読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

C・J・ボックスの『沈黙の森』を読む

2013年09月16日 | 読書

◇ 『沈黙の森』(原題:OPEN SEASON)  著者: C・J・BOX 
                           訳者: 野口 百合子  
                           2004.8 講談社 刊(講談社文庫)

    

  著者のデビュー作(2001)。
  C・J・ボックスは米国ワイオミング州に生まれ育ち、牧場労働者、測量技師、フィッシング・ガイド、
 ミニコミ誌編集者など様々な職業を経て旅行マーケティング会社を経営。2001年処女作の本書
 でこの年の主要ミステリー新人賞を独占した。
  ボックスはワイオミング州猟区管理官ジョ・ピケットを主人公とする「ジョー・ピケットシリーズ」を
 ほぼ一年ペースで発表し、日本では「Savage Run」以外が翻訳刊行されている。

 (savage Run(2002)、Winterkill(2003)、Trophy Hunt(2004)、Out of Range(2005)
   In Plain Sight(2006)、Free Fine(2007))

  野生動物の保護・管理にあたる「猟区管理官」ジョー・ピケットは妻のメアリーベスと、シャロンと
 シーリーの二人の娘とイエロ-ストーン国立公園の東側、ビッグホーン山脈のトヴェルヴ・スリープ
 山地を管轄区域として勤務している。都会から狩りに訪れるハンターや、彼らの狩りをガイドした
 り自ら狩りをして生計を立てている「アウトフィッター」などが許可内容通りの狩猟をしているかど
 うかを管理し、担当猟区内の犯罪捜査等も行う。

  クレージー・ウーマン・クリークという怖ろしげな名を持つ峡谷に面した官舎から望むトヴェルヴ
 ・スリープは例えようもない野生の自然美に満ち、野生動物らが適切にコントロールされ生活して
 いる楽園である。 そんな原生の地にもカナダからロサンゼルスまでの天然ガスパイプライン敷
 設計画が進行していて、トヴェルヴ・スリープ山地を横断する。ピケットのかつての上司ヴァーン
 ・ダネガンはそこの開発部長に納まっている。
  
  クリークの狩猟キャンプ場で殺人事件が起きた。またピケットの官舎を訪ねた一人のアウトフィッ
 ターが不審死を遂げた。
  調べを進めるうちにどうやらこの地で絶滅危機種のひとつ「ミラーズ・ウィーゼル」を発見したア
 ウトフィッターらが何者かに殺されたことが明らかになっていく。 この発見によってパイプライン
 敷設計画が凍結されることを恐れた開発会社は、これを捜査するピケットに執拗に妨害の手を
 加える。かつての上司ヴァーンや本局副局長、友人の猟区管理官までもが。

  なんと絶滅危機種の「ミラーズ・ウィーゼル」がピケットの敷地に現れ、娘のシャロンが発見し
 た。これを殺そうとする開発グループはメアリーベスを撃ち、シャロンを攫おうとするがシャロン
 は山中に逃れる。妻や娘に手を掛けられたピケットは怒り狂い反撃に出る。

  実はこの作品を読む前にシリーズ第5作『震える山(Out of Range)』を読んだ。いま第3
 作『凍れる森(Winterkill)』を読む手筈になっている。

 (以上この項終わり)
 

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