ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

新潟City_rock'a billy_(最終話)

2010-07-13 07:15:13 | 逆襲の藤隆
「朔響氏殺人事件の犯人は警察は解らずじまいです・・・。」
tv は無情にも犯人を特定できないと報道をしていた。
「駄目なんでしょうかね。」
僕は、そう言いながらまたキーボードを叩く。
「まあ、犯人を特定できないから駄目なんだよ。」
漫画家もpen を動かす。
なぜだか知らないけれども1960/70 年代頃の少女漫画のような絵柄。
彼ってそんな器用だったかな思わせるようなpen 運びである。
「まあ、演劇の方も上手くいっているようだな。」
漫画家は僕のメールソフトの立ち上げを見て言う。
「演劇の本部が渋谷にあるんですけれども、そこでメールなどで送っています。」
僕は、そう言って胸を張った。
「上手くいって何よりだな。俺はなんともだ・・。」
漫画家は複雑な顏をした。
「上手くいっていない・・。でも名誉挽回が・・。」
そう言おうとしたとき、
「そう言う気休めはやめてくれよ・・・。」
といって漫画家はペンを走らせた。
「今執筆している映画用の原稿なんだけれども。」
僕は文章を執筆している手を止めて・・。
「現在は推理物を着手している最中で、犯人の容疑の一つとして
対立している人間に圧力をかけるために殺人を犯したという設定も
あるんだ・・・。」
漫画家は
「俺の考えを最終的には支持してくれたようだな。」
と言った。
まあ、これでペンを置きたいと思っている。
終わり
 
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新潟City_rock'a billy_11

2010-07-13 07:14:33 | 逆襲の藤隆
「こんな同人誌もあるんだよな。」
漫画家の同人誌自慢は続く。
今度は楳図かずおと水木しげるを混ぜたような怪奇路線の絵柄である。
「高校時代仲良くしたかった男の事を考えながら、執筆していた。
しかし、彼とは仲良くなれず、自分の周りを変な奴がつきまとった経験だ。」
仲良くしたかった人間は、甘いマスクなのに対して、つきまとった奴は
ぬラリひょんと、のっぺらぼうを混ぜたような物として描かれている。
「俺は、いろいろなところで原稿を執筆してきたけれども、
自由に原稿を描ける處こそ理想だと思っているのだ。」
彼は同人誌を見せながら、ボクの顔を見た。
「それって、ボクのこれまでの人生を見透かしたようだね。」
ボクは一瞬酢の壷に顏をつっこんだような表情をした跡、
大笑いをした。
「まあ、そうなのかな。」
漫画家はばつの悪そうな顏をした。
「ボクも、そんなに原稿執筆したかったら何とか脚本大賞をねらえばいいとか言われたな。」
ボクは又笑った。
「まあ、貴殿もそこまで器用に立ち回ったり、映画やドラマの脚本を書ける体力は
無かった・・・。と自分は考える。」
漫画家はそう答えた。
「まあそうだったりして・・・。」
ボクは窓の外を見た。
つづく
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新潟City_rock'a billy_10

2010-07-13 07:13:41 | 逆襲の藤隆
「生きるためだったろうな。」
漫画家はきっぱりといった。
漫画家は、自分の原稿や本が入っている
引き出し付の本棚から、ある原稿を取り出した。
「同人誌だ。」
見リャ解るじゃないか。ボクはあっけにとられた。
「ビックリしたかい。俺が数年前生きる意味を考えて
執筆した漫画だよ。」
ボクはしげしげと原稿を目にした。
「少女漫画なんだ・・・。」
ボクは心で苦笑しようとしたが、内容に引き込まれる物が存在した。
「なんだか、赤裸々だ。」
ボクはそう言うしかなかった。
ここで内容を言うことは出来ない。
「今度商業誌で実験的に、この絵柄で投稿している。」
漫画家はそう言いきった。
「本当なのかい。」
ボクは面食らっていた。
つづく






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新潟City_rock'a billy_09

2010-07-13 07:12:14 | 逆襲の藤隆
「アガったかい。」
「この煮込み、何處で覺えたんだい。」
漫画家は笑った。
「この前の、繁華街の居酒屋で食べたのを思い出してね。
それを参考に自分流で作ってみたんだ。」
ボクは照れた。
「今度は俺がハヤシライスでも作るのかな。」
かれはそう言って又冷蔵庫をのぞき込んだ。
「同じ事をやっている。」
また、漫画家はそう言っている。
「そうだな・・。實を言うと下北沢で劇団員をしていたとき
よくByteはしたけれども、飲食店でのByteはしたことがない。」
實にボク的に不思議である。
「要するに、なれだと思うんだ。生きるためにお前は新潟に来てからね。」
漫画家はそう言った。
「生きるためか・・・。例の朔響を殺した男も生きるためだったのだろうか?」
ボクは又疑問を口にした。
つづく








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新潟City_rock'a billy_08

2010-07-13 07:11:23 | 逆襲の藤隆
「何かついているのかい?」
僕は漫画家の方を見た。
「何もついていないよ。」
彼は、ふふと笑い乍ら僕を見た。
漫画家はなぜか同人誌を執筆し始めた。
彼の頭の中には、初めて共同生活をし始めた時代のことを
考えているのだろうか。
僕自身、また關東に舞い戻りたいと思っている。
でも、この新潟も悪くないんだ。
また、先日殺された朔響のことが頭によぎってしまう。
気にしてはいけないけれども。
それを気にせず端末のキーボードを叩くのだけれどもね。
「夕ご飯は今日はどっちが作るのかね。」
漫画家が僕を見た。
「私が作る。」
僕は台所と冷蔵庫と見た。
「今日は冷蔵庫には何があるのだろうか。其れを使わなければ行けないな。」
僕は恥ずかしそうな顏で漫画家を見たのだ。
「まあ、お前さんの料理の腕も上がったな。」
この漫画家の乾いたような笑にもなれた。
つづく



