マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

生姜を使ったお手当① 「生姜の基礎知識」

2020年03月31日 18時00分14秒 | 自然医食のお手当


漢方にも用いられるなど健康食品として知られる生姜は、多くのご家庭で薬味として常備している野菜のチャンピオンですね。
実は、この生姜の効能や使い方を知ることで、薬味などの食用だけでなく、
イザというときにすぐに間に合って、お家でできるいろいろなお手当に活かせるお助けマンとなります。

生姜は日本最古の歴史書である「古事記」にも記されているほど、日本人は生姜を古くから食して来たようです。当時は生姜(しょうが)という呼び名ではなく、「根の辛いもの」という意味でハジカミと呼ばれていたそうです。
お魚などの付け合わせに今でもハジカミの生姜が添えられていますね。
日本における生姜の栽培は奈良時代に始まり、以来、今ではどのご家庭の冷蔵庫にも常備されるほど、深いかかわりを持つ野菜となりました。

生姜は薬味や香り付けなど、お料理の味をひと際引き立たせるために欠かせない存在です。
お魚やお肉の動物性たんぱく質の毒消しにも一役担ってくれます。
生姜に含まれる成分のジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、精油成分の重要な成分が様々な効果・効能を発揮し、食用はもちろん、家庭でできる外用のお手当にも使われるようになりました。

生の生姜に多く含まれている辛味成分ジンゲロールは、免疫細胞を活性化、殺菌作用、胆汁分泌の促進、抗炎症作用、吐き気・頭痛を抑える作用、老化を防ぐなどの効能があります。
しかし、ジンゲロールは酸化しやすい成分で、空気に触れると数分後には消滅してしまいます。また加熱や乾燥をすることで別の成分に変化しますので、ジンゲロールを摂取したい場合は食す直前にすり下ろす方法が効果的です。

加熱や乾燥することでジンゲロールはジンゲロンという成分を生成します。 ジンゲロンは、血行を促進する効果や血圧を安定化、新陳代謝の向上、脂肪の燃焼を促進、発汗作用などの効果・効能があります。ダイエットや成人病の予防の効果もあることが分かっています。

他に、ショウガオールも生姜を乾燥や加熱することで生成される成分で、 体を温める効果、殺菌作用、ガン細胞の増殖を抑制、活性酸素の除去、中枢神経系の調整作用などの効能があります。ショウガオールはジンゲロールよりも、体を温める作用が強いです。そのため冷え性の改善には、生の生姜よりも乾燥・加熱させてショウガオールを生成させた生姜の方が効果的です。

さらに、生姜の皮の部分にも様々な薬効成分が含まれています。健胃作用、腰痛、風邪、吐き気、発汗、利尿、解毒、むくみの改善などの効果・効能があり、オーガニックのもので皮ごと使える生姜を選ぶことはとても大切なことです。

生姜というと冷え対策に効果的と言われていますが、陰陽で見ると全体的に強い陰性の力を持っています。
食用でも外用でも、使用する量や期間などの知識がないと、温めているつもりで実は冷えを招いてしまうことがあります。
中医学でも性質は温性でありますが、温めながら熱を取る作用があるため、使用量は決して多くないこと、また、生、乾燥、熱を入れるなどの使い方の適用を知っておくことも大切です。少量で最大限の効果を引き出すためには、軽い症状から経験を積むと自信につながりますね。

