夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈か行〉

2014年12月23日 | 映画(か行)
《か》
『風にそよぐ草』(原題:Les Herbes Folles)
2009年のフランス/イタリア作品で、2011年公開、今年DVD化。
歯科の女医マルグリットは、買い物帰りにバッグをひったくられる。
金を抜き取って捨てられた財布を拾ったのが初老男性ジョルジュ。
財布の中を確認した彼は、小型飛行機操縦免許証の顔写真を見て恋に落ちる。
警察に届けたところ、マルグリットからお礼の電話がかかってくるのだが……。
なんだか不愉快、意味不明で苦笑いしてしまう展開。
ジョルジュは、会いたいと言ってくれないマルグリットにぶちキレ。
もうええわとキレたくせに、マルグリットの自宅を訪ねて手紙&電話攻め。
マルグリットもジョルジュのことが気になって仕方なくなります。
理解しがたいのが、ジョルジュは既婚者で、綺麗な奥さんに何でも話す。
奥さんは旦那のビョーキが出たと思うのか、マルグリットにもとても親切。
最後はマルグリットの操縦する飛行機にジョルジュ夫妻が乗って墜落。
私にはジジイの妄想にしか思えず、まったく笑えなかったけれども、
今年3月に91歳でお亡くなりになったアラン・レネ監督、
ま、こんな夢を見ていたとしたらそれもええのかなと。

《き》
『消えたシモン・ヴェルネール』(原題:Simon Werner a Disparu...)
昨年末に公開された、2010年のフランス作品。
パリ郊外で高校生シモンが失踪、血痕が発見されて捜査がはじまる。
シモンに続き、レティシア、ラビエも失踪するのだが……。
彼と同じ高校にかよう生徒、ジェレミー、アリス、ラビエの視点に分け、
同一の時間軸に何が起こったかを徐々に明らかに。
最後はシモンの視点から描いて真相がわかります。
この手法は『明日、君がいない』(2006)や『桐島、部活やめるってよ』(2012)を思い出させます。
へぇ、このときにこんなことが!みたいな面白さはありますが、
え、オチはそれ?みたいなあっけなさも。まぁこんなもんかなぁ。

《く》
『黒いスーツを着た男』(原題:Trois Mondes)
2012年のフランス/モルドヴァ作品。
自動車販売会社に勤務するアルは、社長の娘の心を射止め、逆玉に乗ることに成功。
10日後に結婚式を控え、友人である同僚たちとバカ騒ぎ。
その帰り道、自らが運転する車で歩行者を轢いてしまう。
友人らにここは任せておけと言われて逃走するが、
すぐ近くのアパルトマンに住むジュリエットが一部始終を目撃していた。
被害者はモルドヴァから来た不法滞在者のアドリアンと判明。
アドリアンの妻ヴェラに連絡を取ったジュリエットは、親身に相談に乗る。
不法滞在ゆえに十分な経済的補償を受けることは困難、ヴェラは困り果てている。
そんなとき、ジュリエットは偶然アルを発見、交渉を開始する。
しかし、思いのほかアルが善人だとわかり、惹かれてゆくのだが……。
アル役のラファエル・ペルソナーズはフランスで“アラン・ドロンの再来”と言われているそうな。
確かにとても美しい顔立ちのイケメンですが、アラン・ドロンと比べるとちとオーラが薄い。
が、貧しい家庭から成り上がったはずのアルが、
すべて失う覚悟ができたときの表情はなんともいえず○。

《け》
『ケンとメリー 雨あがりの夜空に』
深作健太監督、竹中直人主演によるロードムービー。
しがないサラリーマンの健(竹中直人)は、仕事を優先するあまり、
最愛の妻の死に目にも立ち会えず、一人娘のゆかり(北乃きい)から嫌われたまま。
このたび、マレーシアで日本語教師を務めるゆかりが結婚することになったが、
父親である健は招待されないばかりか相手を紹介すらしてもらえない。
挙式時期に無理やりマレーシア出張を取りつけて現地へと向かったところ、
悪天候によってマレーシアはマレーシアでも全然知らない空港へ緊急着陸。
途方に暮れていると、派手なトラック「小龍号」に乗った若い中国人男性が現れる。
ゆかりの友人だというその男メリーは、健を挙式会場まで連れて行く気満々で……。
タイトルどおり、RCサクセションの名曲が随所に使われています。
健がこよなく愛するRCサクセション、忌野清志郎様。
そのバッタもんを本家本元と信じるメリーとトラックの中で大喧嘩。
実はメリー(ルイ・ヴィトン初の中国人専属モデルらしく、イケメン)がゆかりの結婚相手。
展開の読めるドタバタムービーながら、“スローバラード”も効いて安心の1本。

《こ》
『恋するリベラーチェ』(原題:Behind the Candelabra)
スティーヴン・ソダーバーグ監督が描く、実在のピアニストをめぐる愛憎劇。
1950年代から1980年代にかけて、
悪趣味とも言える派手な衣装と奇抜なステージで人気を博したピアニスト、リベラーチェ。
絶頂期にあった1977年、彼は自分好みの青年スコットと出会う。
リベラーチェはスコットを住み込みの秘書として雇うことに決め、
獣医を目指していたスコットは養父母の反対を押し切り、
リベラーチェの豪邸に移り住むのだが……。
原題は“Behind the Candelabra”で、“Candelabra”は「枝付き燭台」の意。
リベラーチェがピアノの上に常に飾っていた燭台のことです。
ゲイを演じるマイケル・ダグラスマット・デイモンの化粧顔に、
もっと笑える話だと思っていたら、ちっとも笑えず。こんなシリアスだったとは。

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