軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

今月の雲場池(6月)

2023-06-30 00:00:00 | 軽井沢
 関東甲信地方の今年の梅雨入りは6月8日ごろであったが、これは例年とほぼ同時期である。雲場池の定点写真で見ても5月下旬以降ずっと曇り空が続いていて、すっきりと晴れる日はあまりなく、青空がのぞいている写真も少ない。


5月28日撮影

6月5日撮影

6月11日撮影

6月20日撮影

6月27日撮影

 水鳥の数も種類もどんどん減っていき、一時どうなることかと気になっていたマガモ♀は6月中旬頃までいたが、その後姿が見えなくなり、コガモも姿を消し、6月の主役はカルガモの親子になった。

 そのカルガモの母親が9羽のヒナを伴っているところを初めて見たのは、6月1日であった。雲場池で子育てをするカルガモのヒナの数は昨年が7羽、その前の年は3羽であったので、年々増えていることになる。

9羽のヒナを連れたカルガモの母親(2023.6.1 撮影)

 今月はこのカルガモのヒナの成長を追うことになった。

カルガモの母と9羽のヒナ (2023.6.7 撮影)


カルガモのヒナ 1/2(2023.6.7 撮影)

カルガモのヒナ 2/2(2023.6.7 撮影)

 母親に伴われて、前日まで元気に育っていると見えたヒナ達であったが、翌日、6月8日にヒナの数は7羽に減少していた。周辺を目で探ってみたがやはり見当たらない。親子は雲場池を広範囲に移動しているので、どこかではぐれてしまったのか、それとも何か事故に遭ったのか。

カルガモのヒナの数が7羽に減っていた(2023.6.8 撮影)


カルガモのヒナ(2023.6.8 撮影)

 その後もカルガモのヒナの数は元の9羽に戻ることはなく、2羽のヒナの行方は分からないままである。

全速力で競争しているような6羽のヒナ(2023.6.12 撮影)

羽ばたくしぐさはするが、まだ羽はごく小さい(2023.6.12 撮影)

6羽が一緒に行動する(2023.6.12 撮影)

1羽だけヒナの集団と母親の後ろからついていく(2023.6.12 撮影)

母親を取り巻くようにして揃って泳ぐ7羽のヒナ(2023.6.12 撮影)

母親と7羽のヒナ(2023.6.12 撮影)

 15日には小池の方に移動しているのが見られた。遊歩道と池水面との段差は30ー40cm程はあるが、ヒナ達は何とか乗り越えて行き来していることになる。以下成長の様子を日を追ってみていく。

 近くにいればその存在がよく目立つはずのカルガモの親子であるが、実際には散歩をしていても、毎日出会うわけではない。私は雲場池を1周するのを日課にしているが、どこにも見当たらないことがしばしばである。

 池の中に生えている植物は大きく成長しているので、その中に入って、じっとしていたり、池の中央にある小島に上陸して休息したりしていることがあるのだろうと思っている。

小池に移動した母親と7羽のヒナ(2023.6.15 撮影)

小池の7羽のヒナ(2023.6.15 撮影)

遊歩道に上った母親と小池に残る7羽のヒナ(2023.6.15 撮影)

小池を泳ぐカルガモ親子と池の大きなコイ(2023.6.15 撮影)

成長したカルガモのヒナ(2023.6.20 撮影)

大池で餌を探す母親とヒナ(2023.6.20 撮影)

橋のたもとに上った母親を追う7羽のヒナ(2023.6.20 撮影)

橋のたもとで休息する母親と7羽のヒナ(2023.6.20 撮影)

 このころからヒナの行動範囲が広くなってきたのか、親子が揃っているところを見かけなくなってきた。ヒナはさらに大きくなり、顔つきも親に似てきた。

カルガモ親子(2023.6.23 撮影)

カルガモのヒナ(2023.6.24 撮影)

羽ばたくしぐさのカルガモのヒナ(2023.6.24 撮影)

カルガモ親子(2023.6.24 撮影)


カルガモのヒナ(2023.6.25 撮影)

 ヒナ達もずいぶん大きくなってきたなと思いながら遊歩道を歩いていた6月26日の朝、2羽のカルガモのヒナが寄り添っているのが見えた。前日まで見てきたヒナ達に比べるとかなり小さく、次のようである。

突然姿を見せた2羽のカルガモのヒナ 1/2(2023.6.26 撮影)

