夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』

2017年02月03日 | 映画(さ行)
『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』
監督:新藤風
出演:伊東蒼,安藤サクラ,金城実,山田真歩,渋川清彦,角替和枝,でんでん他

『新宿スワンII』『劇場版 黒執事 Book of the Atlantic』を観て、
台湾在住の友人との待ち合わせ場所、新阪急ホテルの空港リムジンバス乗降場へ。
NU茶屋町プラスで軽食を摂り(私はかなりガッツリ)、テアトル梅田へ。

実はこの友人とは在学中はほとんど(全然)話したことがありませんでした。
それがフェイスブックでつながって、本や映画の話をするうちに、
ほなら次回の帰国時に一緒に映画を観ようかということになったのでした。
楽しい映画がいいな~と言われていたし、
台湾では東野圭吾が絶大な人気を誇っているので、
『疾風ロンド』(2016)を観ることも考えましたが、時間が微妙に合わず。
向こうで日本語学校の教鞭を執る友人は、吹奏楽にも関わっているとのこと。
ならば音楽の話がいいかもしれないと本作をチョイス。

友人のめっちゃ可愛く知的な長女さんも一緒でした。
彼女は大学の日本語学科にかよっているそうで、もちろん日本語ベラベラ。
しかも彼女のお母さんが関西出身のせいで、イントネーションは関西弁。いいねぇ。
会場前に「台湾の映画館ってどんなん?」と尋ねたら、
「もうちょっとボロい感じです」と言っていました。
台湾で上映される邦画はいうほど多くないのだろうと思っていたら、
こちらのシネコンでかかる映画が台湾で上映される確率は非常に高いようです。

御大・新藤兼人のお孫さん、新藤風監督。
兼人監督の晩年には同居し、公私ともに祖父を支えたそうです。

さて本作は、沖縄民謡“島々清しゃ”をモチーフにした作品。
ゆるゆると進むので、ちょっと眠くなりそうな。
実際、後ろの席の男性は豪快にいびきをかいて爆睡されていました。(^^;

沖縄の慶良間諸島。
小学生の花島うみ(伊東蒼)は耳が良すぎて周囲の音に過敏。
吹奏楽部軽音楽部の練習が始まると、
「ちんだみ(=チューニング)が狂っている」と言って暴れ出す。
そのせいで他人とコミュニケーションが取れず、孤立している。

うみのことを理解できないのは肉親でも同じ。
うみの母・さんご(山田真歩)は歌と踊りが苦手で、
彼女が歌うとうみが耳を塞ぐため、那覇に出て行ってしまった。
歌と踊りが上達するまでは島に帰ってこないつもりらしい。

そんなうみの唯一の理解者は祖父の昌栄(金城実)。
三線(さんしん)の名手で、彼の演奏を聴くときだけはうみも落ち着いているのだった。

ある日、東京から島に音楽の指導に訪れたヴァイオリニスト・北川祐子(安藤サクラ)。
彼女が奏でるヴァイオリンの音色もまたうみの心を落ち着かせる。
吹奏楽部と衝突を繰り返すうみに興味を惹かれた祐子は、交流を図るのだが……。

正直なところ、沖縄の映画に出演する沖縄の人の演技は、
上手いのか下手なのかまったくわかりません。
おじいの昌栄の台詞など、棒読みなのかと思われるし、
最初に居酒屋で弾く三線の音を聴いても、祐子の言うように綺麗だとは思えない。
それが物語が進むうちに良い音だと思えてくるから不思議です。

私のお気に入り、安藤サクラは、本作ではインパクト小。
『百円の恋』(2014)の彼女に敵う作品はいまのところないでしょう。
これも私のお気に入り、管楽器のトレーナーに就任する真栄田役の渋川清彦
やっぱりイイです。好きだなぁ。
さんごと那覇で酒を飲む役ででんでんもちらりと登場しています。
渋川清彦とでんでんが共演していた『下衆の愛』(2016)をこの間DVDで観たばかり。
それもめっちゃ面白かったから、私の渋川清彦熱はしばらく冷めず。

近所の意地悪なおばちゃん役で角替和枝も登場。
安藤サクラとは実生活で嫁と姑の関係。
そんなところが楽しめれば、いい作品なのではないかと思います。

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