【大 分 類】解表剤…発汗・発散を促す中薬です。
【中 分 類】辛温解表薬…温めながら解表する中薬です。
【帰   経】肺・脾・胃
      ※解表とは、体表血管を拡張して発汗させて表症(体表に現れる症状)を取り除くことです。
       表症の違いから大別すると、風寒表証(表寒)に対する「辛温解表」と
       風熱表証(表熱)に」対する「辛涼解表」に分類されるます。
      ※帰経とは中薬が身体のどの部位(臓腑経絡)に作用するかを示すものです。
【薬  味】辛味→まず肺に入ります。
味…辛(辛味)
作用…消散する/移動させる。体を温め、発散作用。
対象となる病証…外証。風証。気滞証。血瘀証。
対象五臓…肺に作用。
【薬  効】発散作用  健胃作用  鎮吐・鎮嘔作用  食欲不振作用  発汗解表作用  鎮咳作用 
【薬理作用】芳香性です。胸がつかえて吐いたり、あい気(げっぷ)が出たりするのを治す要薬です。
      中枢抑制作用、鎮咳作用、解熱作用、鎮吐作用、鎮痛作用、唾液分泌促進作用、
      抗痙攣作用、抗消化性潰瘍作用、鎮咳作用、腸管内輸送促進作用、抗炎症作用、
      プロスタグランジン生合成阻害作用、強心作用
      ※蒸乾した日本でいう「乾姜(かんきょう)」は腹冷痛、腰痛、瀉下などに用いる。
      「生姜(しょうきょう)」は乾姜より健胃、鎮嘔の効が大きいとされる。
【用  途】芳香性健胃、矯味、食欲増進薬として、新陳代謝機能を促進し、水毒を去る目的で、
      黄連湯と、咳そう、腸満、陽実証の発熱、鼻塞りなどに用いる。

マクロビオティックでは陰性と分類される生姜、その所以は、温性と分類する中医学でも示す通り、発汗、解熱、消炎とカラダを温めることによる結果から判断されています。
毛穴を開き(陰性効果)、体温を放出し解熱。血管が拡張(陰性効果)し、血液の流れを促進し酸化して澱んだ血液(瘀血)を流し患部にきれいな血液を送る…これは陰性のパワーこその効果です。
ごく少量であればカラダを温めますが、多量に使うと結果的にカラダを冷やすことをしっかり頭に入れてお手当に使うことが大切です。


お家でできるマクロビオティックお手当法。

生姜を使ったお手当①「生姜の基礎知識」として整理しまとめてみました。

自然医食の手当法は、セルフケア法として昔から経験的に確立してきたもので、私もいつも助けられてきました。
製薬しか知らない現代医学の見地からトンデモ療法などと評されることがありますが、科学的なエビデンスもあることを知って欲しいです。
製薬に比べて、安全安心であることも嬉しいです。
ただし、薬効を十分に活用するためには、基礎知識も必要です。
お役に立てると幸いです。

次回は、生姜を使って実際に手当法として活用できるノウハウをお届けしたいと思います。











生牡蠣と大根おろし

2020年03月29日 12時17分09秒 | いただきますの法則
自然食の宅配オルターさんから、北海道産生食用の牡蠣が届きました。
生牡蠣の下処理はどうれていますか?

片栗粉でされる方もいらっしゃると思うのですが、
私は大根おろしを使います。
割烹を営んでいた母がやっていたので何も疑問を持つことなく、そうするものとして受け継いできました。
TVで有名な和食の職人さんが片栗粉を使うと聞き、一度試したことがありますが、
少し面倒でも、やっぱり大根おろしがすっきりとして美味しくなると思います。

片栗粉は確かに汚れを洗うには手軽なのですが、大根おろしはタンパク質分解酵素であるプロテアーゼが牡蠣の表面のぬめりを溶かし、
生臭さも、そして牡蠣に付着している細菌もしっかりと拭い取ってくれるので、生牡蠣には大根おろしのほうが科学的にもおすすめしたいです。



大根おろしを水分ごとボウルに入れ、生牡蠣を入れます。
両手で優しくざっくりと大根おろしで牡蠣全体を包むように混ぜ、牡蠣のヒダの間の汚れも取り除きます。


牡蠣に付着している黒い汚れで、大根おろしの色が灰色に変わります。
牡蠣の汚れが落ちたら流水の力でで大根おろしを洗い流します。


ぷるんと、きれいになった生牡蠣。

汚れた大根おろしは、ぬめりを持っていますので、排水口の網に絡みつくかもしれませんので悪しからず。
それでも、安心してきれいで美味しい牡蠣を頂くためのひと手間です。
ぜひ、試してみてくださいね。