突然姿を見せた2羽のカルガモのヒナ 2/2(2023.6.26 撮影)

 この2羽のヒナはすぐにキショウブ(黄菖蒲)の群生している中に隠れて見えなくなったが、辺りに親の姿や他のヒナ達の姿はなく、もしかしたら行方不明になっていた9羽のヒナの中の2匹かと思えたが、それにしてはずいぶん成長度合いに差があるようなので、別の個体の可能性がある。

 その翌日は、この2羽のヒナの姿も、いつもの7羽のヒナたちの姿も見ることはなかったが、今度は別荘地の中を流れる小川の中に親鳥と一緒にいる1羽のヒナを見つけた。このヒナもまた前日の2羽のヒナと同じくらいの成長度合いに見えた。

雲場池沿いの別荘地の中を流れる小川でみかけたカルガモ親子 (2023.6.27 撮影)

 1日散歩を休んで出かけた6月29日の朝、雲場池の奥では様子が一変していた。一面に茂っていたキショウブが橋の手前まですべて切り払われていた。


パノラマ撮影した橋の両側の様子(橋の右が上流:2023.6.29 撮影)

 26日に見かけた2羽のヒナはこの茂みに消えていったのであったが、この日ヒナの姿は見えなかった。

 橋から上流部のキショウブなどは残されていて、そこにはこれまで見てきたカルガモの親子の姿があった。

中央の橋の上流部に移動していたカルガモ親子(2023.6.29 撮影)

 更に上流に進むと最上流部近くの流れの中に生えていた植物も切り払われていて、2人の作業員が反対側の遊歩道で下草の手入れをしているところであった。

 この時、上流部から一斉にカルガモの親子が飛び出してきて流れに乗って下流に移動し始めた。


雲場池の最上流部から飛び出してきたカルガモの親鳥(左側)と12羽のヒナ(赤丸印:2023.6.29 撮影)


飛び出してきた最後のヒナと共に下流に移動する親鳥(2023.6.29 撮影)

 この親子はこれまで観察してきた親子とは別で、次々と現れるヒナを数えると12羽いることが判った。26日と27日に見たヒナ2羽や親子はこの一部を見ていたのだろうか。判らなくなってしまったが、引き続き観察していくことにする。

 さて、カルガモの親子の紹介が長くなってしまったので、6月の雲場池周辺の様子を以下簡単に紹介する。

 先月まで元気に囀っていたミソサザイは、子育てが始まったようで、静かになった。これに代わって雲場池周辺の高い木の上からキビタキの鳴き声が聞こえるが、なかなか姿を見せない。

キビタキ♂(2023.5.31 撮影)

 次の動画でキビタキの囀りを聞いていただく。

 
キビタキの囀り(2023.6.3 撮影)

 シジュウカラやジョウビタキも子育て中と見え、大きな虫を捕まえたり、たくさんの虫を咥えたりするところを見るようになった。

大きな虫を咥えるシジュウカラ(2023.5.31 撮影)

たくさんの虫を咥えるジョウビタキ♂(2023.6.24 撮影)


虫を咥えて巣に運ぶジョウビタキ♀(2023.6.24 撮影)

 このほか、コサメビタキ、メジロ、ヒヨドリの姿を撮影できた。

コサメビタキ(2023.6.17 撮影)

メジロ(2023.6.17 撮影)

ヒヨドリ(2023.6.17 撮影)

 植物では別荘地の庭にギンリョウソウや各種キノコ類が出てきた。モンローの唇(イオウゴケ)は冬も消えずにいたが、赤の鮮やかさが増したようである。

珍しく大きな株のギンリョウソウ(2023.6.24 撮影)


ギンリョウソウ 1/2(2023.6.17 撮影)

ギンリョウソウ 2/2(2023.6.20 撮影)

別荘地の庭に出てきたタマゴタケ(2023.6.23 撮影)

カサが開いたタマゴタケ(2023.6.26 撮影)

別荘の苔庭に出てきた大きいキノコ群(ヤマドリタケモドキの仲間?:2023.6.24 撮影)

小さなキノコ群(2023.6.16 撮影)

浅間石の隙間から顔を出したキノコ(アシベニイグチの仲間?:2023.6.16 撮影)

モンローの唇(イオウゴケ:2023.6.16 撮影)

