僕自身、鶴見で生まれ育った、大学で知り合ってから付き合っている神戸出身の
彼女は、いま元住吉に住んでいる。
僕は、彼女を自分の生まれ育った街のお祭りに案内しようと思った。
「待った。」
彼女は言う。
「ううん。」
多少正解で多少嘘だ。
「そういえば、鶴見では沖縄のエイサーをやっているんだよね。」
僕は言う。
「そうなんだ・・・。」
彼女は言う。
「どうちたの?」
僕はおどけてみせた。
「私の家族のことを話していないよね。」
彼女の言葉に確かに大学時代そんなことを聞いていなかったのを思い出す。
「うん。お祭りを楽しんでからにしよう。」
僕は言う。
人だかりができている。いよいよエイサーが始まるようだ。
沖縄にルーツのない僕はエキゾチックで面白い催し物だ。
大きな太鼓を抱える人と、小さな太鼓の人が伝統衣装に実を包んで踊る。
「テーンテーンヨーテンテーン」
歌い踊る一団の歌に彼女は耳をそばだてていた。
「これ、知っている。母方の祖母がよく歌っていた。祖母は沖永良部島の出身なんだ・・・。」
彼女のことばに、沖縄と沖永良部島の違いがわからない僕は半信半疑だ。
「でっしゅいはじめたら・・。」
この曲も
「また沖永良部島の曲だ・・・。」
と彼女。
その後、また違う曲になった。僕にはわからないけれども、彼女が興味がなさそうなので
沖縄の曲なんだろうな・・・。
と僕は思った。
「神戸の君の家族に会いたい。」
僕はひとこという。
「そうね。」
彼女はなんとも言えない顔だった。
彼女は、いま元住吉に住んでいる。
僕は、彼女を自分の生まれ育った街のお祭りに案内しようと思った。
「待った。」
彼女は言う。
「ううん。」
多少正解で多少嘘だ。
「そういえば、鶴見では沖縄のエイサーをやっているんだよね。」
僕は言う。
「そうなんだ・・・。」
彼女は言う。
「どうちたの?」
僕はおどけてみせた。
「私の家族のことを話していないよね。」
彼女の言葉に確かに大学時代そんなことを聞いていなかったのを思い出す。
「うん。お祭りを楽しんでからにしよう。」
僕は言う。
人だかりができている。いよいよエイサーが始まるようだ。
沖縄にルーツのない僕はエキゾチックで面白い催し物だ。
大きな太鼓を抱える人と、小さな太鼓の人が伝統衣装に実を包んで踊る。
「テーンテーンヨーテンテーン」
歌い踊る一団の歌に彼女は耳をそばだてていた。
「これ、知っている。母方の祖母がよく歌っていた。祖母は沖永良部島の出身なんだ・・・。」
彼女のことばに、沖縄と沖永良部島の違いがわからない僕は半信半疑だ。
「でっしゅいはじめたら・・。」
この曲も
「また沖永良部島の曲だ・・・。」
と彼女。
その後、また違う曲になった。僕にはわからないけれども、彼女が興味がなさそうなので
沖縄の曲なんだろうな・・・。
と僕は思った。
「神戸の君の家族に会いたい。」
僕はひとこという。
「そうね。」
彼女はなんとも言えない顔だった。