土鍋で玄米を炊く暮らし…生きる羅針盤

2020年03月28日 17時37分07秒 | いただきますの法則
仕事に追われたりすると、つい玄米ご飯の炊飯は機械頼みになってしまいます。
炊飯器がいけないということではないですし、炊き方は圧力鍋やステンレス鍋、鋳物鍋、土鍋、羽釜…、
ライフスタイルで選べることも楽しみの一つです。

最近まで、電気圧力炊飯器を使って炊飯をしておりました。

そして、今、土鍋で炊飯しています。
炊き方を変えたのは、新型コロナウイルスです。

中国武漢から発症した当時は、まさに対岸の火事でした。
長年食養を学び実践をする中で、どこか私は大丈夫という根拠のない、いや、根拠はあるけれど、
絶対ではないはずの危機感が薄れていたように思います。

そんな中、9年前の東日本大震災の日を迎え、
今でもボランティア活動を続けている友人たちの思いに触れ、
ハッと武者震いのような、電気が走るような不思議な感覚に落ちました。

あの時、横浜にいた私が受けた強烈な揺れ、TVから流れる見たことのない映像、原発事故の恐怖は
私を一瞬で揺り動かしました。
すぐさま石巻に行くことを決心できたのも、とてつもない大きなエネルギーに揺さぶられたからだと思います。
そして、多くの方が同じように感受して、共有した危機感を持てていたと思います。
でも、時とともに薄れていたんですね。
震災命日でもある3月11日に、あの時の絶対的なインパクトの記憶、動物的な直観が再び私を動かし始めたのです。

今や世界を震撼させている新型コロナウイルスは
発症当時から、震災の時と違い揺れもなく、五感で感じるものもなく、

香川は大丈夫。

実際のところ感染者情報は1名に留まっているということもあり、
本当に今でもどこか大丈夫なんじゃないかというバイアスがかかっていて、
自分たちだけが安全なシェルターにでもいるような錯覚を起こしていたのです。

しかし、田舎といっても地方都市の県庁所在地での暮らしは、そこそこ都市型ですし、
当院は8割が県外患者さまのため、コロナのためのキャンセルも相次いでいるのが現状で、
安心なのかどうか迂闊な判断は命取りになると思えます。
じわりじわり、まるで真綿で首を絞めるがごとく、
気が付いたら手遅れの状態がすでに都会では起きていることが証明しています。
私たちの意識の脆弱性が浮き彫りになって、改めて直観を働かせることの大切さを感じています。

そして、生きる。

そのために、私にできることは
玄米ご飯を他人任せ?機械任せにしないこと。

そんなことで?と思われる方もいるだろうし、
それが正しい方法なのだと声高に言うつもりもありません。
自分が納得できることをする…ただ、それだけ。
それは、人によって違うのだと思います。

玄米ご飯を炊くこと。
それはエネルギーの源であることは間違っていないと思うから、
コロナウイルスも含めて、自然は全てあるがまま。
一切の敵も味方もなく、なるようにしかならないのだから、怖がることもなく。
淡々とイノチの元を理にかなうよう明日に備えることを繰り返すのが、私の暮らし方。
きっと未来の羅針盤になると信じて。

はじめちょろちょろ、中ぱっぱ。
じゅうじゅう吹いたら…ごく弱火で30分。おこげが欲しいときは弱火で。
30秒強火にして火を消して蒸らし10分。
美味しい玄米ごはんの炊きあがり。


浸水は8時間以上。水を替えて炊く準備。


内蓋をします。


ドーム型の外蓋。オリジナル黒体セラミックぢわもん鍋。
炊き方が違うのは、浸水の違い、季節の違い、お米の違いなどがあります。炊き方は、その人、その時に合った方法を選択できるといいですね。


