夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アス』

2019年09月20日 | 映画(あ行)
『アス』(原題:Us)
監督:ジョーダン・ピール
出演:ルピタ・ニョンゴ,ウィンストン・デューク,エリザベス・モス,ティム・ハイデッカー,
   シャハディ・ライト・ジョセフ,エヴァン・アレックス他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
監督デビュー作の『ゲット・アウト』(2017)がめちゃめちゃ面白くて、
かつめちゃめちゃ怖かったジョーダン・ピール。
『カメラを止めるな!』(2018)じゃないけれど、話題作を撮ると次作が大変。
ピール監督は次はどんな手で来るのかと思ったら、笑うほど怖くて面白かった。
いんや〜、もう凄すぎる。
 
夏休みにカリフォルニア州サンタクルーズを訪れたウィルソン一家。
夫ゲイブ、妻アデレード、娘ゾーラ、息子ジェイソンの4人家族。
宿泊するのはアデレードが幼少期に暮らしていた家で、今は別荘として使用している。
 
明日の過ごし方をゲイブに問うたアデレードはその返事に怯える。
ゲイブは海に行こうとはしゃいでいるが、
実はアデレードには家族に話していない恐怖の思い出がその海にある。
 
幼かったアデレードは、両親と共に海沿いの遊園地へ。
両親が目を離している隙に迷い込んだミラーハウスで、
鏡に映る自分、しかし対照ではないから自分そっくりの別人を見たのだ。
 
そのことを思い出して不安に襲われていたところ、
家の前に自分たちそっくりの4人が現れて……。

怖かったけど平気だと思っていました。
こうして書いていると恐怖が蘇ってきてしまった(泣)。
 
ドッペルゲンガー、怖いよ。
そのうち町中がドッペルゲンガーだらけになるんですが、
言葉を喋れるのはアデレードのドッペルゲンガーのみ。
ほかのドッペルゲンガーは奇声を発するのみ。
走り方とかは『スプリット』(2017)のアイツみたいな感じで、
あんなのに追いかけられたら、そらもう駄目でしょ。
 
そこを一家4人で戦い抜く。
娘も息子も途中で自分だけ逃げ出したりしない。
何人殺したと自慢しているシーンなんかは笑っちゃいます。
ドッペルゲンガーだから、どのキャストも一人二役なわけですが、
子役も含めて全役者、驚愕するほど上手い。
 
暗いだけのサスペンススリラーではなくて、そんなふうに笑えるシーンもいくつか。
警察を呼ぼうとしているのに音楽がかかってしまうところなども、
現代の便利グッズを皮肉っていて可笑しい。
 
ハッピーエンドが待っていると思いますか。
嫌すぎてまた笑ってしまうバッドエンド。おみそれしました。
 
私たちは貧困をどう捉えているのか。
何度も登場するエレミヤ書11章11節は、旧約聖書の預言書の1節で、
「民が神の声を聴かないから、神はもう民を助けない」という意味なのだそうです。
怖い、ほんとに怖い。

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