舞台は昭和63年の夏、山口県下関市。
17歳のまー君は、父親 円とその愛人 琴子さんとの3人暮らし。
実の母親 仁子さんは、まー君を産んですぐに家を出て魚屋を営んでいます。
彼女は左手首を戦争で失い、結婚も上手くいかなかったところ、年下の円と知り合い結婚するのですが、
円には暴力的な性癖があるため愛想を尽かし家を出たのでした。
父親を疎ましく思うまー君ですが、父の血を引く自分も同じなのではと気づくようになり・・・・。
芥川賞を受賞された田中慎弥さんの小説が映画化されたもの。
授賞式での「もらっといてやる」のコメントが話題になりましたね。
小説を読んでみようかなとも思ってたんですが、映画が公開されたので観に行ってしまいました。
よくストーリーも知らずに行ったんですが、R15指定ということでちょっとはエグいシーンも
あるのかな~って思ってたんですが、性描写が多いのに吃驚でした。
純文学作品だそうですが、一歩間違えたら昔のポルノ映画みたいな雰囲気です。
デートやお茶の間で見たら、気まずい空気が流れそうですね~。
昭和63年の設定なんですが、なんだかもっと昔のように思えてしまったんですが。
風景とか人とか、汗ばんではるし。
実の母親に「あの男の血を引くのはあんただけでいい」とか「父親の血が流れてるんだから」とか
言われ続けたら、記憶にインプットされて嫌でもそうなってしまいそう。
まー君は優しい子なのになんだか可哀想です。ずっと悩んでるし。
絶対言ってはいけない言葉だと思うな。
しかし父ちゃんは最低ですね。病気なんですかね。
こんな人が普通にいると思ったら怖いです。
光石さんが父ちゃん役をされてたんですが、ヒミズに続いて怖かったです。
愛人役の篠原さんも、一見ぽ~っとした中にしたたかさが感じられて印象に残りました。
この方初めて見たんですが、映画を見てる時からこの人誰なんだろうと気になってました。
でも一番凄いなと思ったのは田中裕子さん。なんか強烈なものを感じました。
ラストは原作にオリジナルエピソードが追加され、希望が持てるラストになってるとのことですが、
唐突に終わったのでちょっとえ?って感じでした。
最低な父ちゃんと悩み続ける息子、強くなっていく女性たちって感じでした。
昭和から平成になり、女性の時代になっていくってことなんでしょうか。
63年の設定ってそういうことだったのかな。
劇中に流れる「帰れソレントへ」のギター演奏が心に沁みました。
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>唐突に終わったのでちょっとえ?って感じでした
そうなんですよね。。。
あれ?そうなの~??みたいな感じでしたね。
私も昔の日活のポルノ映画みたいって思いました(笑)
>劇中に流れる「帰れソレントへ」のギター演奏が心に沁みました
本当にあれはよかったですね~
終わったあとモヤモヤが残る映画でしたが、「帰れソレントへ」が何か希望を持たせてくれるように感じました。
ギターでの演奏が良かったですね。