穴から湯気が上がります。


極弱火にして残り10分。木栓をして、圧をかけます。


カニの穴は美味しい証拠。






ナマコと進化

2020年03月19日 13時25分06秒 | いただきますの法則
先日、瀬戸大橋が通る島にご実家がある患者さまから、たくさんの海の幸を頂きました。
春の恵みの若芽、今シーズンは外食でもしなければもう食べられないとあきらめていた「ナマコ」も(⋈◍>◡<◍)。✧♡
近頃はスーパーも魚屋さんでも、生きたナマコを手に入れることが難しくなりました。
料れる方がいなくなったことが原因と思いますが、ナマコは活き作りでないと美味しくありません。
自分好みの口当たり。固すぎず、柔らかすぎず…。
これは料るときのちょっとしたコツがあります。生きているからこそできるコツ。
ナマコは、ギューッと緊張した状態で切ると固くて食べられません。
ナマコの状態を一番いい状態にして、料るのです。
こうして、活き作りで料ったナマコは薫りもよく本当に美味しいのです。

たくさん頂きましたので、スタッフのかずちゃん、ご近所さん、着付けのお師匠さまにもおすそ分けして
ありがたく頂きました。

さて、ナマコは無脊椎動物の一種です。
口から肛門までの消化器官を筋肉が覆った原始の形です。
形態学で内臓系といわれるイノチのカタチです。
進化の過程で、脊椎や尾ひれ、頭…内臓系を保護しより活動できるように体壁系という機能を持ち、
魚類、両生類、爬虫類、鳥類、ほ乳類、猿類と経て、イノチのカタチは私たちの形態にたどり着きました。
私たちのカラダの中にもこのナマコのようなイノチのカタチが残っていますから、
ナマコを食べるということは共食いといえば共食いですが、
それは進化の記憶の遠い向こうに誕生したカタチ。
肉食である牛や豚を頂くことよりも植物を頂くことに、より近い感覚です。
何より、動物なのにサポニンを持っているのです。

それにしても、ナマコを食してみようと思った先人に脱帽です。
割烹を営んでいた母を見て育ったので、私はナマコを料ることができますが、
このグロテスクな生き物を触れない方が多くなっているのも、わかる気はいたします。
私は、美味しそうって思えますけど(笑)
ちなみに、姉はいつも母に料ってもらっていたから捌けないと、おすそ分けを丁寧にお断りされました。
姉妹でも、いろいろ。多様性の時代です。



ナマコの締まり具合が美味しさの決め手です。


このわたは珍味。


酢醤油、大根おろし、七味で和えます。

ちなみに、その昔、ナマコは「こ」と呼ばれていたのだそうです。
生の「こ」だからナマコ
「こ」のはらわただから、このわた。
なるほどです。

椎茸の切り方

2020年03月14日 12時50分30秒 | いただきますの法則
マクロビオティックのお料理で
まず最初に習うのは「野菜の切り方」です。
陰と陽の両極のエネルギーを、一切れの野菜のかけらに込めていきます。

陰は広がる力、上昇する力…。
反対に陽は求心力、下降の力…。

野菜のひとかけらひとかけらが大きな差がなく陰陽バランスの取れたものにすることで
お料理の味が、エネルギーが格段に変わるひと手間です。

そして、母から見て学んだもったいないのこころ。


ちょうど昨日の出汁がらの干し椎茸があるので、そんなこと、こんなこと、写真を通してお伝えできればと思います。


椎茸の石づき部分は鉛筆を削るように汚れたところだけを落とします。そうすれば椎茸の陽性の部分を余すところなく頂けます。


傘と軸を切り離します。


軸は手で割くように細くすれば固くなく味もしみこみやすいです。


傘は中央の陽の部分と開いた周囲の陰の部分が一切れになるように放射線状に切ります。


こうすることで、無駄なく、食材のエネルギーをバランスよく頂けるようになります。
ぜひ一度、試してみてくださいね。

出汁を取る暮らし。

2020年03月13日 10時30分52秒 | いただきますの法則
我が家では、毎朝その日のお昼、主に夜の食事作りに欠かせない
出汁を準備することから始まります。

