ブルーシャムロック

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小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

12月の曇りの日_09

2019-01-26 09:25:23 | 逆襲の藤隆
妖精界、そこには曾て、出来杉を憎んだ男が来ていた。
本来ならば、此処に来ることは不可能である。
しかし、妖精界の女王様の特別の計らいにより、憎んだ男はこの場所に来ていた。
かつてこの妖精界は危機になり、王位継承者であった女王様が命を狙われることが
あった、そんななか危機を救った人々がいた、それは招かれた男も含まれていた。
彼自身、ともに力を合わせた人々とともに勇者として語られているようだった。
「女王陛下、お招きに預かり恐悦至極存じます。」
男は、硬い調子で女王様をみた。
「yy さん、今回貴方を呼んだのはあるものを見せたかったからです。」
普段何もなかったところに、魔法の力で 40 インチほどのモニターが映しだされていた。
「これは・・。僕・・。そしてあの女性は・・・。」
それは、出来杉を憎んだ男が、違う世界では結婚したと言われる出来杉の嫁さんに
拒絶される場面だった。
「yy さん、今から出来杉さんとお勉強に行くの。あなたは此処に来なくてもいい。」
男も、嫁さんも、出来杉も小学生ぐらいだった。
「こんな不様な姿なんて、見せなくても良いのでは。」
男は剣呑な表情をした。
女王様は
「ココカラが面白いのです。」
とにやりとした。
「yy、もうあの女と出来杉に接近するのはやめろ。これから面白いことがあるよ。
きっとあの女に近づくと出来杉が近づく。」
小学生ぐらいの男よりは年上の女性だ。彼女は無理に男を引っ張っていき、
いろいろと見せていた。最後に見せたのは女性と男が、結婚している場面だ。
「あのモニターの世界のあなたも出来杉さんを乗り越えるきっかけを作った。
今のあなたと同じだ。女性にしろ仕事にしろ、いろいろある。」
女王様は言う。
「そうですね。ありがとうございます。未来は変更できると僕は思います。」
男はそういった。
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12月の曇りの日_08

2019-01-25 16:45:20 | 逆襲の藤隆
「本丸、なんで日本に出来杉英才という男のことを調べに行くんだ。
確か、半年くらい前に奥さんが殺害されて、その犯人探しに日本に戻るのか?」
僕、イザヤ・ケーニヒスベルクは日本人城野本丸に尋ねた。
もちろんフランス語でだ。僕はフランス人じゃなくてドイツ人だ。
転職でパリの出版社に勤務している。
「そうだな。俺は出来杉にも興味があるが、出来杉を憎んだ男にすごい興味を感じる。
嫁さん目当てで彼を憎んだのに、殺せなかったのかだよ。」
本丸が言う。
「そう。僕は出来杉本人にインタビューしたい。科学雑誌のジャーナリストとして。」
僕はそういった。
「イザヤ、昔住んでいたフランクフルトの出版社に勤務していた時代の女性がいたけれども、
あの人日本人だってな。」
本丸はデュフフと笑っている。
「独身だと思ったの?彼女獨逸で知り合った男性と結婚しているんだぜ。
何も知らないでフランクフルトに来て、旦那様と出会って、勝手の僕の古巣に
就職して、現在日本人にしても小柄な女性だけれども、僕がパリに引っ越してからは
出版社のインターネット室の室長に登ったんだ。」
と僕は返した。
「イザヤ、君はあの出来杉と同じよく出来る人間だけれども、何か恐れを感じているようだ。」
本丸は言う。彼は好色な部分も含めて多少俗物だ。僕には眞似ができない。
「ああ。今から日本に足を運んで会おうとしている出来杉と同じで、優等生で多くの人に
好かれるけれども、自分を猜むものの影を凄く恐れている。
本丸、あの出来杉という男は文武両道に優れ、性格も良好だが、それが彼のちからを
見せつけて、人に恐怖を与える部分がある。そこに僕は興味を惹かれたんだ。
みんなが憧れる力こそ恐怖に繋がる。人はわからないのだな。そして、そこの微妙な
部分を理解しない・・。」
そういうふうに言う僕に本丸は
「そうだな。そこを恐れて彼を憎んだ人間は出来杉を憎むことをやめたのかもしれない。」
といい、羽田行きのチケットを見ていた。