 チョウの種類は相変わらず少ないが、僅かにスジグロシロチョウとヒメキマダラセセリらしいチョウが見られた。

スジグロシロチョウ(2023.6.25 撮影)

ヒメキマダラセセリ(? 2023.6.16 撮影)

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ウクライナ情勢(6/20~6/26)

2023-06-27 00:00:00 | ウクライナ情勢
6月20日
・米中対話継続 習氏と確認 ブリンケン氏が会談 首脳会談実現へ協議
・ウクライナ復興 官民で意見交換 英で22日
・G7外相会合 21日に開催へ 復興会議合わせ
・北「衛星」再発射 早期に 党中央委員会 失敗「最も深刻な欠陥」
・対中 米との連携継続 官房長官「米中安定は重要」
・習氏 権威強化に利用 国務長官と会談 「米中関係を制御」演出 米は直接対話重視
・国際連携拡大 綱引き バイデン政権
・【社説】米中外相会談 習氏の自制が関係改善の鍵だ
・2週で113平方キロ奪還 ウクライナ 露軍に損失 強調
・誤った戦況報告 再び疑念 プーチン氏 不正確な発信も
・ウクライナ復興支援 覚書 日本 復旧ノウハウ共有へ

6月21日
・中国の関与「有益で重要」 ブリンケン氏 露侵略終結へ強調
・防衛装備開発 国際標準に 防衛省原案 継戦能力維持へ
・ベラルーシへの核配備「恒久的」 露外務省幹部
・独中 距離感探る 政府間協議 独:依存リスク修正、中:欧米の離間狙う
・ウクライナ 露、東部戦線に増派 南部の反攻 妨害か
・台湾、欧州と半導体協力 外交部長歴訪 対中抑止を強化
・音楽コンクール 露侵略中の開幕 日本から7人出場 ロシアで
・ナワリヌイ氏 新公判 過激派設立の罪 刑期大幅延長か
・新露派政党に解党命令 モルドバ憲法裁判所
・深層NEWS 露新衛星 影響を分析

6月22日
・ウクライナ復興会議開幕 61か国代表ら出席 米英 追加支援を約束
・林外相「官民で後押し」 日本企業の投資促進へ
・対日戦勝記念日 露、上下院で可決 9月3日
・防衛装備移転 自公に溝 「5類型」拡大 焦点
・G7外相会合 対中すり合わせ
・「露砲撃の消耗 重視」 ウクライナ反攻 長期戦の構え
・ダム決壊 貯水池 ほぼ消失か 農地の砂漠化懸念
・中国、キューバに軍事施設 米紙報道 設置に向け交渉
・台湾防衛「日本が最重要」 米研究機関 日米同盟の深化 訴え
・日本の防衛増額 「私が説得した」 バイデン氏
・露流布「重傷説」を否定 ウクライナ高官、日本大使と会談
・フィンランド オルポ首相 就任 NATOを「外交政策の中核」に
・反政権派の有罪 最高裁が支持 ベラルーシ
・深層NEWS 反転攻勢の作戦 分析

6月23日
・トリチウム 中国原発 放出6.5倍 福島第一処理水に比べ
・クリミア結ぶ橋 損壊 ウクライナ 露軍補給に打撃
・復興会議が閉幕 400社超支援表明
・米印協力拡大 首脳が協議へ 
・海自と海保が有事想定訓練
・処理水巡り「情報戦」 福島第一原発 
 日本:島嶼国に安全訴え
 中国:外交カードに利用
 IAEA:「妥当」評価 WHO飲料水基準の1/7
・ウクライナ首相を日本招待 林外相 経済復興推進会議に
・韓国の処理水批判 過激化 尹政権 冷静対応呼びかけ
・米高官、中立国と協議へ ウクライナ侵略 インド・南アなど出席
・露、ワグネルに契約要求 「国防省傘下入りを」 創設者反発 対立激化
・露、WWF(世界自然保護基金)活動を批判 最高検「好ましくない組織」指定