以前は、昆布と干し椎茸の精進出汁、乾燥野菜やくず野菜の出汁、大豆の出汁(煮汁)など、動物性無しのもので作っていました。
そのずっと以前には、昆布と鰹の和風出汁。
もっとずっとずっと以前、一人暮らしの時にはインスタントの顆粒だしも使ったことがあります。

今でも、出汁が足りない時や作れなかったとき、急いでいるとき、
割とましな市販の出汁パックを使うこともあります。

そんな出汁の変遷を経て、今は昆布と干し椎茸、そしていりこ、あれば飛魚。
専用にしているピッチャーに、これらを放り込んで、浄水を入れます。
平戸から取り寄せた「イキな水」を使うときは、特別な日。
煮出しではなく水出しでゆっくりとうまみを抽出いたします。

いりこや飛魚を使うようになったのは、ミネラルの大切さを思うようになったから。

マクロビオティックは動物性食品を全く否定しているように思われがちだけれど、
本当はそんなことはないのですよ。
一物全体、丸ごと全部食べられるようなものであれば…。
例えば魚でいうと、回遊魚のマグロなど、一人で全部、頭から尾っぽの先まで一度に食べきれないような大型の魚は常食には向きませんが、
小魚のいわしを加工した「いりこ」などはその限りではありません。
もちろん、人それぞれ、合う合わないはありますし、食べてはいけないとか、食べなくてはいけないものでもありません。

ミネラル不足は、また別の機会にお話しできればと思いますが、
現代の食の在り方や、農の在り方、様々なことが要因となっています。
普段、マクロビオティックベースで、食材もオーガニックなものを選択しているとはいえ、
それでも私自身のカラダを眺めれば、年とはいえ白髪ですし、
ミネラルの補給は足りてはいても余ってはいないと思えますから。
以前に白髪とミネラルについて書いたものはこちらからご覧いただけます。

そんなことよりも、私は朝、出汁を取るということに心を置いています。

以前、作っていた和風出汁のように、昆布を煮出し、たっぷりの鰹節を引くような霽れのものではなく
普段着の出汁。お料理のお味もさることながら、当たり前の家事を淡々と繰り返す
そんな日常を大切にしたいと思っています。

それは、この料理はどうですか!美味しいでしょう‼ということではなく
家族を思う、そして我が身へも感謝ねぎらい、滋味を細胞の隅々まで届けたいと思うようになったからです。
こだわりがあるとしたら、自宅のパントリーで毎年備え足して蔵囲い風に十年以上熟成保存している昆布と天日熟成の干し椎茸。
薬物など使用していない無添加のいりこを選んでいること。









朝、この出汁を準備しておけば、
ほうれん草のお浸しもすぐにできますし、煮物や汁物が手軽に作れるのがうれしいです。



出汁がらは、佃煮にしたり、ペーストにしてレバーのパテ風にして野菜ディップにしたり、刻んでドレッシングにしたり、餃子の具にしたり…。



写真は酢漬けの切り干し大根と一緒に佃煮にしたもの。
切り干し大根が甘いので、もちろん砂糖もみりんさえもなくておいしいですよ。

手間なし、水出しの出汁。
ちょっと暮らしが豊かになります。


「万が一」おむすび

2020年03月11日 09時09分11秒 | いただきますの法則
東日本大震災から丸9年。

私はあの日、横浜にいました。
マクロビオティックの講師のお役を頂き、
ガスの火を落とし洗い物などの片づけをしている最中の出来事でした。
翌日も世田谷でセミナーの仕事を頂いていたこともあり、その二日後の13日まで東京に滞在することになり、
その一部始終は一生忘れることのできない一大事となりました。
東北の方々が受けた災害、事故の凄まじさは、私が持つ言葉では言い表すことのできない恐ろしいものであることは間違いがありません。