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12月の曇りの日_07

2019-01-16 17:16:27 | 逆襲の藤隆
現在20歳の僕が、ハンドルを握っている萌美ちゃんのことを見て考えている事。
何故か11/12歳ぐらいのことだ。
いつものように、知世さんや蓮次さんと僕と萌美ちゃんとwデートを楽しむために
横浜に行く飛行機を最寄りの空港で待っていた時だった。
なぜだか萌美ちゃんは、ヤングボンボンだかヤングコロコロのグラビアアイドルの
ビキニのお姉さんの写真を食い入るように見ていた。
僕は少々怖かった。
「このお姉さんが、萌美ちゃん好きなの?」
僕は萌美ちゃんに聞いてみた。
「このお姉さんが着用しているターコイズブルーのビキニ、私に似合うかな浩一郎君?」
萌美ちゃんは聞き返してきた。
「うん。似合うよ。」
僕は適当なことを言った。
「私がこのお姉さんが着用している水着を着るようになってからは、浩一郎君は褌卒業。
私もレースクイーンのワンピース水着から卒業だ。」
萌美ちゃんは答えた。
彼女にはそっけない言葉だったけれども、僕にとっては今も心に残っている。
今度東南アジアのビーチリゾートに行く時、萌美ちゃんの好きな水着で思う存分
泳いで欲しいと考えた。
これでいい。今思えば子供時代から卒業しなければいけなかったから。
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12月の曇りの日_06

2019-01-12 13:13:53 | 逆襲の藤隆
あの時の事故。
僕にはどうすることもできなかった。
あの事故を収集することができる人が言う。
「我々の住む世界だったら、可能だ。君の住む世界では不可能だ。」
彼は冷たかった。彼の相棒である強面のおじさんが
「私どもは簡単に治すことは可能だ。しかし、私達が直してしまったら
君のためにならない。」
と冷たく言い放った、若い女性の姿の人に述べたのを思い出している。
これからは事故の収拾の為に働く。
それを決意したのが、中学校に入学した時だった。
勉強しよう。
そばにいた、出来杉は相変わらず僕に憐れみの表情を見せていた。
僕は
「余計な同情はいらないよ。」
と一言言ったようにも、言わなかったようにも感じる。
もう、出来杉と嫁さんはみんな公認のカップルだったな。
みんなが羨む美男美女才色兼備カップル、文句も言わないよな。
事故の収拾のためならば、彼女は出来杉にくれてやれ。そんなことを言う。
不思議と、自分が強くなれた気がした。
力がある人にとっては滑稽なのかもしれないけれども、僕にとっては
出来杉の未来の嫁さんを失った自分としてはそれが必要だったから。
そして今がある。
出木杉君、君は人のことを悪く言わないいい人だが、
君がそういう態度を取ると、鋭く尖った刃を持つ力を持つものだと
見る角度では思う事をあまり感じないのかな。
それで許してもらったしれないが、他の場所では
君が怖くて、君を破滅に落としこむことが新しい世界の始まりだと
思うんだよ。
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12月の曇りの日_05

2019-01-11 09:29:37 | 逆襲の藤隆
「でも、{先生}は僕のことをまるで娘と結婚する男性のような目で見ていたよ。」
私の彼、朝岡蓮次はハンドルを握っている私をちらりと見た。
私が入れっぱなしにしていた、ブラックモアズ・ナイトだかブリテン諸島のトラッドバンドの
音楽が甲高くなっている。
私平賀知世は、朝岡蓮次と中学校一年の頃から付き合い始めてもう七年立つ。
こいつとは成人の年齢まで付き合うとも考えていなかったので、
びっくりしつつも、苦笑しながら。
「まあ、私は{先生}の愛娘みたいな感じだからね。戸籍上の娘は私が母親だと
思っていた女と{先生}との不義密通の末に生まれて先生が引き取って育てた。
もしかしたら、彼女が出奔したのは、自分の正体を知ったのかもしれない。」
と、私は答えたんだ。
「ああ。そんなものか。」
朝岡蓮次は表情を換えない。彼女が許せないのだ。
戸籍上の娘は、蓮次君にとっては半ば恋敵だ。
そんなことを言ったら、しばらく戸籍上の娘と付き合っとったバーミリオンの方を
憎むべきだが。
「バーミリオンはマゼンタさんがいる。二人は似合いのカップルだよ。
もしかしたら、あの戸籍上の娘を見限ってマゼンタさんと付き合い始めたのは
君とのバランスを取るためだろう。」
蓮次君は素頓狂なことを言う。
「そうね。」
私は苦笑するしか無い。
車は横浜に向かっている。
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12月の曇りの日_04

2019-01-04 10:33:02 | 逆襲の藤隆
現在私の共同研究者は悩んでいる。
かつて憎んだ男を憎んでいないはず、許しているはずなのに、
彼を憎んで殺そうとしている勢力たちに力を貸していると。
彼の名前は出来杉英才という名前らしい。
彼は文武両道の秀才誉れ高い男で、ある女性と結婚したのだが、
歴史が許すならば、私の共同研究者と結婚する運命だったらしい。
しかし、共同研究者は出来杉英才と結婚したらしい。
以前の共同研究者であれば怒り狂ったかもしれないけれども、
「彼に自分の運命を握られるのは御免だ。」
とポツリつぶやいたのだった。
負け惜しみなのか勝利の言葉なのかはわからない。
彼はどこか遠くで誰かを見てきたから、
出来杉英才と女性の結婚を見届けたのだろう
つづく
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