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新潟City_rock'a billy_07

2010-07-13 07:10:29 | 逆襲の藤隆
どうも、漫画家です。
私と同居しているPlaywright の男、實を言うと
土佐の人らしいです。
坂本龍馬みたいですな。
もともと土佐から關東に上京して、下北沢の小劇団に在籍していたようです。
でも、そこが彼の理想からほど遠い劇団で、
お笑い至上主義の劇団だったらしいです。
ここの劇団のmotto が、
「これまで話題はSerious よりも下に置かれていて、其れをひっくり返す。」
という處だったようです。
だから、解りやすく、笑を取って、マニアックなのは拒否。
確かに文学の歴史上、お笑いがしたに取られてきた歴史を日本列島は選択してきた
だからといってSerious を的にするのは、實に本末転倒逆恨みもいいところだ
といって、体制内の改革を目指そうとしたけれども、ほとんど相手にもされず
実質的には追放の憂き目だったようです。
まあ新潟市内生まれ新潟市内育ちの私からすれば、ここまで流れてきたのは不思議です。
關東だと、劇団員の息のかかった人間がいるからという事なのでしょうか。
今日も彼は、一生懸命キーボードを叩いております。
つづく

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新潟City_rock'a billy_06

2010-07-12 18:00:29 | 逆襲の藤隆
「まあ、華人圏popsは、日本においては熱狂的な支持者が歪めて・・・。」
新作の映画の脚本を独り言が出ながら執筆している。
「中國とか臺灣が舞台なのかい?」
漫画家が、自分の原稿をのぞき込んだ。
「そういうところだ。Recordコレクションという映画みたいで・・。」
ボクはキーボードを叩く手を休まない。
「俺も、いわゆる華人圏のポップスに嵌った時代があるな・・。」
漫画家は、また私の端末をのぞき込んでいる。
「今回の映画を見る爲にいわゆるc-popを聞いたな・・・。」
ボクは酢を口に入れた顏をした。
「つまらなかった・・・。顔に書いてある。」
漫画家はそう言った。
「宗教的な支持は要らない。それよりも面白いか、つまらないか・・。」
また映画の台詞を端末に入れていく。
つけっぱなしにしていたRadioでは華人圏popsの情報が流れていた。
つづく

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新潟City_rock'a billy_05

2010-07-12 17:59:39 | 逆襲の藤隆
「先日執筆していた原稿劇団でokが出た。」
私は、漫画家にサムズアップで答えた。
「よかったな。」
漫画家は表情を変えずに原稿に向かっていた。
彼が執筆していた原稿はおぞましい
惨殺死体が描かれていた。
「まだ、朔響のことが気になるの?」
私は疑問に思って
漫画家に聞いてみた。
「これはビジネスだよ。生活のためだ。」
漫画家は私の顏の方向を無視した。
實は最近、私も朔響を殺害した人間のことを
ふと考え始めている。
漫画家には内緒だが、
某映画プロデューサーに脚本のオファーが来ているのだ。
そのプロデューサーが演出主査になる企画だ。
つづく

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新潟City_rock'a billy_04

2010-07-12 17:58:53 | 逆襲の藤隆
「そんなに、俺が革命を起こしたいのであるならば起こしてやるよ・・・。」
ぼくは書きかけの戯曲を執筆しながら声に出していた。
「もしかしたら、革命のために朔響は殺された・・・。」
漫画家はぽつりとつぶやいた。
「革命かな・・・。そんなこと無いけれどもな。」
ボクはそうイイながら、ワープロの画面を叩き続けた。
「でも、俺の診断では、出来杉はふるえていたぞ・・。」
彼はかすかな表情の違いもわかる男である。
「ところで、今回の作品は何處に出すんだ?」
漫画家は、俺の端末をのぞき込んだ。
「今回は人気劇団にslapstickを書き下ろすんだ。」
ぼくは胸を張った。
「ああ、あの人気劇団かどうだか・・・。」
漫画家は苦笑していた。
今回の戯曲は、自分が気になっていた男に声をかけようとして
そして、その彼が嫌っていたという経験に基づいた
作品である。
名誉棄損で訴えられなければいいけれども。
つづく



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新潟City_rock'a billy_03

2010-07-12 17:58:04 | 逆襲の藤隆
「本丸が出来杉英才?」
ボクは目を白黒させた。
「ああ。」
漫画家はそう言った。
「もしかしたら、殺された朔響はscapegoatってか。」
ボクは自分を納得させようとした。
「ま、そんなところだろうな。」
なぜだか、漫画家は得意そうな顔だった。
「出来杉を殺そうとした人って・・・。」
ボクは漫画家に聞いてみた。
「意外と小学校ぐらいの幼なじみで、彼と巡って何か抗争をしていて、
それでいて圧倒的な出来杉の力にかなわないが故に、内堀から埋めていく
それが、俺の推理だ。」
漫画家は持論をたたき出した。
「彼は動揺しているかな。」
ボクの問いに
「あそこのモニターを見てみな。出来杉英才が出ているぜ。」
漫画家はBuildingに据え付けられた巨大モニターに映し出された
出来杉英才をみていた・・・。
彼は自分は潔白だ、自分は疾しいところはないと弁解しているようだった。
つづく







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