6月24日
・ウクライナ 反攻 長期戦構え 侵略16か月、戦闘激化
・「独裁者」発言撤回せず バイデン氏 米中に「悪影響なし」
・防衛費増額発言 「誤解招き得る」 日本、米に申し入れ
・南西防衛「国民保護に重要」 首相「厳しい安保環境」
・ウクライナ侵略16か月
 ウクライナ軍は反転攻勢を始め、南・東部の奪還に着手している
 反攻「回廊」寸断狙う 
  ダム決壊 甚大被害 「非正規軍」存在感増す
  前進 防空力が弱点 防衛省防衛研究所研究幹事 兵頭愼治氏
・バイデン氏 モディ氏厚遇 米印首脳会談 対中念頭 安保で接近
・アイルランド国防修正議論 国民討論会 中立の行方 焦点
・仏大統領、中国首相と会談 気候変動など協力訴え

6月25日
・ワグネル 露南部で反乱 「軍施設制圧」 正規軍と交戦
 プーチン氏「必ず罰する」
・同志国軍支援へ担当室 政府方針 装備品供与を推進
・露、二正面作戦に ワグネル反乱 侵略と鎮圧 プーチン氏焦り プリゴジン氏影響力過信か
・【社説】ウクライナ情勢 復興見据えて反攻を支えたい
・「露がダム決壊 ひきょう者」 ウクライナ大統領府副長官 イーホル・ジョウクバ氏
・中朝国境 中国人客に沸く 「北兵器の資金源」懸念も
・「米が挑発なら対応攻勢的に」 北、ミサイル正当化か
・「ザポリージャ」安全確保協議 IAEA局長、露側と

6月26日
・ワグネル反乱終結 露、捜査中止 部隊撤収表明 プリゴジン氏、ベラルーシへ
・政府、露情勢を注視 日米安保高官、連携を確認
・対日戦勝記念日 プーチン氏署名 9月3日、法律成立
 「第二次世界大戦終結の日」⇒「軍国主義日本に対する勝利と第二次大戦終結の日」
・プーチン氏 威信に傷 ワグネル反乱 軍司令部(ロストフ州)制圧防げず
・ウクライナ 反攻を強化
・【社説】ロシアで反乱 プーチン氏の弱さが露呈した
・米欧、露の情報収集 ワグネル反乱 プーチン政権に動揺か
・中国外相と会談 露次官、反乱説明か
・露、軍用イルカ訓練か 英指摘 クリミアで艦隊防衛
・プリゴジン氏と関係維持も 
・米原子力空母 ベトナム寄港 中国けん制
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ヒメギフチョウの3齢幼虫

2023-06-23 00:00:00 | 
 脱皮後ウスバサイシンの葉の表と裏に分散していた3齢幼虫たちは、やがて揃って葉裏に移動し、そこで一斉に食餌をし一斉に休息するという行動をくりかえした。
 脱皮後2日目の5月7日にタイムラプス撮影したビデオを見ると、幼虫たちは約35分間かけてウスバサイシンの葉を食べ、その後約35分間は休息するという行動を繰り返した。

 3齢ともなると食餌の量も増えて、幼虫たちが一斉に食べると、ウスバサイシンの葉もたちまち食べ尽くされてしまう。次のようである。

 
葉裏に止まり、一斉に食餌と休息を繰り返すヒメギフチョウの3齢幼虫(2023.5.7, 10:15~16:18  30倍タイムラプス撮影後編集 )

 この1枚目の葉を食べ尽くし、2枚目の葉に移動してからも幼虫の食欲は変わらない。休息中、さかんに糞を出していたかと思うと、また一斉に食べ始める。食餌の時間は次第に長くなり、次の映像の頃には50分程度になっている。

 
2枚目のウスバサイシンの葉裏で一斉に食餌をするヒメギフチョウの3齢幼虫(2023.5.8, 0:12~1:08  30倍タイムラプスで撮影)

 鉢植えにしたウスバサイシンの2枚目の葉を半分ほど食べたところで、4匹の幼虫が移動して別の葉の表面に静止し、そこで動かなくなった。他の幼虫の中にはまだあちらこちら、いくつもの葉を移動しているものもいる。


3枚目のウスバサイシンの葉表で静止状態に入ったヒメギフチョウ3齢幼虫(2023.5.8, 8:42 撮影ビデオからのキャプチャー画像)

 葉表面で眠状態になった4匹の幼虫は、翌日早朝に最初の1匹が脱皮をはじめ、およそ4時間後に4匹目の脱皮が終わった。1匹の脱皮に要する時間は約3、4分であるが、脱皮後幼虫は30分近く激しく体を動かし続ける。次のタイムラプス映像は、1,2,4匹目の脱皮の様子である。

