届くとか、そんな血統屋の理想郷を語ってピエロになるのはもうゴメンで、「○○はHaloのクロスで福島1800mをスルスルと捲って勝ったが、あの機動力は東京のスローにもピッタリ」ってな予想で頑張るしかないだろうと(^ ^;)

別に私の予想がバンバン当たらなくてもいいんですが、やっぱり競馬ファンの大半は馬券ファンですから、できるだけ多くの人に血統屋目線で予想をすることの楽しさ面白さは伝えたいと思ってるんで、1000万下の特別戦で現実から乖離した理想郷ばかり語ってても仕方ないですからね~

栗山さんちのブログを見たら加藤栄さんがすっかり好々爺キャラになって和服似合いすぎでビックリしましたが(^ ^;)、私ももう若くはないんで、ガタがきつつある体をいたわりながらスローのぬるま湯に腰から下だけゆっくり浸かって、HaloとBold RulerとTom Foolに巻かれて生きていきます…ありがとうございました

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