その後も、たくさんの甚大な災害が起き、傷だらけの日本列島を思う日が多くなりました。

そんな中、いつしか我が家では「万が一」おむすびの習慣が生まれました。
二日に一回な感じで、夜ご飯に3合から4合の玄米ご飯を炊くのですが、もちろん夫婦二人で全部を食べれるわけではなく、
半分以上を塩気を効かせたおむすび🍙にして、翌日のお昼や夜に頂きます。

何事もなくて幸せ。

もしかの時には、少し役に立つんじゃないかな。
そんな「万が一」おむすびです。

おにぎりじゃなくて、おむすび。
結ぶ。
陰陽両手で…。

今日の朝昼兼用ごはんは、「万が一」おむすび一個とお味噌にお湯を注いだだけのお味噌汁。

これで十分おいしく満足な一食になります。

あと20年生きるとして、一日二食だと、残り14,600回の食事回数です。
その半分が「万が一」おむすびだとしたら、何があっても取り敢えず無事に過ごしているということ。

家内安全を祈る「万が一」おむすびです。








お昼ごはん

2020年03月10日 15時04分25秒 | いただきますの法則
玄米ご飯を頂くようになって、かれこれ21年。
それと同時に普段の食事は砂糖無しの暮らしとなりました。
外食や加工食品を摂取するときにはその限りではありませんが、
マクロビオティックの実践としては、この2点については揺るぎがありません。

もともと歯科医の夫が、マクロビオティックとは関わりのない歯科治療の一環として
砂糖無し、玄米食を始めていたのです。
そんな中、その食事指導を私に託したところから我が家のマクロビオティック生活がスタートいたしました。

一時は完全に動物性食品も絶ち、いわゆる玄米菜食を実践した時期もあります。
出汁も精進出汁、白身魚さえも食べないという実験的な時期がありました。
おかげで、育ち盛りの息子と、体育会系の夫、食欲旺盛な姑のお腹も心も満たすためのお料理を作る知恵と技術はかなりついたと思います。
今現在は、近海のお魚を中心とした魚介類、鶏肉は時々頂きます。
本当にたまに豚肉、数か月に一度程度の外食時に牛肉が入ることもあります。
還暦を迎えてからは、本当にうどん屋さん以外の外食をすることがなくなりました。

別に禁欲的なわけではなく、毎日の晩酌は欠かさず、それは二十歳の頃から変わりありません。
若い頃には、グルメを気取ってご馳走もたくさん食べてきましたし、普通にジャンクフードも頂いてきました。
今でも時々食べたくなる時もあります。
でも大概頂くと後で後悔することになります。
甘いものもまず欲しいと思いません。
どなたかのご厚意で口にすることになっても、たくさんは頂けないので一口、二口。
甘いもの好きなご近所さんに頼まれて、二、三か月に一度くらいオーガニックの和洋菓子を自然食品の宅配で取り寄せることもありますが、
私や家族が食べることはありません。

だから全く不調がないというわけではありません。
年相応というか…、
年とともに気持ちを押し殺すことも増え、若い頃よりもストレスは多く、
積もり積もった昭和な不満は令和になっても現在進行中だから(笑)、食だけで健康にとはいかないと実感するこの頃です。

とはあれ、風邪などひかずに過ごせているのは
一日2食のお陰かもしれません。
そして、夜は晩酌なので、一日の最初の食事は粗食な我が家です。
基本、玄米ご飯とお味噌汁。
プラス保存食。発酵食品の梅干しやお漬物も常備食です。
きんぴらごぼうやひじき蓮根、切り干し大根のたいたんなどもメインキャストですが、色々全てというわけではありません。