 脱皮後の幼虫の頭部は白いが、すぐに真っ黒に変化していく。

 
 ヒメギフチョウ3齢幼虫の脱皮(2023.5.9, 6:05~9:55 30倍タイムラプス撮影後編集)

 タイムラプスで撮影した映像を見ていると、実際の脱皮の様子を実感しにくいので、次に同じシーンの一部、2匹目の脱皮の様子をもう1台のカメラで実時間撮影した映像をご紹介する。

 
 ヒメギフチョウ3齢幼虫の脱皮(2023.5.9, 7:33~7:37 実時間撮影後編集)

以下次回
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ウクライナ情勢(6/13~6/19)

2023-06-20 00:00:00 | ウクライナ情勢
6月13日
・防衛増税「25年以降に」 骨太の方針 先送り示唆へ
・北「衛星」備え 破壊命令延長
・習氏 ホンジュラス厚遇 経済協力で台湾に圧力 大統領と会談
・ウクライナ 東部集落奪還 ゼレンスキー氏 「反攻」表明後初めて
・ダム決壊 ICC(国際刑事裁判所)捜査開始
・独、24か国と空軍演習 対露念頭、初の実施」
・中国核弾頭「著しく拡大」 国際平和研究所 60発増え410発に
・深層NEWS 反攻着手「国民を高揚」

6月14日
・ウクライナ 7集落奪還 反攻1週間 3戦線で軍展開 米研究機関分析
・香港「福島産など禁輸」 福島第一、処理水放出なら
・「防衛財源」あす採決調整 参院委員会 与野党で神経戦続く
・ウクライナ ダム決壊1週間 浸水被害 全容見えず 反攻、渡河は困難か
・IAEA局長が 復旧支援提示へ
・独、くすぶる徴兵復活論 人員増強 目標厳しく
・北「衛星」引き揚げ 中国も 自国技術使用 隠す狙いか
・民間施設攻撃「意味ない」 プーチン氏 酔って熱弁
・侵略言及「中露が異」 G20 開発相会合 議長総括に記載
・日中外務省高官 上海で意見交換
・防衛増税「柔軟に判断」 財務相 「25年以降」容認も示唆

6月15日
・ウクライナ 「露が小型ダム爆破」 国防省幹部 洪水で進軍阻止図る
・防衛財源法案あす成立 自公方針 遅延なら会期延長も
・独、軍事力を抜本強化 初の安保戦略 閣議決定
・プーチン氏 世論対策強化 大規模反攻に対抗 SNS発信者と懇談
・自国攻撃なら「核ためらわず」 ベラルーシ大統領 使用に言及
・尹氏、駐韓中国大使を批判 「外交官の態度か疑わしい」
・米国務長官 16日から訪中
・視点 ウクライナ危機 輸出合意継続へ 露に圧力を
 穀物市場動揺 食糧安保見直し 日本、コメ生産がカギ 宮城大学教授 三石誠司氏
 
6月16日
・北ミサイル2発発射 日本海EEZ内落下か
・砲弾の火薬 米に提供 ウクライナ間接支援 政府調整
・ウクライナ 複数拠点から攻勢 英研究所分析 南・東部 突破口探る
・露高官 死傷増か ザポリージャで少将戦死
・NATO 弾薬大幅増産へ 国防相理事会 在庫不足に対応
・北の非核化向け 日米韓連携確認 安保高官会談
・露とキューバ 急接近 ウクライナ侵略 契機に 「経済再建」「孤立回避」一致
・露・ウクライナ首脳と会談 アフリカ代表団 両国訪問へ
・長期支援担保へ合意文書を調整 米英独仏
・露大使館新築 豪政府認めず 安保理由に

