夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『しあわせへのまわり道』

2015年09月06日 | 映画(さ行)
『しあわせへのまわり道』(原題:Learning to Drive)
監督:イザベル・コイシェ
出演:パトリシア・クラークソン,ベン・キングズレー,ジェイク・ウェバー,
   グレイス・ガマー,サリタ・チョウドリー,ダニエラ・ラヴェンダー他

TOHOシネマズ西宮で3本ハシゴの3本目。

ニューヨーカー誌に掲載されたエッセイを基にした作品だそうです。
前述の『わたしに会うまでの1600キロ』リース・ウィザースプーンが脱いでいるのに驚き、
本作ではパトリシア・クラークソンが乳首を見せているのに驚きました(笑)。

マンハッタンに暮らすウェンディは売れっ子の書評家。
夫のテッドはヒモ同然と言っていいほど稼ぎがないが、知的で優しい。
娘のターシャにも恵まれて、自分の人生は順風満帆だと思っていた。

ところがある日突然、20年以上連れ添ったテッドから別れを切り出される。
逃げるようにタクシーに乗り込む夫を追いかけ、車内で罵倒。
テッドは愛人のもとへ行くらしく、ウェンディを残してとっととタクシーを降りてしまう。

タクシーの運転手はインド人のダルワーン。
副業で自動車教習の教官も務めている彼は、
教習車でウェンディの自宅へと忘れ物を届けに行く。

立ち直れないでいるウェンディだが、車の運転だけは夫任せにしていたために、
離れて暮らす娘ターシャに会いに行くこともできずにいた。
ダルワーンの車を見て一念発起、自動車教習を受けることにするのだが……。

邦題の妙、『死ぬまでにしたい10のこと』(2003)が人気を呼んだ、
スペイン人の女流監督のイザベル・コイシェ。
『エレジー』(2008)でも起用したベン・キングズレーをダルワーン役に。

離婚を言い出されて涙に暮れるウェンディに対して、
過酷な人生を歩んでいるダルワーンが控えめにかける数々の言葉。
ターバンを着けていれば街で嫌がらせを受けることも多いのに、
外せば自分を見失いそうだからと決して外そうとしない彼の姿に、
異国で生きることの難しさも感じます。

邦題の策も尽きたかと思われるようなこの邦題には駄目だしさせていただきたい。
そして、良作は良作なのですが、正直なところ、もっと良いと思っていたので、
ちょっと物足りなさを感じます。
何しろこの日は『テッド2』で泣かされているから、
これは確実に泣くだろうと思っていたら、意外にあっさり。
パトリシア・クラークソンとベン・キングズレーが偉大な俳優であることは間違いないだけに、
もっと余韻がじわじわ来る作品を期待してしまいますねぇ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『わたしに会うまでの1600キロ』 | トップ | 『ヴィンセントが教えてくれ... »

映画(さ行)」カテゴリの最新記事