夜な夜なシネマ

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『引っ越し大名!』

2019年09月06日 | 映画(は行)
『引っ越し大名!』
監督:犬童一心
出演:星野源,高橋一生,高畑充希,山内圭哉,正名僕蔵,丘みどり,
   向井理,小澤征悦,濱田岳,西村まさ彦,松重豊,及川光博他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
原作は“超高速!参勤交代”シリーズの土橋章宏。
同著者原作の『サムライマラソン』も今春映画化されたばかり。
今回は犬童一心監督がメガホンを取っています。
 
前述の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』もよく客が入っていましたが、
こちらもかなりの入り。子ども連れの人もいたりなんかして、安心の1本。
万人受けすると思われます。
 
時は江戸時代前期。
姫路藩主・松平直矩(及川光博)は小納戸・柳沢吉保(向井理)の機嫌をどこで損ねたか、
豊後藩日田国への国替えを突然命じられる。
国ごと引っ越すという一大事業だから、その厄介さは参勤交代のはるか上。
ただでさえ大変なところ、減封まで言い渡されて呆然。
 
用意できる金も限られるなか、誰が引っ越しの段取りを組むのか。
引っ越し奉行を命じられそうになった鷹村源右衛門(高橋一生)は、
体力と武力には自信があるが、知力に自信がない。
そこでふと思いついたのが、書庫版を務める片桐春之介(星野源)のこと。
 
人と話すのが超絶苦手な本の虫。
だから書庫にこもっていられるこの仕事が好きだった。
「かたつむり」と呼ばれるほど表に出てこない春之介は、
引っ越し奉行などとんでもないことだと断ろうとするが、
引き受けるか切腹かの二択を迫られる。
 
致し方なく引き受けたものの、何をどうしてよいのやらさっぱりわからず、
引っ越し奉行の前任者の娘・於蘭(高畑充希)に相談しようとするのだが……。

とても楽しいです。
 
戦(いくさ)とは、剣を合わせるばかりではない。
理不尽な国替えを言い渡されて、やり通す。
藩に暮らす人々にとってはこれも戦。
 
春之介が金を借りに行ったさい、
「あれはきちんと金を返す奴の土下座だ」という商人役・岡山天音の台詞にジーン。
土下座って、見ていて気持ちのいいものではありませんが、
こんなふうに人の心を動かす場合もあるんだなぁ。
 
最初は人前でしゃべれなかった星野源演じる春之介の顔つきがどんどん変わります。
自分では何もしないくせに偉そうにしている奴をぎゃふんと言わせてもうスッキリ。
高橋一生はやっぱりなんだか色っぽいし、
春之介にほだされて協力する勘定方役の濱田岳もいい。
出番が少なくても光るピエール瀧には、もう薬に手を出すことなく更生してほしい。
 
楽しいから、気が滅入っている人、どうぞ。

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