6月17日
・防衛財源法成立 LGBT法も 剰余金を活用
・日米韓首脳 ワシントン会談 8月調整 中国、北議題
・「露軍の激しい抵抗 直面」 ゼレンスキー氏 追加支援呼びかけ
・日米比 安保で新枠組み 初会合 対中けん制へ連携強化
・米への砲弾提供 「合意事実ない」 浜田防衛相
・北発射2発 短距離弾か
・外相 英仏訪問へ 
・露軍、多重の防衛線 ウクライナ反攻 通信妨害、無人機を投入
・武器の再輸出「許可を」 ゼレンスキー氏、スイスに
・プーチン氏 演説へ 国際会議
・東・南部の4州 露「9月に選挙」
・韓国、北ロケット残骸回収 先月末打ち上げ 米と共同分析へ
・米原潜 釜山に入港 トマホーク搭載 対北警告か
・米紙報道 人身取引 中露は最低評価 
・アフリカ 独自和平案 首脳キーウ訪問 提案へ
・原発用の冷却水 IAEA「十分」 ザポリージャ視察
・深層NEWS 反攻「早期に戦果を」
・ファーウェイ製 欧州委排除要請 「5G」整備
・ウクライナ復興へ「協働」 G7交通相共同宣言案 地方の移動手段確保も

6月18日
・ウクライナ投資 促進会合 年末にも日本で 復興へ企業協力
・防衛装備「国産を追求」 生産基盤強化 継戦能力重視 輸出「官民で推進」政府方針原案
・戦術核「ベラルーシに移転」 プーチン氏「年内完了」
・ドニプロ川東岸で銃撃戦 露占領地 ウクライナが上陸作戦
・インフラ復興 連携支援 交通相会合 G7、ウクライナに
・【社説】防衛力強化2法 安定財源の議論から逃げるな
・独「核抑止」に軸足 国家安保戦略 露の脅威「軍縮」薄れる
・領土奪還に理解求める ゼレンスキー氏 アフリカ首脳と会談
・習氏、中台「融合発展」訴え 交流行事祝辞 世論分断 加速図る
・米中案件「率直に協議」 米国務長官、きょう北京会談
・経済堅調の演出 プーチン氏腐心 肝いり国際会議閉幕

6月19日
・米中、対話継続確認へ 北京で外相会談開始
・G7、運輸「脱炭素」へ連携 交通相会合閉幕 地域網維持も協調
・G7交通相 「地域の足」日本が提起 民間支援 必要性一致
・EV用鉱物 中国依存警戒 ブティジェッジ/米運輸長官 「供給網は脆弱」日本と連携へ
・露、地対艦ミサイル配備 西部国境 ウクライナ軍確認
・米中 譲歩なき対話 外相会談 米 意思疎通 継続探る、中国 習氏訪米 地ならし
・プーチン氏 侵略正当化 南ア大統領らに 和平案議論 平行線

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核融合(2)

2023-06-16 00:00:00 | 核融合
 前回当ブログ「核融合(1)」(2023.3.31 公開)で紹介した核融合に関する国家戦略案は、その後2023年4月14日に正式に決定され、「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が公表された。この中で、開発戦略や推進体制が次のように示されている。

 *国家戦略のビジョン
  この先 10 年を見据えた戦略として、「世界の次世代エネルギーであるフュージョンエネル
 ギーの実用化に向け、技術的優位性を活かして市場の勝ち筋を掴む、“フュージョンエネルギーの
 産業化”」 をビジョンに掲げる。 

 *ビジョン達成に向けた基本的な考え方と具体策
  ビジョンを達成するための基本的な考え方として、フュージョンインダス トリーの育成戦略、
 フュージョンテクノロジーの開発戦略、フュージョンエ ネルギー・イノベーション戦略の推進
 体制等に一体的に取り組む。
  ● 内閣府(科学技術・イノベーション推進事務局)が政府の司令塔とな り、フュージョン
   エネルギーの実用化というイノベーションの実現に向けて戦略を推進する。
  ● 原型炉への移行判断の後に体制を構築しては産業化に乗り遅れるため、体制構築に向けた
   議論を令和5年度より開始する。 
  ● QST(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構) が保有する技術を早期に民間企業
   へ移転するため、研究開発から社会実装まで取り組むフュージョンテクノロジー・ イノベー
   ション拠点の早期設立を目指し、令和5年度から検討を開始する。

