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『家族はつらいよ』

2016年04月02日 | 映画(か行)
『家族はつらいよ』
監督:山田洋次
出演:橋爪功,吉行和子,西村雅彦,夏川結衣,中嶋朋子,林家正蔵,
   妻夫木聡,蒼井優,笹野高史,木場勝己,笑福亭鶴瓶他

前述の『僕だけがいない街』とハシゴ。
同じくTOHOシネマズ伊丹にて鑑賞しました。

山田洋次監督が『東京家族』(2012)のキャストを再結集。
シリアスなドラマだった『東京家族』と同じ顔ぶれなのに別物。
笑って泣ける温かい喜劇に仕上げるという遊び心が嬉しい。
『東京家族』の舞台は「つくし野」でした。
本作の舞台はそこから東急田園都市線に乗れば移動できる「青葉台」。
この辺にも監督の茶目っけが見受けられます。

三世代が同居する平田一家。
主の周造(橋爪功)はお気楽な隠居の身、ゴルフと酒に明け暮れる日々。
この日も美人女将(風吹ジュン)のいる店で友人と飲んで上機嫌。
妻・富子(吉行和子)の誕生日当日だったことも忘れていた。
富子に「何かほしいものがあれば言えよ。あまり高いものは駄目だぞ」と声をかけると、
ニッコリとほほえみながら富子が差し出したのは離婚届。
戸籍謄本を取り寄せるための450円だけ必要らしい。

自分たちの母親が父親に別れ話を突きつけたなどとは夢にも思わない子どもたち。
長男・幸之助(西村雅彦)は仕事一筋で、家庭のことは妻・史枝(夏川結衣)に任せっきり。
家を出て税理士として稼ぎまくる長女・成子(中嶋朋子)は、
税理士事務所を手伝う夫・泰蔵(林家正蔵)と喧嘩ばかり。
騒々しい一家の緩衝材となっている次男・庄太(妻夫木聡)は
交際中の看護師・憲子(蒼井優)にプロポーズしようと決意したところ。

ようやく富子が周造に離婚宣言をしたことを知り、家族は大慌て。
どうにかして離婚を思いとどまらせようと緊急会議を開くのだが……。

先は読める展開なのですが、人情に溢れていてとにかく楽しい。
芸達者が揃っているので、表情だけで笑わせてくれるし、間合いが絶妙。
山田洋次監督の作品はいつも日本語が綺麗ですが、
だから余計に気になった風吹ジュン演じる女将の1箇所だけ「ら抜き」
それがなかったら完璧だったのになぁ(笑)。

この日の客ではおそらく私が最年少。
観客の平均年齢は70歳といったところ。
共感能力のバリ高い年齢層で、劇場内は爆笑につぐ爆笑でした。
そこまでウケると、そんなに笑うかと思わないこともないですが、
笑顔が溢れる劇場で観るのは良いものです。
特別出演の笑福亭鶴瓶が顔を出しただけでも大爆笑でした。

『東京家族』でも蒼井優演じる次男の彼女の言葉に泣いた記憶があります。
今回も同じで、周造に向けた憲子の言葉が胸に響きました。
やっぱり、「言わなわからん」

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