今日のお昼ご飯は、ちょっと湿気た板海苔で作った海苔の佃煮と大根葉の醤油炒め。
大根と小松菜のお味噌汁。出汁は昆布と干し椎茸といりこの水出し。
玄米ごはんの梅結び。

こんな粗食で健康になれるってところが、マクロビティックのいいところかも。












写真はiPadからPCに取り入れたら、あっち向いたりこっち向いたりで見にくくてすみません。

啓蟄

2020年03月05日 16時44分53秒 | 庵主の日記
今日は朝からぽかぽか陽気。
啓蟄らしい昼下がりです。

私も先週から縫物ばかりして部屋に籠っていましたので
久しぶりに、朝からスーパーにお買い物。
まるで啓蟄の虫みたいですね( *´艸`)

普段は食材も日用品もあらかた宅配なので、あまり出かけない私。
スーパーに入った途端、マスクだらけで、
あ!コロナかぁ…と
あまりにも無防備に映るのであろう私は、ちょっと肩身の狭いお買い物となりました。

それにしても、ニュースでは聞いておりましたが
幸い今のところコロナ感染のないこんな田舎町でも、
トイレットペーパー、ティッシュの棚はすっからかん!
買占めリアルを目の当たりにいたしました。

パン屋さんもお総菜コーナーも、全て包装されて、バイキング形式は一時中止にされたみたいです。
それでいてスーパーの袋は有料になり、店内放送で「プラスチックごみを減らし地球環境を保護しましょう」と
店内アナウンスが流れているという
なんともちぐはぐな状況が目の前で繰り広げられていました(笑)

さて、新型コロナウイルスパニックはいつ収まるのでしょうか?
まぁ、医学的科学的にはワクチンなどの手当法が見つからない現状では不安は収まらないのでしょうね。
毎日、毎日、メディアでコロナコロナと煽り立てられて
国会までコロナ一色の様相です。

実際のところ、2019年の9月までのインフルエンザによる死亡者数は3000人を超えており、
1月は一日平均54人が亡くなっているとの発表がされています。
それに比べれば、新型コロナウイルスはそこまでにはまだなってない…。

もちろん予防は大切ですが…。

特に、毎年風邪を引いたり、インフルエンザにかかったりという方は注意が必要だと思います。
もっと免疫力を高めないと、コロナウイルスに感染するリスクは否めません。

除菌や殺菌、この食べ物がいいとか、飲み物がいいとか。
マクロビオティックでも、梅醤番茶がいいとか、塩番茶でうがいをするとか、そんな情報であふれてしまいますが、
場当たり的な対処法では、これからの地球環境を考えると、太刀打ちできない事象が起きるように思います。
人類はこれまでも、細菌やウイルスのような微生物(ウイルスは核を持たないので生物とは言い難いですが)との闘いを繰り返してきたこともあり、どうしてもこれらが敵のように取り扱われ、除いたり殺したり。
共生するという考え方はマイノリティです。
でも、勝つか負けるかは力のバランスが崩れるから起きるわけで、
勝ちもしない、負けもしないバランスを保つことこそ共生の道と思います。
つまり、免疫を常に正常に保つ。
それは、普段からの食や運動や精神を整えることにあるのだと思います。
何が欠けても人はバランスを保てなく心身に不調が起きてしまいます。
それは、実は私もあなたも、すでに経験していることです。
生きるか死ぬかというくらいまでの淵に立たないと、なかなか実感ができませんが、
ちょっと、こんなことあったよなぁって思いめぐらせば、微生物たちとの共生も可能になるのではないかと思います。
私たちにとっては好ましくない微生物もいるでしょうが、きっと助けてくれる微生物もいる。
案外、昔の日本人の暮らし方にヒントがあるのではないでしょうか?



写真の内容は、玄米ご飯、ごま塩、きんぴらごぼう、ふのりと厚揚げのお味噌汁、出汁に使った昆布と干し椎茸の佃煮、季節の野菜を添えました。
普段の基本食はこれにお漬物や梅干しがあれば十分ですね。