 核融合炉の安全性についても言及しており、次のように記されている。

  ● 安全規制に係る同志国間での議論に参画すること
     米国や英国等では安全規制に関する議論が先行しており、海外市場獲得のためには国際協調
           による規制の策定及び標準化が必要なため、 Agile Nations(アジャイルネーションズ)
     14の枠組みの下で「国際的な核融合規制へのアプローチ」に関する議論を行うためのワー
           キンググループ等に参画し、令和5年度にはワーキンググループとしての議論をまとめ
    る。
  ● 安全確保の基本的な考え方を策定すること
     安全規制の内容によってフュージョンエネルギーに必要な機器に要求される性能や設計等
           が変わるので、民間企業の参画を促進するために は早期に安全規制を検討する必要があ
           る。
           そのため、内閣府に、技術者や規制の専門家、一般市民を構成員とす るタスクフォースを
     設置し、関係省庁の協力を得ながら、フュージョン インダストリーの育成、原型炉開発の
     促進も念頭においた安全確保の基本的な考え方を産業化に乗り遅れないように検討する。
     なお、その際に、 核融合は核分裂とは原理が異なることから、規制を検討する体制も含め
           て議論を行う。  

 NHKはこれについて、次のように報じた。
 「次世代のエネルギー源として期待される核融合について、政府は初めてとなる開発戦略を正式に決定し、所管する高市経済安全保障担当大臣は『産業化の推進を図るなど多面的なアプローチを展開し、実用化を加速できるようにする』と述べました。
 核融合は太陽の内部で起きている反応で、人工的に起こすことで膨大なエネルギーを取り出すことができ、二酸化炭素や、いわゆる核のごみを出さないことから、日本も国際プロジェクトに参画するなどして、2050年ごろの発電の実現を目指しています。

 政府は、初めてとなる核融合の開発戦略を、14日、正式に決定しました。

 この中では、海外では民間も含めた開発競争がすでに起きているとして、日本企業の海外市場への参入を促すなどして、『研究開発の加速により、核融合による発電を早期に実現する』などとしています。

 イノベーション政策を所管する高市経済安全保障担当大臣は、14日の会見で『多面的なアプローチとして、産業協議会の設立やスタートアップなどの研究開発の支援、安全規制に関する議論などを新たに展開して、実用化を加速できるようにする』と述べました。」

 このように、核融合の研究開発は官民が一体となり、原型炉の実現と発電の実証に向けて加速されることになった。

 ところで、現在フランスで建設が進められているという国際熱核融合実験炉「イーター(ITER)」とはどのようなものか。この装置は「核融合発電」を目指すものなので、その発電機としての機構と性能はどのようなものか、いくつかの関連資料をあたってみた。

 まず、エネルギー発生の基になる「核融合」反応について。原料となる物質とその製法、そして反応、そこから得られるエネルギーの形態と大きさはどのようなものかである。

 核分裂と同様、核融合反応もまたアインシュタインの特殊相対性理論が予言する質量欠損によるエネルギーを利用するものであるはずである。

 自然界に存在する元素の質量はその構成物質である陽子、中性子、電子を足し合わせたものになるが、原子番号の異なる元素を詳しく見ていくと、その質量は単独の陽子、中性子と電子の単純な合計ではなく、元素の種類によりわずかに異なる小さな値となることが知られている。

 この差は質量欠損と呼ばれるもので、相対性理論が示すように質量とエネルギーは等価であることから、各元素の原子核の状態は陽子や中性子が単独でいる状態より低いエネルギーになっていることになる(以下では電子の質量は無視できるくらい小さいとしている)。

 言い換えれば、粒子が結合した原子核の状態から粒子をばらばらの状態にするためには外部からエネルギーを加えなければならない。このエネルギーのことを結合エネルギーと呼ぶ。

 次の図は各元素の中の核子(陽子と中性子の総称)1個当たりの質量の変化を示すものであるが、軽元素と重元素の両方で大きく、中間域では小さくなることがわかる。


各元素に対する核子1個当たりの質量(「プラズマ工学の基礎」産業図書発行を参考に筆者作成)
 
 この元素ごとの質量欠損を結合エネルギーに換算して示したものが次の図である。上図と方向は逆になるが、その特徴は次のようである。

図 核子1個当たりの結合エネルギーと元素の質量数との関係

 (1)核子1個当たりの結合エネルギーは、特に軽い元素を除いてほぼ一定 (6~9MeV)である。
 (2)質量数が約60の元素を最大として、それより小さい元素も、大きな元素も結合エネルギーは小さい。
 
 こうした原子核の特性は、軽い元素は結合することにより、重い元素は分裂することにより、より安定になることを意味していて、これを利用したものが核融合あるいは核分裂によるエネルギー発生であり、このエネルギーの利用形態の一つが発電ということになる。
 
 核融合反応は実際に太陽などの恒星内部でおきているが、中心温度の違いによるいくつかのタイプがあるとされる。我々の太陽の場合は、中心温度が1600万度Kであり、1000万度K以上で起きるとされている水素の原子核であるプロトンの核融合が起き、ヘリウムが生まれている。

 他の星の中心部では重水素の原子核の反応が、より低い温度、およそ250万度Kで起きているという。

 この温度だけをみると、以下に述べる核融合炉の目指す温度に比べると低いのではという印象を受けるが、これは星の中心部の、太陽の場合2500億気圧という超高圧下での反応であり事情は異なっていて、温度だけで決まるものではない。

 地上で核融合反応を起こす場合に比較されるのは、目下次の3つのケースである。

 1.水素の核融合・・・水素の原子核がプロトン(陽子)であることから陽子-陽子連鎖反応、p-pチェインなどと呼ぶ。4つの水素原子から1つのヘリウム4が生成される反応であり、以下の過程を経る(ウィキペディア「核融合反応」より)。

  ① 
    2つの陽子が融合して、重水素となり陽電子とニュートリノが放出される。

  ② 
    重水素と陽子が融合してヘリウム3が生成され、ガンマ線としてエネルギーが放出され
    る。

  ③ 
    ヘリウム3とヘリウム3が融合してヘリウム4が生成され、陽子が放出される。
 
 2.重水素の核融合・・・D-D反応と呼ばれるが、2つの重水素原子核が融合し三重水素またはヘリウム3が生成される。

 

 3.重水素と三重水素の核融合・・・D-T反応と呼ばれるもので、ヘリウム4と高エネルギー中性子を生成する。核融合反応の中でもっとも反応させやすいとされ、水素爆弾にも利用されている。この反応によって放出されるエネルギーは同じ質量のウランによる核分裂反応のおよそ4.5倍、同質量の石油を燃やして得られるエネルギーの800万倍(1gの核融合燃料は8tの石油に相当)に達するもので、核融合炉で使用される核融合反応として、実用化のために研究が進められているのがこの反応である。

   

 これらを次の図にまとめる。



 このように、現在開発が進められている核融合炉では、原料の入手可能性、技術面での到達可能性を考慮して、D-T反応を用いることを前提としている。

 D-T反応の一方の原料である重水素は、重水として海水中に0.015%存在するとされ、その濃縮方法も確立されている。実際、カナダでは現行の原子力発電所で冷却水として重水を使用しているとされる。この重水を電気分解することで重水素が得られる。

 もう一方の三重水素(トリチウム)は自然界にはほとんど存在しない。現在、福島原子力発電所の放射性廃棄物としてその海洋投棄が話題になっているものであるが、今のところこれを再利用するという話は聞かれておらず、ITERでもブランケットと呼ばれる構造材に含まれるリチウム(合金や化合物)に中性子を照射して得られる核反応生成物として、D-T反応で消費する以上のトリチウムを炉内で生成する方式が検討されている。

 代表的な反応は次のようであり、D-T反応で生成した中性子をブランケット中のリチウムに照射し、トリチウムとヘリウム4を生成する。

    

 D-T反応により外部に取り出されるエネルギーは、高エネルギー中性子によるもので、これをブランケット部で熱に変換して発電に利用する方式である。

 次に現在建設中のITERについての概要をみる。この国際プロジェクトへの参加極は、日本の他、欧州連合・アメリカ・ロシア・中国・韓国・インドで、合わせて35か国が参加している。


ITERへの参加国(青色)と建設場所(赤丸)(ウィキペディア資料に追記) 

 ITERの建設地はフランスのブーシュ・デュ・ローヌ県のサン・ポール・レ・デュランスに位置している原子力研究センター、カダラッシュの隣接地である。

 
ITERの建設地であるフランスのサン・ポール・レ・デュランス(ITER Japanの資料から)

ITER建設地の全景(量子科学技術研究開発機構発行資料より)


ITERの内部構造図(量子科学技術研究開発機構発行資料より)

 ITER日本国内機関としての政府指定を受けている量子科学技術研究開発機構では、ITERに必要な機器製作を分担し、次のような計画の基に納入をしてきており、2025年の”初プラズマ”を予定しているという。

 この初プラズマは水素を用いて行われるが、2035年には改良実験を重ねD-T核融合を目指すとされる。

 
日本の主な調達スケジュール(ITER Japanの資料から)

以下次回


 

 

 

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